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初めての世界
始めまして白竜千一と申します。
これからどうぞよろしくお願いいたします
「……!」
なんだろう…遠くから声が聞こえる…。
小さくて聞き取れない。重力の感じ方からして、私はどうやらうつぶせで横たわっているようだ。
私は両腕に力をこめて起き上がると、視界は晴れ、目の前には人形が居た。いや…人形かと思われたそれは、正確に言えば厚着を着込んだいわゆる探検者風の人間であった。
目の前の人間は口をパクパクさせながら、声にならない悲鳴をあげながら一目散へと逃げていった。
私は一瞬自分が夢や幻覚を見ているのかと思ったが、違うようだ。ではガリバーのように小人の国に迷い込んだのかと思えば、私の予想はいとも簡単に覆された。
なぜなら横にあった透明度の高い氷塊を見れば人間の顔とは程遠い怪獣のような顔が映し出されたからであった。