夢を持ちなさい、おばさんより
公園で砂遊びする幼子に1人の女性が近づき声をかけた。
「若造よ」
「えっ僕のこと?」
「ええ、そうよ、私から人生のアドバイスをしてあげる。夢を持ちなさい」
「なんで、おばさん?」
「おば……えっとまぁ良い。夢を持たないと後で後悔するぞ」
「後悔するの?」
「私はこの年まで何の夢も持たずのうのうと生きてきた。今、夢を持っても時すでに遅し。私は心の中で泣いている。」
女性は目をつぶり首を横にゆっくり振った。
「分かった。夢、持つ!」
「特撮ヒーローになりたいとかは夢じゃないからな、ちゃんと現実に存在するもので頼むよ」
「わっ分かったよ」
「じゃあ私はこれにて」
女性は砂場から立ち去り、近くのベンチに座った。
そこにもう1人女性がやってきた。彼女は制服をきていた。
「あんた、また知らない子供に話しかけてたでしょ」
「夢を持つ大切さを教えていた。」
「あんたも高校生なんだから、夢を持ちなさいよ」
「いや、私は年を取りすぎた」
「それ言ったら40歳以降の人々からタコ殴りされるぞ」
「受けてたとう」
「受けてたとう、じゃないよ、はぁ……」
制服を着た少女はため息をついた。




