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帰り道を教えて  作者: 大川魚
9/9

私を忘れないで

 気がついたときには頭を抱えていた。

 「大丈夫?急に痛みだしたんだよ、これは鏡の世界の影響なんじゃないの?」

 男は心配している。こんな自分のことを……

 これ以上はなにも思い出したくない。自分はずっとこの世界で生きていくと決めたのだから。目の前の心優しい男を巻き込みたくない。彼こそは帰るべき場所に帰してあげたい。

 自分に触れようと試みる男の手は鏡に触れている。その手をすかさずつかみ取り鏡の中まで引きずり込む。

 「甘い男。こんなのは演技かもしれないのに。学習もしないのね。ほら、もうこんなに鏡の中に引きずり込まれちゃっているじゃない。このままワタシトイレカワリマショウ」

 力強く引きずり込まれる腕を男は悲鳴をあげながら抵抗する。女の力は男の力には叶わず、掴まれた腕を振り払うことができ、男はすぐさま出口に繋がるドアまで走り、足を止めた。

 女は諦めた様子で男のことを見ている。その瞳には涙が……

 「俺が必ずこの鏡の世界から救いだすから……生け贄ではなく……鏡の世界そのものの謎を解いて……」

 それだけを言い残し、男は振り替えることなくドアをくぐった。ドアが閉まる音。一人取り残された鏡の中に居る女。

 「待っているわ……」


 その後、配信者の影響で噂が瞬く間に広がり、研究者や霊媒師が集い、また過去に入れ替わったことがある人々の協力も得ることができ、鏡の世界について研究がされるようになった。今はもう誰も入れ替わることはなくなったのだが、配信者であった男と鏡の世界にとらわれてしまった長女が再開できたのかは謎のままである。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。締め切りまでの数日で仕事終わりの中、執筆しましたのでおかしなところもあるかと思いますが、なんとか完成させることができました。ほっとしました笑

それでは、また何処かで。

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