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月曜に初めて月曜に始まる  作者: 荻戸 凌丞
第二章 部活動中に頭に死球(物理)を受ける男
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第16話 帰り道

「じゃ、あたしはあんたの部に入るわ」


「い、いいんすか?陸上すごかったんすよね?」


「もういいのよ。どうせ走れないし。あ、それと勘違いしないでよ?さっきはああいったけどホントはあんたらの部活の方が楽そうだから入るのよ?わかった?決してあんたたちが大変そうだからとかじゃないからね」


わりかし使い古されたツンデレ定型文だなぁ。


「でも昨日は陸上部のマネージャーをやるって言ってたのに?」


「それは…あ、言わないでくれって頼まれてるから言わないわ」


「はい?」


「それよりあんたもじゃない。昨日まであたしを勧誘しておいて。部室の裏に尚江に連れていかれてみたら、あんた土下座してるし。」


「いや、それは、その、あ!!今日妹の誕生日なんで帰ります!!」


「ちょ!!ったく、なんなのよ…」


くそ…もう一生関わること無いという前提があったから土下座が出来たのに…

普段顔を合わせるやつらに土下座を見られるのはデリケートな俺には堪える…

さっきまでの俺はメンタル強者であったがちょいと時間がたてばメンヘラレベルになってしまう。それが俺クオリティ


「何でそこまで下を向いて歩いているんだい?」


「うおっ誰だ!!って尚江、か…お前こっちの方向だっけ?」


「ああ、どうやら君たちと同じ方向らしいな」


「あの、なんで私は無視するんですか?網膜異常ありですか?」


「うるさいなお前は」


「うるさいって何ですか!!?こんなにもかわいい私があなたみたいな非モテ童貞に話しかけてあげてるのに!?」


「はは、まあいいじゃないか恵瑠」


恵瑠?誰のことだ?…ああ、女神の下の名前か。遠寺って方しか覚えてなかったわ。


「それよりなんで浮かない顔をしているんだい?目もそんなにしぼめて」


「いや目は関係ないだろが…同級生に土下座見られてハッピーな奴があるかよ」


「っふふ、それもそうか。だがあれは普通の人にはできることじゃない。本心から人のために頭を下げる、これは本当に難しい。僕もやっとできるようになったくらいだ」


何言ってんだこいつ。おっさんか?上司か?

そもそも人のためかどうかもわからんし。

それにループが失敗したらもうあんなことはしないし


「永久さん買いかぶりすぎですよー。どーせこの人秋田先輩が可愛かったからですよ。モデル体型黒髪ポニテ、でしたっけ?たまらないんですよね?」


こ、こいつ!?マジで家帰ったらしばきたおす。


「え、そうなのかい?それは、うん、意外だな…」


おい、青の冷静沈着ツールガールの尚江が引いてんじゃねーか。ふざけんな女神。



「じゃあ、僕が困ったときにも助けてくれるのかい?僕の容姿は一般的にはかわいい、と評価されてもおかしくないと思うのだが」


「もし俺が可愛い子を助けるって前提ならお前は助けない」


「ほー、それはなぜだい?」


「お前はかっこよすぎる。俺よりかっこいいやつを可愛いとは認識できない」


「う、うーむ。反応に困るね…喜ぶべきか嘆くべきか」


だってそうだろ?俺より運動できる。成績は…よく知らんけど性格もまーよし。ナルシなところが玉に瑕であるがそれを補う顔面補正。そして何より、女のくせに今の俺よりもモテていることが我慢ならん。そもそも俺が助ける場面がないだろ


「ま、部活仲間ってことで仲良くはできるかもな」


「なんでこの人上から目線なんですかね」


「それについては悪いと思ってる。改善はしないが」


「そんなんだから友達がいないんですよ」


「いないんじゃない。いなくなっただ。友達がいたこともないみたいに言うのやめろ!」


「ふふふ、おっと、僕はこっちの道だ。さよなら。部活、楽しみにしてるよ」


「あー、春城に期待しといてくれ」


「ああ、分かったよ」


そういって、俺たちと別れる尚江。


「…まあいいさ。君の本質が変わったのか、それはいずれ分かるしね?」


ふぅ、

何はともあれ,部員5人集めることには成功した。俺の中の大事な何かが少し欠けた気もするが、三年間野球ボールから春城を守ることに比べればたいしたことではない。


「基本的に京一さんが痛い目を見るのは自業自得ですよ?余計なこと言ったり見通しが甘かったり」


「違う違う。俺には完璧に見通せてんだよ。だけどな?お前みたいなイレギュラー製造機が予想範囲外の問題を持ってくるから面倒なことになるんだよ」


「はー!?人のせいですか?!今回はどう考えても私のおかげでしょうよ!!秋田先輩についての情報提供や、秋田先輩がそっちに行ったこと!!忘れたとは言わせませんよ!!」


いや、覚えてるよ?覚えてるけどさ


「情報についてはまあいい。だがな?明らかに今回のは結果よければになっちゃてるだろ!!そもそもなんで秋田先輩を尚江が連れてきてんだよ!!お前はどこ行ってたんだよ!」


「わ、私は、その、トイレに…」


「ほらな!!それに今回の手柄も先輩を連れてきた尚江のものであってお前は何もしてないんだよ!!」


「なんてひとでしょう!!人が実際に見てないことをいいことに!!

そもそもですね!?その尚江さんたちと仲良くなったのは私のおかげでしょ!!」


はて?俺が尚江なったのは俺の必死の努力によるもので、こいつのおかげなはずがないんだが?さてはこいつは盛り癖があるな?

説明しよう。盛り癖とは、本人的には無意識だがついつい話を持っちゃう癖のことである。

なお俺もその症状は昔はけっこーあった。若い人ほどあるのかもしれない。

まてよ?ならこの女神に盛り癖がつくわけないか。なんせこいつは


バカァァン!!


「いって!!!何すんだ!!」


「男として、人として最低なこと考えてることまるわかりですよ!!」


「はぁ?!じゃあなんだよ。俺が考えてたこと言ってみろよ!!推測で罪人扱いなんて現代人のすることじゃないんだぞ!!ほれ!言ってみろ!」


どうせ盛るならそのない胸でも盛りやがれ


「さ、最っ低ーです!!あなたクズの中のクズですよ!!」


「二人ともおうちの前で何してるの?」


おっと、言い争いをしている間に家着いてた。

玄関からは不思議そうに俺らを見る二葉ちゃんが。

時計を見るともう夜の7時。こんな推定有罪女神なんかほっといて、二葉ちゃんとのディナーを楽しもう。


「ああごめんごめん、なんでもな


「二葉ちゃん聞いて!!この男が私に向かって【このド貧乳ばばあ!いつもいつも嘘つくんじゃねぇ!!】って言い放ちました!!」


「い、言ってねぇよ!!ふ、二葉ちゃん?嘘だよ?こいつが話を盛ってるんだよ?」


「盛ったってことは近いことは言ったんだよね?」


「ち、違う。言ってない!!」


「お兄ちゃんは今日晩御飯抜き!!」


…結局その夜、おれは部屋に隠れてカップラーメンを一人すすった。

就寝前に台所へ行くと、【反省したら食べていいよ!】と書かれたメモとおにぎりがあった。

あれ、このおにぎり少ししょっぱすぎるな、あはは…

やっぱり二葉ちゃんは天使だなと思いつつ、あの盛り女神は地獄に落とすと決意した



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