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修学旅行に遅刻したら新幹線を追いかけるハメになった件
修学旅行でゆう子は東海道新幹線に乗り窓際の席で寝ていたら、コンコンと窓から音がして、目を覚ました
車窓には全力疾走するたけしの姿があった。
ゆう子は窓を開けた。
「おはよう、たけし君」
「おはよう、じゃない! お前の力で新幹線とめてくれないか?」
「えーいやよ」
ゆう子は眉間にしわを寄せた
「あの力使ったらちょっと疲れるのよ」
「ちょっとだけだろ? 頼む!」
「無理、せっかくの修学旅行、全力で楽しみたいから無理」
「そんなぁ……」
「で、なんで遅刻したの?」
「そ、それはだな…」
たけしは走りながらうつむいた。
「宇宙人が家を訪ねてきて……」
「この、たわけ!しょーもないねん。もう一生走っとけ!」
「えっ止まるだろ?次の新横浜で」
「私が車掌さんに催眠術を使って東京駅まで止まらないようにしたわ。そのほうが早く着くからね」
「お、お前えげつないないことやってるやん……」




