「ロイ・ガーライルの手紙」
■ロイ・ガーライルの手紙
拝啓、親愛なる花明りの魔女様。
私は、花明り自警団所属、ロイ・ガーライルと申します。
先日は娘の病に薬を煎じて頂きありがとうございました。
お陰様で、娘は今日も元気に学校へと通い学問に励んでおります。
娘は、私も魔女様の様に誰かを助ける人になりたいと申しております。
この子が朗らかに、清くあれるのも、あの日アナタが助けてくれたおかげです。
一度、お礼に尋ねさせて頂いたのですが、どうしても辿り着く事が出来ずにいました。
ですのであの日の様に、女神像へこの手紙を置けば、アナタに届くのではないかと思い筆を執りました。
さて、お礼とは別にお話があります。
一年前、星月夜の村で大火災があったのはご存じでしょうか?
大変悲惨な事件でした。
今は廃村となっていたはずなのですが、先日の夜遅く、その村の方角から七色の光の柱と空鳴りが確認されました。
原因調査の為、翌日自警団で星月夜の村へ向かいました。
そこには、前の調査の時には存在しなかったはずの屋敷が忽然と姿を現し、それも真っ黒に焼け落ちていたのです。
この不可思議な事件、何か恐ろしい事の前触れではないかと私は思っております。
恐ろしい事件と言えば、約五百年前の東雲の天罰を彷彿とさせます。
何かが起こる前に、緊急時の対策や善後策を固めたいと思っています。
私は花明りの民として、一人の親として守れるものを守りたいと思っています。
長い時を生きこの世界を見てきた、アナタの知恵と力をお借りできればと思っています。
良いお返事をお待ちしております。
花明り自警団 ロイ・ガーライル