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サングラス〜青春の光がまぶしくて〜(ショートショート集)  作者: ameumino


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38/43

それ、悩みか?

公園のベンチに座り、ため息ばかりをつく青年がいた。そこに1人の長老がやってきた。




「どうした青年よ」


「ああ、老人、実は悩みがあって」


「ああ、老人?……まぁ良い、その悩みとは何じゃ?」




「俺、今年で20なんだ……それで今年生まれた子供は20年後、20歳だ。その時俺は40歳だよ? おっさん扱いされるよ。今年生まれた子に!」




青年は頭を抱えた。




「それで悩んでるのか」


「大きな悩みだよ!」


「はぁ……」


老人はため息をついた。




「おぬしの悩みは贅沢じゃ」


「贅沢?」


老人の一言に青年は顔をあげた。


「20年後、わしは生きてるかどうか分からない。だから青年よ、生きてることに感謝せよ」


「生きてることに?」


「そうじゃ」


「……分かったよ、老人」


「うむ……」


老人は腕を組みしばらく黙った。


「どうしたの、 老人?」


「うん、やっぱ気になるわ、その言い方」


「言い方?」


「老人だよ、老人。おぬしのせいで地の文まで老人に変わってるよ」


「地の文?」


「ああ、それは良い。とにかく、長老と呼んでもらって良い? 老人はやだなぁ」


「分かったよ、老人ー」


「じゃなくて?」


「はいはい、長老」


青年のその言葉を聞き、長老はゆっくりとうなづいた。

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