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領主と統治
ある国の領主は、前任の領主を裏切って領主の座につきました。
事前の計画と事後の処理をうまくやったので、周りの誰も気が付きませんでした。
それでも、領主は自分も謀反を起こされるのではと、安心できませんでした。
領主は若かったですが、その髪にだんだんと白髪が増えてきました。
領主は一日中、寝込むようになりました。
人が怖くて部屋から出ることができないのです。
食事をとるときも、裸の毒見役一人を部屋に入れて食事をとりました。
夜もあまり眠ることができないので、だんだん衰弱していきました。
領主は、自分が苦しんでいる悩みをだれにも相談できずにいました。
私はこれからどうしたら良いのだろう。
どうしたらこの焦燥感をなくすことができるのだろう。
毎日毎日考えていました。
数か月後、領主は自殺しました。
在任期間は半年もありませんでした。
領主が書いていた、日記の最後のページにはこう書かれていました。
「復讐は済んだ。これからは何を目標にして生きたらよいのだろう?」
土曜日投稿だったことを忘れていました。(2022/02/21)