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『六千詩の半生』【詩】【6000編目】

作者: 片喰藤火


六千詩の半生


一に満たない生涯で

生意気にも生きている証を刻んできたけれど

捕まるような事はやってきてない


それなのに犯罪者の様に蔑まれて馬鹿にされて呆れられ

行き場の無い怒りを慰める為に

想像や空想も織り交ぜて

罵詈や雑言も書き殴り

無様な詩を書いてきた


それも身体の綻びが言葉に滲み出て

世界を見る目が霞んでくるようになった


美しい物も優しい物も

楽しい事も嬉しい事も

幻だったんじゃないか


詩想を形にした六千編を誰に託せばいい

自分勝手に書いてきた六千編を誰が読みたいと言う


心が影に燃えつきた墨を磨りすぎて

自分自身を弔意する薄墨に成り果てている


消え去ってしまう

書き尽くされて消え去ってしまう


人生の半分を歩いてきたと言った

自分の感覚を懐疑的に見たら

半分なのか

末期なのか

未だに何処へ行こうとしているのか分からなかった


ただ幸せでありたいと願いながら

願いのままで現実の絶望を書き記してきた半生


一生を終えた偉大な無量大数の生命達に

申し訳ないと思いながら迷惑ばかり掛けて生きてきた半生


終わってしまった半生

終わらせたくない人生

六千編に価値を与えてくれ

生命がいるこの星を存続させるほどの

生きていた時間を許してもらえるほどの




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