決意〜Origin〜 (2)
無数の光が、舞っていた。
沈み行く夕日に反射して、
きらきら、きらきらと。
光の粒が僕の視界を埋め尽くしている。
大きいもの、小さいもの。ずっと遠くにあるものから、すぐ触れそうなほど近くにあるものまで。それらが僕の周りを、音もなく、戯れるように浮遊している。それはまるで星に囲まれているような、有り得ないほど幻想的な風景。僕は、思わず自分の目を片手で押さえた。
ーーどうして、……ーー
これが無粒子?
君と僕のの原風景で。
探し求めていたもの。
がくりと膝が折れて、
僕はその場に崩れ落ちた。
これが
出会いで、別れ。
希望で、絶望。
ーー始まりで、終わり。ーー
僕は、咽び泣く。
「ちくしょう…、……ちくしょう……っ!」
そして僕は、僕の中で蠢いていたものが、分かった。何か形のない、憎しみに似た感情だ。全てを与え、奪っていったこの存在に。この現実に。
「……ちっくしょおおおおーー!!!」
そしてあまりに弱かった、この『僕』に叫んだ。
ーーやってやるーー
やがて『僕』は涙にかすむ風景を、脳裏に焼き付けるように睨む。
ーールチアを取り戻す。絶対に。ーー
ゆっくりと立ち上がる。そしてすぐ近くの光球へと手を伸ばした。今なら間違いなく、触れられる。それを、
ーー屈するものか…!ーー
握りつぶした。
それが今出来るせめてもの抵抗。
『僕』の、決意表明だった。
「シオーーーン!!」
ふと、遠くから声がして振り向いた。マルコーだ。こっちに走ってくる。よろよろとこちらに上って来る、僕の前に来ると膝に手を当てて息を切らしていた。きっと屋敷の中も探していたのだろう、かなり疲れた様子だ。
「……ふざけんなよ、お前、どんだけ…、探したと思ってやがる…」
「……。」
夕日は海に沈み、空が藍に染まり始めている。気づけば光は姿を消していて、あの景色はなくなっていた。僕はそのかつてあった場所を背にして、マルコーを見る。
「マルコー。…聞いてほしいんだ。」
「………ああ…?何だよ。」
「僕も、無粒子の勉強を続けるよ。」
するとマルコーは垂れていた背を起こして、呆けたように目を丸くした。




