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第5話!意味不明!質問攻め!

「ん....ふぁ〜....」


朝、目が覚めた。

夢じゃない、そう思うと気分が塞ぎ込んでしまう。



昨日、ゴブリンの巣から助けてもらった後三人に冒険者ギルドまで連れて帰ってもらいそのままギルド直営の宿屋で部屋を借り泥のように眠ってしまった。



「おはようございます、サチさん。

顔色が優れないようですが具合はいかがですか?どこか痛いところは?」


「大丈夫です、女神様。

ただ、魔王を倒す自信が無くなっただけです」


「サチさん....」



ゴブリン

この世界に存在する魔物でずる賢く罠を作ったり群れで襲ってきたりするが基本的にただの一般人でも2、3人で返り討ちにできるほどの弱さらしい。


ただあの群れにはオークがいたせいでかなりの大きさになってしまっており、それを駆除することと犠牲者の確認のためにローズ、ブルー、シエラの三人はあの洞窟に来ていたそうだ。




「大丈夫です!

冒険はまだ始まったばかりですから、これから少しずつ強くなっていきましょう!」


「女神様...」



ぐう〜〜〜



お腹が盛大になってしまった。

昨日から何も食べてないから仕方ないのだが



「下で何か食べもの貰ってきます」


「あ、その前に...その...」


「どうかしました?」


「水浴びした方がいいと思いますよ」



水浴び?


そう言われて自分の匂いを嗅いでみると



「うっ、臭い」



血と泥とあと色々な匂いがする

あと思い出したくなかったが昨日漏らしてしまった後特に何もしなかったせいで少し痒い



「そうですね、この状態で人前に出る訳にはいきませんね。

ですが水浴びってどこですれば」



「少し歩くと綺麗な川があります

そこで体を洗い流しましょう」




女神様の案内で近くの森の中にある川に行く事になった。

外は朝になり始めたぐらいでまだ人の通りは少なく、どこかに遠出するのか馬車に荷物を積み込んでいる人や街の見回りをしている兵士のような人しかいなかった。


案内された森は人がよく来るのか自然の道ができており川まで迷うことはなかったが



「女神様、誰かいますよ」


「先客ですね。

なんで隠れているのですか?」




川にはすでに人がおり水浴びをして体を洗っていた。

見てはいけないものを見てしまったかのように咄嗟に隠れてしまった。

そのせいで身動きが取れなくなってしまったのは自業自得としか言えない。


というかこれ完全に覗きでは?

なんて考えていると



パキッ!


足元にある枯れ木を踏んでしまったようだ



「誰!」


しまったと言う暇もなく水浴びをしていた彼女はボールくらいの大きさの水の塊をこちらに向かって放つ



「わっ!」


避けるために草の陰から飛び出してしまう



「うん?あんた、もしかして昨日の」


「え?あ!ブルーさん!」



なんと水浴びしていた女性はブルーだった。



「あんた、せっかく助けた命を無駄にしたいのね」



そう言ってブルーは水の塊ではなく火の玉を作り出した。


「ち!違うんです!

その、自分も水浴びしようとして、そしたらたまたま....」



「....そう」



彼女が火の玉を消したのを見てホッとする



「だからってなんで覗いてたのよ、普通に声かければよかったじゃない」


「それは、すみませんでした」


「はぁ、まああんたでよかったけど。

そう言えば名前聞いてなかったね、なんて言うの?」


「日野森幸です」


「ヒノモリ...サチ.....」



名前を聞くとブルーは考え込んでしまった。



「ふーん?

じゃあサチね、水浴びしに来たんでしょ?

背中流してあげる」


「え?いや、そんな」


「いいから、早く」



なんだか途端に怖くなってしまった。

自分の名前がなにか癪にでも触ったのだろうか。それはそれで失礼な気がするが



「ひぅっ!冷たい!」


服を脱いで裸になり川に入ると朝ということもあるのかかなり冷たい。


川の流れは穏やかで透き通っており、たまに魚が泳いでるのが見える。



「おお、すごい....」


ブルーのいる所まで行くと腰まで浸かってしまうくらい深いがここが一番深い所なのだろう。


こんな風に川に入るのは初めてなので少しテンションが上がる。



「背中向けて」


「やっぱり自分で...」


「私の親切を無駄にするの?」


「いえ、そのようなことは...」



なんか怒ってる絶対怒ってる。

私何かした?



「んっ、」


突然背中に冷たいものが触れる。


「我慢しなさい」


濡らしたタオルで体を拭いてくれている。



「んっ....あっ、」


冷たさと少しこそばゆいので思わず声が出てしまう。



「ねえ、少し質問していいかしら?」



「え?はい、いいですけど」



ブルーは私の体を拭きながら質問してくる



「あなた、旅人?どこから来たの?」


「えっと...」



言えない、言っていいものなのか言って分かってくれるのか考えてしまう


「次の質問ね、あなたの持っている杖

かなり強力な魔石ね、どこで手に入れたの?」



魔石?杖の先端に付いている丸っこい水晶のことだろうか。



「次の質問、あれほどの杖を持っているのならあの程度の群れどうにでもなったはずよ。

どうして魔法を使わなかったの?いえ、使えないの?」




めっちゃ質問してくるこの人



「あ、あの...」



「悪いわね、次から次へと。

これが最後の質問よ、サチ。

あなた、この世界の人間じゃないでしょ?」



「!?」



なんでそんな事を知っているんだ?

ブルーさんは何を知っているんだ?



「ブルーさん!あの......っ!?」



ブルーの方を向こうとしたが腰から下の水に浸かっている部分がまるで石の中に埋まっているかのように微動だにしない。



「ブルーさん!これは!」



何とかしようとしてもがいていると川の中から突然触手のようなものが両手を掴んできてそのまま手を引っ張られ川の中に手も固定されてしまった。



「質問に答えなさい。

あなたは転生者なの?」




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