愛しい彼女との記念日キス
主人公は男でも女でも、好きな方で読んでみてください。
私と彼女は今日で付き合って1年になる。
だから記念日だと思ってプレゼントも買った。
少しウキウキしながら時計の針が回るのを眺める。
約束の午後8時。彼女は、
帰って…………来なかった。
そうか。きっと仕事が忙しいんだろう。
仕方がない。諦めよう。
少し涙が出そうだ。
「ふぅ……」
シャワーでも浴びるか。
お風呂場へ向かおうと立ち上がった瞬間だった。
ドタドタッ 階段を駆け上がる音が聞こえる。
どうやら帰ってきたようだ。
私も急いで部屋を出る。
玄関には息を切らせた彼女がいた。
「おかえりなさい!」
笑顔で言うと彼女は顔を赤くしながら言う。
「た、ただいま……。あのさっ、今日何の日か覚えてる?」
「もちろん!記念日ですよね?だから一緒にご飯食べて、それから……」
「そっかぁ……。じゃあご飯の準備してくるからちょっと待ってて」
そう言って台所へ向かった彼女の顔は真っ赤に染まっていた。
「あれ?なんで赤いんだろ……」
まあいいか。気にしないでおこう。
そして数分後、料理が完成したのか彼女も台所から出てきた。
テーブルに置かれた料理を見て驚く。
そこにはハンバーグにエビフライなどが置かれていたからだ。
「こ、これってもしかして私の好きなものですか!?」
「うん。だって今日の記念すべき日に食べるものだもん。やっぱり好物を食べながらの方が幸せになれると思って」
その言葉を聞いて嬉しさがこみ上げてくる。
ああ……もう好き!!!
「ありがとうございます!では早速いただきます!!」
まずはハンバーグを一口サイズにして口に運ぶ。
美味しい。とてもおいしい。
「ど、どうかな?大丈夫かな?」
不安げに聞いてくる彼女に私は満面の笑みを浮かべて言った。
「最高です!!!」
すると彼女は安心したような表情をして自分の分の食事に手をつけ始めた。
楽しい時間はあっという間に過ぎていく。
「ごちそうさまでした!すごくおいしかったです!」
私が食器を流し台まで持っていくと、彼女が話しかけてきた。
「ところでさ、今日の夜って…その、する?したいよね?」
少しだけ恥ずかしそうな様子で問いかける彼女。
そんな彼女を抱きしめたい衝動に駆られるが我慢して答える。
「はい。ぜひお願いします!」
「わかったよ。じゃあ準備しておくから先にお風呂入ってきちゃいなよ」「わかりました!すぐ出てきますね!」
そう言い残して脱衣所へ向かう。
服を脱いで浴室に入るといつもより湯船が大きい気がした。
不思議に思いながらもシャワーを浴びていると扉の向こう側から声がかかる。
「ねえ、背中流そうか?」
えっ? 一瞬理解できず固まってしまう。
だがすぐに意味を理解して返答をする。
「いいんですか!?ならお願いします!!」
「おっけー。任せておいて!」
元気よく返事をした彼女はスポンジを手に取り泡立てる。そしてそのまま私の背後に立つと優しく洗ってくれた。
なんだこの至福のひと時は……。
全身を洗い終えたあとは二人でゆっくりと湯に浸かる。
「気持ちいいですね……」
「そうだね……」
沈黙が流れる中、彼女は私にもたれかかってきた。
私より遥かに豊満な胸が、私のそれにのしかかる。やばい。めっちゃドキドキしてきた……。
「ねえ、キスしようか」
耳元で囁かれる甘い誘惑。断る理由なんてない。
私は小さくうなずくと目を閉じた。
唇が重なると同時に舌を入れられ、口内を蹂躙される。
お互いの唾液を交換し合うかのような濃厚な接吻。
頭がクラクラしてくる……。
しばらくしてようやく解放された私は肩で息をしながら尋ねる。
「ハァッ、ハアッ……、ちょっ、激しすぎませんかね!?」
「ごめんね?でもほら、私たち最近してなかったじゃない?だからつい我慢できなくて……」
申し訳なさそうに謝ってくる彼女。別に怒ってはいない。ただ驚いただけだ。
そして私の中で一つの欲望が生まれた。
もっと彼女と愛を深めたい。
もっと彼女のことを知りたい。
そう思った私は彼女の手を握って言う。
「あの、今日は朝までコースとかどうでしょう?」
「ふぇ!?そ、それってどういうこと?」
顔を真っ赤にして狼惑する彼女。
こうして私たちは夜通し愛の営みを続けることになった。