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人形遊びも、ここまでくるとすごいでしょ?  作者: シャチ


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11/18

チンピラに絡まれたので叩きのめしてから、リラとお茶を楽しむ

 早速リラにネックレスをつけてあげた。

 私が顔を近づけたのでちょっとおたおたしていたのが可愛かったわねご馳走様。

 次はカフェに向かうため貴族街のほうへと歩いていく。

 実際馬車で四半刻ほどだが、歩くと半刻ほどである。

 今日は街に人が多かったから、大通りを行く馬車も時間がかかったように思う。

「迷子になるといけないから、手をつなぎましょうか」

「へ!?あ、は、はい」

 リラがものすごく驚いているが素直に手を差し出してくれる。

 人も多いのでそのほうが安心だろうが、横を歩くリラは下を向いて顔を赤くしている。

 10歳にもなって手をつないで歩くのが恥ずかしいのかな?

 私達は道沿いの屋台を覗きながらカフェに向かう。


 しかし、どうも招かざる客が後ろについてきているようだ。

「リラ、申し訳ないけれどちょっと荒事になるわ」

「え、どうしたんですか?」

 ようやく手繋ぎにも慣れたらしいリラがこちらを向く。

 私とリラは、スッと裏路地に入ると、足を止めてクルリと振り向く。

 そこにはちょっとガタイのいい男が二人立っていた。

「っち、気付かれたか」

「まぁいい。嬢ちゃんたち?だいぶ羽振りがよさそうだなぁ?ちっと分けてくれよ」

 男の一人が胸元に手を入れナイフをちらつかせる。

「れ、レイラ様っ」

 リラはこういうの慣れてなさそうね。

 平民とはいえ結構箱入りで育てられていたみたいだし。

 こういう事は、私のほうが手馴れているみたい。

「ふむ、私達がドール家の娘だと分かって声をかけているのかしら?」

 私がすごんでみるが、男二人はへらへらしたままだ。

 あーこれは、王都に住む人間じゃないな。

「ドール家だぁ?伯爵令嬢さまがこんなところ歩いてるわけがねぇだろ」

「嘘はいけないなぁ嬢ちゃんたち。おとなしく金を置いてけばそれ以上は何もしないぜ」

 どう見てもそれ以上する気なのはありありと分かる。

 私もリラも皆目美しいんだ。

 あわよくば抱いてやろうというのが顔を見ればわかる。

 全く気持ち悪い。

 だから男は嫌いなんだ。

「あなたたち、情報が古いわよ。ドール家は先月侯爵家になったの。あとお忍びとはいえ、銀髪の金を持っている少女なんて、我がドール家ぐらいしかライスター王国にはいないのよ?バカじゃないの?」

 そういうと、男たちの後ろに騎士が3人ほど現れる。

 王都の衛兵をしている騎士の服だ。

 騎士たちは男たちの肩をがっちりとつかむと、すぐに体術をつかって二人の男を転ばせる。

「ぐっ!」「うわっ」

 男たちの声が上がるが、騎士達はしっかりと二人を拘束している。

「騎士は基本人間だけれど、王都の衛兵は半分がドール家の作った人形なの。貴族令嬢が護衛もつけずに歩いてるなんて思わないことね。さ、ゴミどもを連れてって」

「「「ハッ」」」

 私の指示に騎士人形たちが返事をする。

 あっさりと拘束された男二人は縄でぐるぐる巻きにされて連れていかれた。

 まったく、バカなことをするものだ。

 お忍びとはいえ、今日は髪の色も隠していないので”王都に住んでいる平民”であれば私がドール家の人間だと分かるはずなのだ。

 貴族も含め”銀髪の人間”なんてこの国ではドール家しかいない。

 なので、リラが平民のころに誘拐されるとすれば、ドール家へ身代金要求が目的にしかならないのだが。


「人が多いとこういうことも有るのね」

「びっくりしました…」

「こういう経験は無いようね」

「はい、あまり外にも出ませんでしたし、街の人たちは皆いい人でしたので…」

 なるほど、街の人たちも”わかっていた”んだろう。

 彼女に手を出すと危ないということぐらい。

 きっと父もさりげなく護衛人形をつけていたに違いない。

 ちなみに、髪の色で言えば、ここまで綺麗な銀髪はドール家しかいないが、貴族は結構カラフルな頭をしている。

 厳密には使える魔法の属性に近い髪色のため、平民に比べてカラフルなのだ。

 ちなみに、母の髪の色は緑色である。

 見た目以外の血は全く受け継がなかったらしく、私の髪の色は父よりも銀に近い。

 どちらかといえばリラのほうが父の髪色に近いと言える。

 でも、魔力持ってないんだよなぁ…

「さ、気を取り直してカフェに入りましょう。もうすぐよ」

 もう一度リラの手を取り歩き出す。


 カフェは平民側入り口は並んでいるが、貴族側はすいていた。

 レイラ・ドールで予約しているし問題ないだろう。

 二人で貴族入り口から入る。

 恭しく案内係の人から来店の礼を述べられ、二階から上の個室に通された。

 一階は大盛況だったわね。

 平民にも人気のお店だ。

 三階窓際の部屋に通してもらったおかげで、中央通りを行き交う人を見ることができる。

「わぁ…眺めがいいですね」

「そうね、行き交う人が良く見えるわ」

 私が給仕に指示をすると、予約をしていたシフォンケーキが出された。

 このケーキが今大変に人気だ。

 ケーキにかかる生クリームというものが絶品である。

 最近はこの国に砂糖が多く輸入されるようになり、甘いおかしが市井でも食べられるようになってきている。

「おいしいですねこれ!」

「えぇそうね」

 美味しそうに食べているリラの顔がかわいらしい。

「ほら、ほっぺたにクリームがついてるわよ」

「っ!」

 私がすっと手を伸ばしてリラの頬についているクリームをぬぐう。

 その指をおもむろに口に含んでみる。

 うん、甘いわね

「~~~///」

 あらあら、リラったら顔を真っ赤にしちゃって。

 もしかしてだいぶ私に惚れてきたのかしら?

 そんな遊びをしていると、部屋をノックされた。

「お楽しみのところ申し訳ございません。店主のダリラがご挨拶をしたくお時間いただけませんでしょうか?」

 ふむ、リラで遊んでいたいけれど、しょうがない。

 ここの店主は女性だし挨拶しておこう。

 最近家の人形を導入したので状況も確認したいし。

「えぇ、どうぞ。おはいりなさい」

「失礼いたします」

 オレンジ色の綺麗なショートヘアで長身の女性が入ってくる。

 年齢はうちの母より少し上。

 元王国女性騎士で今はこのカフェの店主である。

「お久しぶりですねダリラ騎士爵様」

「面通りが叶いありがとうございます。ドール侯爵令嬢様」

 騎士爵だと、1代限りなので位としては一番下なんだよね。

 それでももらえると一生ついてくる爵位なので、準貴族扱いなんだけれど。

「この度は、ダリラカフェに給仕用人形を納品いただきありがとうございます。大変助かっております」

「そうですか、不具合などはありませんか?」

「全くありません。大変スムーズに接客をしてもらっており助かっております」

「それは、ようございました。益々の発展をお祈りいたしますわ」

「お言葉有難うございます。お時間をいただきましたこと深く感謝いたします」

 挨拶も終わりダリラさんはすぐに部屋を後にしてくれた。

「こんな街のカフェでも人形が納品されているんですね…」

「魔力を持つ人であれば起動と充填ができるからね。彼女は先祖返りで魔力持ちになったおかげで騎士になれた人だけれど、引退してからは実家のカフェを継いで、こうして盛り立てていらっしゃるのよ。自立した女性は素晴らしいわね」

「そうですね…レイラ様も将来は侯爵家家当主ですものね」

「王女とは言わないのね」

「結婚する気ないんですよね?」

「ないわね、するならリラとがいいわ」

「あ、う」

 顔を真っ赤にしたリラがすごくかわいい。

 これは脈があると思っていいわね。

 これからどんどん外堀を埋めないといけないわね。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] リラとダリラ、ちょっと紛らわしいです
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