8.若返り?鑑定が出来るようになったよ。
昼食が終り、ちょっと一息。
1杯とはいえ飲んだワインがいい感じにほろ酔いにしてくれている。残りは夕食にと残しておく。
昼食を食べた鶏さん達は、なにやらやる気を漲らせてどこかに走っていった。
ちょっとだけ嫌な予感がするのは、何故なのだろうか。
ほんの少しばかりぼんやりしていたが、足元にあたるふわふわの毛で我に返った。
ひよこさんがなにやら構えとタックルしてくる。
どうやら皆さんは狩りに出かけたようだけど、子供たちはここでお留守番らしい。
膝の上に乗せて、撫でて癒されたいのを少し我慢。みんなが食べ終わった食器を洗うことにした。
「これらを洗うから、少し待ってね」
食器をシンクにおけば、横から食器を並べる仕切りみたいなものが出てきた。
これはもしかして、食洗器?
試しに並べて置けば、暫くして仕切りが中に吸い込まれて行った。どうやら当たりっぽい。
沢山の野菜をいれて煮込んでいたスープもなくなったので、大鍋も一度洗って夕食用に使えるようにしたい。これもどこかで洗えたりするのかな?
シンクの下にあるボタンを押してみると、ここが正解のようで鍋が並べれるようになっている。
他の鍋もどこかにあるのかな?
明らかにレストラン並みの食洗器にその可能性について考えてみた。
多分あるんだろうね。ワインや醤油があるくらいだ。もちろんここじゃない何処かで買ってきた可能性もあるけれど、作ったとしたら樽や鍋などどこかにあるのだろう。明日にでも探してみよう。
今からは片づけは簡単にできたから、夕食の食材を取りに行かないと。鶏さん達だけに働かせるわけにはいかない。
醤油があるならば、肉じゃがとかどうだろう。鶏さん達はお肉少ないと寂しいと思うから、しぐれ煮とかいいかもね。
野菜の蔓をあれこれ引いて行けば、生姜もありそうだし。
さあ、ワインが回って寝てしまう前に、勢いで行こう!
ひよこさんを両肩に乗せ、気合十分に出て行った。
が、すぐに家に戻った。
忘れてた。この家が快適過ぎて、今の自分の服装を忘れてたよ。
お昼すぎたばかりの太陽は真上に居て、カンカンと地面を照らしていた。ジリジリと焼け付くほどに暑い中、ヒートテック、ニットはあり得ない。どこの我慢大会だ。
これだけハイテクな家なのだから、日除け出来る物とか、日焼け防止の何かがあってもおかしくない。以前の人がどれだけ物を残してくれているかわからないけれど、このままでは家から外に出るのは、夜明けのみに限定されてしまう。それでは、何もできない。
ここは思い切って、家探しさせて貰います!
ダイニングから奥へ入れば、すぐにドアが二つあった。
1つ目を開けると、木の温もりと出窓から入る光でシンプルで温もりを感じる、カントリ風の可愛い部屋があった。
「可愛い」
ぴよ。ぴよ。
「失礼しまーす」
何となく声を掛けて入ってみる。
やっぱり窓を開けて空気の入れ替えが必要ない、清浄さがあった。ベッドのシーツも、出窓の棚も、テーブルもどこも埃っぽくない。
こんな技術があるなんて、とても力のある人だったんだね。いつかどんな人だったかわかるといいな。
小さい方のワードローブを開けると、ルームウェアのような物が3着あった。
鏡が丁度あったので当ててみることにした。
似合うかどうかは別として、着れそうな気がする・・・ン?
誰?
って、あたしだよね?
あれ?そういえば、あたし眼鏡していた気がしたんだけど、今してないね。だけど、見えてる。
それに、こんなに若かったかな?もうちょっと年食ってた・・・この言い回しだとそれを物語っている。
十代後半か、二十代前半って感じだね。ここに来てずっと冬仕様の格好だったし、鏡なかったからわからなかったけれど、間違いなく若返っていると思う。記憶が曖昧だから、この感覚が合っているかどうかも不明だけど、老けるよりはいいかなと無理やり納得した。
大きなワードローブを開ければ、沢山の服があった。その中の一つを借りることにした。
一先ず日焼け予防に、薄手の長袖にパンツを穿いて・・・。
足長い人だったんだね。
仕方ないから裾を折り曲げる。
ぴぃ、ぴぃ。
慰めの言葉なんて、いらないんだからね!
引き出しを開けるとハンカチやタオルがあったので、タオルを首に巻いた。上の棚にはお出かけ用の帽子と麦わら帽子があったので、麦わら帽子をセットして畑作業の準備は整った。
いざ!
足元のひよこさんたちの応援の元、あれこれ引き抜く。
じゃがいも、サツマイモ、そして次の蔓を引こうとしたときに、頭にポンと浮かんでくる。
【ごぼう】
品種改良され、巨大化。
次の蔓を掴むと出てこない。引き抜くとお目当ての生姜が出てきた。
次の蔓を掴めば、ポンと出てくる。
【人参】
品種改良され、巨大化。
食用・薬用に出来る。
※肉食ウサギをうっとりさせる。
ウサギも肉食なんだ。それをうっとりさせるほどの魅力的な人参ってことかな?
どこをどう突っ込んでいいのかわからないけれど、森で遭遇したら人参を投げて逃げろという事かな?
身の安全の為に、覚えておこう。
色々と実験を兼ねて触った結果、不思議と一度口にしたものや触れて認識した物に関して、鑑定が出来るようになっていた。
これはとてもありがたい。毎日ロシアンルーレットのように、野菜を引き抜くわけにはいかない。引き抜く野菜はたくさんあるようにみえるけれど、季節感が分からないだけに、大事にしないと。
さあ、お目当ての物は採れたから、家に戻って夕食を作ることにしよう。
ひよこさん。家に帰るよ。
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地道に頑張ります。




