9/15
過去の…
放課後、女子高生2人がカフェで会話をしていた。
「私、過去の自分を探しに旅に出るわ」
「お土産待ってまーす!」
「……」
「どうしたの?はるちゃん?」
「どうしたのはこっちのセリフよ、こなつちゃん。『大丈夫?』とか『何かあった?』とか言ってよ…」
「えーだって、お土産が楽しみだもん」
「私、別れたの」
「分かれた?体が?」
「なんで体が分かれるの! 怖すぎるわ。彼氏と別れたの!」
「へぇーそうなんだぁ。それで旅に出るの?」
「そうよ、彼がいなくても楽しかった昔の自分を探しにね」
はるはカップを取りコーヒーを一口飲んだ。
「ちょっと待って、それって彼氏がいない自分が楽しくないってこと? 今は」
「…ええそうよ」
「じゃあまた彼氏作れば良いんじゃないの?」
「……それは……」
「あ、良いわ、やっぱ旅に出て」
「こなつちゃん、それってお土産がー」
「欲しいです!」
「はぁ…分かりました…」