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月曜に初めて月曜に始まる  作者: 荻戸 凌丞
第二章 部活動中に頭に死球(物理)を受ける男
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第7話 部活動

【朝です!!早く起きろです!時間は有限。人生一度!!】


朝起きて一番に感じる感情、それはその日一日の自分を左右する重要な感情である。故に俺はお気に入りの歌を、二度寝をする時間を考慮して目覚ましをかける。

二度寝をしその後起きた時に、今日も二度寝する余裕がある俺イケてる、と自分をほめることでこの日本という地獄を今日も生き抜こうという気持ちにするのだ。

なのに



「おい、遠寺!!お前また俺の目覚ましの設定変えたろ!!!」


「朝一番にとってもかわいい声が聞けて感謝ください♪」


「ふざけんな!こちとら朝っぱらからババアの声聞く羽目になるんだぞ?ただでさえ一緒に暮らしてるせいでお前の声を聴かなきゃならんのになんで朝一に聞く声までお前の声聞かなきゃならんのじゃ!」


「お兄ちゃん、早く食べて。あと女性にババアっていうのはダメだよ!」


「うっ…ごめん二葉ちゃん。」


くそう。なんで朝からこいつのせいで妹(仮)に冷たい目をされなきゃいけないんだよ…

そういうのはその道の人にしか需要はないのに….




「じゃ、いってきまーす」


「おう。いってらっさい」

「いってらっしゃい!」


最初のループから二週間。ようやく東の生活にも慣れた。まあほぼ素で生活しているんだが。

女神は実は住む家が無い、ということで俺の家に転がり込んできた。さすがに家のない子に野宿しろ!というほど俺は鬼ではない。

初めはそんなに仲が良くなかった二葉ちゃんとも今ではすっかり姉妹のようになってる。


「いや、他あたれって追い返しましたよね?それを見た二葉ちゃんが助け舟出してくれたから助かったものの」


ナチュラルに心読むなよ。そりゃ女の子、いや、女の姿をしたやつと一緒に暮らすとか童貞に早過ぎるだろ。たとえ恋愛対象と見てなくてもそーゆー目で見てしまうかもしれんし。そうなったときにダメージがでかい、こんな女に劣情を抱いてしまった自分への。


「あのせいで2、3日口きいてもらえなかったからな。それに何ナチュラルに一緒に歩いてんだ、先に行けよ」


「まぁまぁ、というか今でもそんなに話してないじゃないですか。なんていうかフミヤさんの方が仰々しいというか、堅苦しいというか…」


「あんだよ。てかフミヤ呼びはやめろ」


「ああ、京一さん。京一さんの二葉ちゃんへの態度って、きっぱり言うと兄弟らしくないですよね」


ぐうぅ、こいつ言いやがるな


「何ていうか、二葉ちゃんのこと女としてみてません?」


「は?!なに!お前俺のことそんな奴だと思ってんの?!」


「いや、だって意識しすぎですよ。確かに普通でもお風呂に一緒に入るとかはないですよ?ですけど洗濯物にしても風呂上りにしてもめちゃめちゃ避けてません?」


痛いところつくな。

だが俺の意見も聞いてほしい。元々友達の妹で今は俺の妹であっても、一個下の女の子と一戸屋根の下で暮らして何にも意識しないことがあるだろうか?!いやない。

だから変な気を起こさないため俺は避けてるんだ。これは非常に紳士オブ真摯な行動だと言えよう。


「いやだから意識してる時点で気持ちが悪いんですよ。確かに?私のようなとっても美しい美貌を持つ者と一緒に暮らすのなら多少の恋慕を募らせても仕方のないことではありますけどね!」


「いや、それはない!」


「何でですか何でですか!!こんなにかわいいのに!!」


「いやぁ、ガチで自分をかわいいっていう子には恋愛感情がわかなくて…

ごめんな?」


ていうか美しい美貌って。神なら現世のたった一か国語くらい正しく扱えよ


「その顔腹立ちますね。グーでいいですか」


「暴力は何も生まないぞ?あ、そうだ。今日帰りにアイス買ってやるよ。好きなやつ」


「マジですか?!いや、そんなことで私を丸め込もうたってそうはいきませんよ…

ですが…今は殴らないでおきましょう」


そういったアイス大好き女神様の満面の笑みは正直かわいかった。

その顔を見て俺は思った。


「ちょろい」


ガツン!!


…せめてパーで



学校につき席に座る。まだ春城は来てないのか。それに尚江さんたちも。


久々に一人だな。あいつら学校来るの早いんだよ。なに、そんなに学校楽しい?社畜体験施設みたいなもんだと思ってたよ。朝の意味のない朝礼、退屈な授業、【強制じゃないよ】と謳いながら来なかったらこっぴどく絞られる補習。学校での自由な時間なんて2時間あるだろうか。一日近く行動を制限されるなんて俺はまっぴらごめんなのに。


と、現代の学校制度に意味の分からないいちゃもんをつけていると春城からのあいさつが。


「はよっす!今日も鋭いねぇ眼光が!」


「…そんなに俺の目きついか?」


「まぁ、初めて見る人だったら何怒ってんの?って言われるレベルだな!」


おかしいな。この1か月で東の柔らかい目つきがそこまで変わったというのか。いや最初からこんな目になってたっけ?

俺の精神が東の体を作り替えていってるのかもしれない。


「それよりさ!またかわいい子いたんだけど!中学生だったけど」


「おい、お前はロリコンか?通報するぞ」


「いやいや、一つ二つしか変わらないわけじゃん。うちの親年一つ違うし。なら全然付き合う対象だろ!」


うーむ、おかしいな。どこかで聞いたことあるような意見だぞ?


「もう高校生になって一か月たつけど東はできた?」


「はい?」


「これだよ、これ」


春城は小指を立てにやにやする。

お前はおっさんか。それともそんなことをするドラマでも見たのか?いやマンガだな。うん。


「俺は、まだいないな…」


「マジか!!正直東顔もスタイルもいいからもてると思った!!」


ほんとにね。心も東だったらモテモテだったんだけどね。

びっくりだね。唖然としたね。

確かに入学当初はそれっぽくアピールしてくれる子もいた、はずなんだけど二週間目くらいかな?聞いてしまったんだよ。廊下の角で


【東君って思ってた感じと違うよねー】


衝撃でしたよ。

まさか東の顔をもってしても俺はモテないのかと。

前世は顔のせいでモテないんだって思いこんでだけど違うんですね。

内面の問題だったんですね。んん?まてよ?つまり元の俺の顔を問題なかったってことか。よっしゃぁ!よっしゃぁ…ははは…


「まあ、東ならすぐできるだろ。目を除けば顔は良いし」


んん?何?こいつディスッてんの?処す?処す?


「何の話をしてるんだい?」ポン


「うおっ急に来るなよ!!びっくりするじゃん!!」


背後から肩をつかまれる。

俺も驚いた。全く気配を感じなかったぞ。もしやこの女。前世ハットリくんか?

あ、性別違うか。

話しかけてきたのは尚江。一か月同じクラスでわかったがこいつはすごい。

頭脳明晰、品行…は方正とは思えんがスポーツ万能、おまけに女子人気も高い。前の東と同じくらいモテてんぞ。そして男たちには


「尚江って彼氏できた?」


「ふふ、今しがた告白されてきたところさ。」


このようにモテモテである。まあスタイルいいし、美人さんだし告るやつの気持ちもわからんでもないが。だが俺は特に恋愛感情も持たない。なぜなら


「僕に付き合ってほしい、思ってしまうこと仕方のないことだからね。その思いは留められないだろう。そして競争率300を超えるこの僕に告白したその勇気をたたえ、それはもう丁重にお断りしてきた」


このナルシズム、である。味方によっては自分に自信満々な元気な娘!なのかもしれん。別に嫌いでもない。ただ恋愛感情がわかないだけだ。あと雄々しいというのも俺の好みから外れるな。

いや俺何様だよ…だけど心の中で思うのは自由だよね!…モテない男子高校生はこうやって心の中でだけ上から目線になるのです。皆さん、ここテストに出ますよ


「どうしたんだい東。ポケッして。目がつぶれてるぞ?」


「おい尚江。いくらお前がモテるからと言って何でも言っていいわけじゃないぞ。モテない男子のめんどくささをなめるなよ」


「なんだなんだ。東!まだお前苗字呼びかよ!全く失礼だよな永久!!」


何が失礼なんだよ。お前はあと少ししたらえげつないトラウマできるんだから覚悟しとけよ

しかし、いつもならこの辺で女神がなんか口だすんだけど

ちらりとその席の方へ眼をやると


「むにゃむにゃむー、もう食べれない…」


寝てますね、はい。そんなテンプレの寝言あるか!!と突っ込みたいけど、あの女神だからあるのでしょう。


「っふ、そう言うなフミヤ」


キーンコーンカーンコーン


「お、もう授業始まるぞ、散った散った」


しかし尚江のやつ距離感近いな。相手次第じゃ落ちるぞ。というか落ちたやつらが告ったやつらか。


歓迎遠足で仲良くなったものの、なんというか、男友達が増えた感じしかしない。

春城とえらい気が合ってるし。


まあいい。ホームルーム、そして俺の社畜、いや校畜活動開始だ。



「先生も言ってたけどどうする?部活?」


学校が終わり、3人で帰路につく。

え、校畜活動はって?なにそれ?おいしいの?誰がそれ見て楽しいの?


「そうですねー私は茶道部にしようかと思ってます」

一番にこたえたのは女神、もとい、遠寺である。


「へぇーなんでなんで!」


「そりゃあ、日本の和の心を学ぶためですよ!」


「おお!恵瑠らしくていいね!俺応援しちゃうよ!」


おい、昔の俺、だまされるな。こいつの目的はそんなおしとやかなものじゃない

どーせお茶菓子が目当てだろ。あまいもの大好きだし。だから最近太っ


「あれ?何か言いたいことあるんですか京一さん?」


何でこいつわかんだよ?!読心術でも持ってんのか?!


「な、なんのことだよ」


「あとでアイス二つですね」


ちっ、アイス覚えてたか!絶対記憶力無しのアッパラパーと踏んだのに!


ゲシッ!!


「いてっ!!」


「あらどーしたんですか?あ、つまずいてんですか?ドジですねぇ」


こいつ!!


「フミヤは何部に入るつもりなんだ?」


「それがさーまだ迷ってんだよな。どれも俺の青春にしっくりくるのがなくて。明日から体験入部させてもらうんだけどさ」


「明日からって今週末には入部届出さなきゃダメなんですよ!?」


「まあ一日入部をいくつかさせてもらうつもりだ!」



…その一日入部が問題なんですよぉ…

なぜかって?こいつはその一日入部で2回死んでるんだよ…

この4月の間、やり直した回数は6回。

その中で気づいたのは、春城に死の危険が襲い掛かるのは週に一回。何曜日かわかんないけど。4月10日の週ならば、あの交通事故を回避した後は特に春城が危険な目に合わなかった。知らない間に回避してたのかもしれんが。


4月17日の週は無理やり拘束して学校に行かせないというで死亡回避しようかと思ったが、それで成功した場合俺が学校に行けなくなるのでやめた。男が男を拉致監禁ってどんなプレイだよ。


まあこのように不確定の要素が多いだけど、なんとなくやり直しのルールはわかってきた。

基本的に難しいことはない。その死亡が起き得ない状況にすればいいだけだし。

そして今回問題はというと


「やっぱり運動部がいいよな!!青春って感じがするし!!」


このようにアホ一つ覚えのように青春青春といい、運動部に体験入部行く。そんで金曜日、頭にボールが当たって死ぬ。なんというか、不幸な事故なんだけど…


ちなみに今週の一回目の死亡は俺が知らない間に死んでいた。

2回目にこいつについて行って、俺まで体験有部をして得られた情報が頭部に硬球が当たって死亡、ということだ。おまえはおとさんか。


コソッ

「どーするんですか、京一さん。今回は」


「今考えてるんだけど…てかお前も考えてくれよ。サポート役だろ」


「私はアイスを何にするか考えなきゃいけないので」


「おい…」


「東はどーすんだ?部活」


「あっえっ、俺は…まだ決めてない」


「まだ悩んでるんなら俺と一緒に体験入部するか!」


それはもうやってるんですわ。やって俺の目の前でお前死んでるんですわ。

けど部活は一緒の方がいいよなぁ。其の方が何かと都合いいし。


「もういっそ作っちゃえばいいんじゃないですか?」


「え?」


「だから、部活を作るんですよ、あなたたちの!!」


こいつ他人事だと思ってないか?お前もろに関係してんだぞ?

けど…


「悪くない、か?」



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