プロローグ
カーテンの隙間から漏れる光が目に溢れ目が覚める。
頭がズキズキと痛い。
「二日酔いだなこりゃ」
時計に写る時刻は8時32分
今日は久々の休みなので仕事はない。ベットから降り冷蔵庫の中にある水の入ったペットボトルを手に取り飲む。
カーテンを開けて着替え始める。
財布を持ちコンビニへ朝ごはんを買うべく家を出る。
今日も一段と暑い。額から垂れる汗を拭いながらコンビニへ歩く。
「おはようございます中本さん」
「おはようございます」
俺は中本慎二。日々平和を求めている28歳の独身男だ。最近上司にやたらと飲みに誘われ困っているのだ。そのせいで今日も二日酔いだ。本当に最悪だよ。
日本のこの上司には逆らえない文化どうにかならないかなー。誘いを断ると先輩にどんな風に思われるか分かったもんじゃない。ましてや社内で飲みの誘いにすら答えてくれないとかいう噂が流されたらたまったもんじゃない。俺の会社はそんなブラック企業だ。
コンビニに着き朝ごはんに食べるパンとお茶を買い帰路に着く。
家までちょうど半分のところでそれは俺を襲った。
ん?
あれ?
何か視界がグラグラ揺れてない?こりゃ酷い二日酔いだな。一旦そこのベンチに座るか。
ベンチに向おうとしている俺の意思に足が言うことを聞かない。
背後から車のサイレンが鳴り振り返る。
次の瞬間、俺とトラックがぶつかり轟音が吹き鳴り身体吹き飛ぶ。
目を薄く開けると俺の身体は地面に横たわっていて、身体はピクリとも動かない。
痛い
熱い
気を抜くと一気に意識を持っていかれそうだ。
死ぬのか俺
嫌だ。死にたくない!
俺は意識を持っていかれないように全力で諍う。が、
身体に潰れるほどの圧がかかり、内側から燃えるような痛みが更に襲い身体が耐えられそうにない。
目の前が徐々に白くそして瞼が閉じ暗くなる。
あっけないな俺の人生。彼女いない歴=年齢。親孝行もまともにしてこなかったな。
悔しい。
悔しい。
悔しい。
悔しい。
悔しい。
悔しい!!
もし来世があったなら絶対に彼女を作り、いい職業について、親にしっかり感謝しながら生きてやる!!
意識の中でも俺は深い眠りにつきこの世界から消え去った。
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【転生召喚完了しました。続いて肉体を生成します。】
なにも無い真っ黒な空間からその声は響く。
細かい泡が俺の身体を纏う。
【肉体生成完了しました。続いて召喚場所を確定します。】
周りが白く光る。
【確定しました。それでは召喚を開始します。】
俺の身体が少しずつ塵になり次の場所に転移し始めた。
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ポヨン、ポヨンと弾みながら俺は召喚される。
何が起きているんだ?
状況把握のため目を開けようとするが目が無いかのように開かなかった。そして足も無いかのように動かない。
俺死んだはずだよね?何で今こうして意識があるんだ?もしかして俺死んでいなかったのか?病院で意識失ってるとか?
ポヨヨン。
目が開かないので感覚神経が研ぎ澄まされた俺の身体に何かがぶつかった。
誰だ?
【鑑定Lv.1を使用しますか?】
え?何?鑑定?それ何?てかこの声誰?
【鑑定とは対象の個体のステータスを見ることのできるスキルです。Lvが上がるにつれて見ることの出来る情報が多くなります。】
ドユコト……?
鑑定がなにかは理解したけどドユコト?夢だよね?夢じゃなかったら何?
もしかしてここ異世界?ってことは俺もしかして転生しちゃったの?
その鑑定って俺が思ってるやつなら俺が読んだことのある異世界系のラノベによく出てくる超役立つスキルだったよな。
【鑑定Lv.1を使用しますか?】
とりあえず情報収集だ。目が見えないから鑑定を積極的に使っていくしかないな。
鑑定、使うよ。
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名前 : なし
レベル : 1
種族 : スライム
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レベル1だからこんなもんなのかな。これだけでもものすごく役立つな。スライムって言えばRPGとか異世界系のラノベでも雑魚キャラだよね。じゃあ襲われてやられる心配もないな。
俺も鑑定できる?
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〈名前〉なし
〈レベル〉1
〈種族〉スライム
〈称号〉なし
〈保有スキル〉
種族固有スキル : 身体伸縮 痛覚無効
: 自己再生 吸収 溶解
ノーマルスキル : 鑑定Lv.1
耐性スキル : なし
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ん!?え!?もしかして俺もスライムなの?マジかよ!?!?どうりで目が開かなくて上手く動けないわけだ。最悪だ、、
せっかく転生したのに転生先がスライムとは、、俺の2回目の人生終わった……
俺何か悪いことしたかな。良いことをした覚えはないけどさっ。
くそっ、こうなったら何が何でも生き残ってやる。かかってこい異世界!!!
ここから俺の異世界での生活が幕を開けた。
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転生してから数ヶ月後・・・
目が見えなかったはずの俺だったが慣れたのか周りに何があるか分かるようになり、それどころか岩の裏に何があるのかも分かるようになった。ここはどうやら森だったようだ。
俺の中で喋っていたあの声の主はいまだに分からない。聞いても聞いても応えてくれない。コンピューターみたいだ。スキルを使用する時とかに声を出すのだ。一体誰なんだろうか。
この世界に来て結構たったから分かったことがある。
生物についてだ。この世界の生物は俺のようなスライム以外にもいる。名前は分からないが遠くから見たことがある。近づいたら何されるか分かったもんじゃないから近づかないよ。殺されたら嫌だからね。せっかくの二回目の人生を大事にしないと。俺の今年の目標を二文字で表すなら"慎重"だな。いや"安全"か。まあどっちもだな。話が逸れたけどスライム以外にもいるということだ。それらを倒すと経験値が発生する。スライムを倒したことをあるから分かる。どうやって倒したかって?
スライムはスキルの身体伸縮を使って殴ってもびくともしないけど包み込んでスキル溶解を使い相手を溶かしてダメージを与え、動かなくなったらスキル吸収を使うことによって倒すことができる。
【経験値を4獲得しました。】
経験値をゲットすると自分のレベルを上げることができる。だけど1レベル上げるのに合計でスライムを150体は倒したよ。本当に大変だったね。気が遠くなるよ。相手のスライムは攻撃をしても全然攻撃してこない。何故かは分からない。
ちなみにこれが俺の今のステータス。
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〈名前〉なし
〈レベル〉9
〈種族〉スライム
〈称号〉同族喰らい
〈保有スキル〉
種族固有スキル : 身体伸縮 痛覚無効
: 瞬間再生 瞬間吸収
: 瞬間溶解
ノーマルスキル : 鑑定Lv.6
耐性スキル : なし
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これが強いかはわからないがスライムを吸収した量が増えるとスライム固有スキルが進化して自己再生が瞬間再生に。吸収が瞬間吸収に。溶解が瞬間溶解になった。鑑定は自分のレベルとは関係がなく使うことによってレベルが上がった。なので最近は事あるごとに鑑定を使っているのだ。
この称号の同族喰らいはスライムを500体吸収したら貰えた称号だ。この称号を貰ったことによりスライムを倒した時に貰える経験値が二倍になるようだ。
500体スライムを狩るまで経験値が2しか貰えなかったからこの称号を貰った時は死ぬほど嬉しくて泣いたよ。心の中でだけど。
でも流石にスライムを倒すのは飽きたな。
このスライムボディにも慣れたから次は違う魔物を倒してみよう。俺が倒せそうな魔物だけど。
てかスライムに倒せる魔物ってスライム以外に居るのかな?もし倒せなかったらどうしよう。まあその時は何とか逃げるか。俺にはこんな感じで身体伸縮によってターザンみたいに木から木へと素早く移動できるからな!
ア〜アア〜!
てことでやるかー。
まあ何とかなるよね何とか。
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