父親と戦渦
本日2本目です。(2022年2月5日)
男は妻と3人の子供たちを家に置いて、戦役に参加していました。
男が住む国は戦況があまり良くありませんでした。
戦火は家族が住んでいる街に降りかかろうとしていました。
しかし、男が参戦している戦線はその街から離れたところにありました。
やがて、戦争が終わりました。
男は家族を探すためにいろいろな人を訪ねました。
家族を見ませんでしたか?家族を見ませんでしたか?
男はようやく、家族が海を隔てた隣国の都市に逃げ延びたことを知りました。
男は戦後処理で自分から出向くことができませんでした。
そこで、家族の亡命先を教えてくれた船頭に家族を連れ戻してくれるように頼みました。
男は家族が返ってきたときにごちそうを用意しようと一生懸命働きました。
来る日も来る日も、家族の再会を夢見て働き続けました。
それから15年が経ち、街は戦争以前よりも発展しましたが、男の家族は帰ってきませんでした。
男は、新聞を見て絶句しました。
自分と似た顔の青年が、敵国の領主になっていたからです。
翌日、同僚が仕事場に現れない男の家を訪ねると、男は息絶えていました。