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30.森の中を爆走。お約束はいらない

リデルは悪路の中、軽快に森の奥へとどんどんと進んでいく。

辺りは段々と光が地面に届かなくなり、更に足場が悪い鬱蒼とした場所になっていったが、問題なく走っている。

絡まるような葦の様な草もなんのその、まるで草原を走っているかのようだ。


リデル、いつの間にこんなにチートに。

名前つけたら能力上がるとか言ってたけれど、ちょっとじゃないよね。

気持ちに余裕が出来たので、リデルをしっかり見た。


リデル(黒狼リーダー)

梨花の従魔 闇属性

スキル 飛躍 噛みつき 爪斬撃 


おお!

やっぱりそれっぽいものがスキルにある。

多分この飛躍というやつがこの悪路をものともせず、軽快に走れている要因ね。


「リデル、この先あの虫たちが居てもあたしがいいというまで、突き進んで」

ウォン!


持っていた短剣から銃に持ち換え、虫に備えた。

物量だけはどうにもならないから、見つけ次第やってしまわないと婆様が危ない。

それに探知計が示している場所はここからそう遠くはない。

虫たちがそこで待ち構えているという、高度なことをやってのけるとは思えないけれど、念には念を。


気配を探っても虫の気配は殆どない。

それどころか静まり返って、逆に気持ち悪いぐらいだ。

生き物の息遣いが聞こえない。

風さえも無風に近くて、葉が擦れあう音さえ聞こえないなんて、おかし過ぎる。

物語でいうラスボスがいるという前触れのような・・・。


そんなことを考えていたのがいけなかったのか、これはお約束なのか。

少し先から濛々と煙が立ち上り、燻された木や草の匂いが鼻に付いた。


こんなところで火を放つ奴がいるってこと?

バカじゃないの?!


「リデル急いで!」


目の前に現れたのは、真っ赤なトカゲ。

皮膚全体に深紅のオーラが纏わりつき、如何にも燃えてます!的なエフェクトだ。

オーラだけなら良かったのだけど、実際に焔を出しているのだから、質が悪い。


火吹き蜥蜴

 魔物ランクA 火山のふもとに住む蜥蜴 火の魔素を好み、火鉱石を食べて生きる。


そんなものが何故ここに・・・。

山は普通に静かに佇んでいるだけで、どこかで溶岩を吐き出している様子もない。

これから火山活動をするような地震もなければ、噴煙も見当たらない。

これが何を意味しているのか、全くわからない。

分かっているのは、これをどうにかしなければ森は消滅するということだ。


「リデル、攪乱お願い」

ウォン!


あたしがやることは一つ!

この銃でやっつけることだ。

属性を水に固定して、首を狙う。


連射していればあちらこちらに傷をつけることが出来た。それと同時に、大きくはないが水蒸気爆発にも似た反動がこちらにも返ってきた。

マジか。


シャァァァァァァ―――――ッ。

傷をつけたあたしに向けて火吹き蜥蜴が敵意を向ける。


これって、どう対処したらいいわけ?

熱量以上の水を掛けるんだっけ?

消火器なんてないし、物量で首を切るしかないってこと?


考えている時間はない。

婆様を背中から降ろして、大きな岩の後ろに寝かせた。


「婆様、少しの間ここで待ってください」


左手で首を集中して水弾で撃ち傷をつけるのと同時に、右手に短剣を持った。

「リデル、あの蜥蜴の首に向かって飛んで!」


怖いという感覚は全くなかった。

倒せないとも思えない。

リデルが飛んだと同時に、スローモーションのように火吹き蜥蜴の動きが見えた。

水弾を連射に連射で首に撃ちまくる。


シャァァァァァァ―――――ッ

シャァァァァァァ―――――ッ


威嚇されてもこれで終わりだよ!

水弾の蒸気で前が見えないにもかかわらず、短剣は傷が深く入った首を捉えていた。


「とりゃぁぁぁぁぁぁ―――――!」

銃を投げ捨て、短剣を両手で持ち振り下ろした。


リデルの見事な着地の遅れること数秒後に、ドォーンと大きな音が立った。

振り向けば、首と首がない胴体が横たわっていた。


よっしゃー!勝利!

思わずガッツポーズをする。

リデルもウオ—————ォン!と一緒に雄たけびを上げた。


「リデル!お疲れ様。よくやった!」

頭をわしゃわしゃと撫でて、一緒に喜こんだ。


ホッとしたのもつかの間、火吹き蜥蜴が纏っていた深紅のオーラは高温だったようで、辺りをプスプスと焼き始めた。

「不味い」


このままマジックバッグに入れちゃって大丈夫なら、入れた方が早い。

いや、出来るはず!

アツアツの料理が入るのだから、問題ない。

落とした銃を拾って、銃で火吹き蜥蜴に触れた。


問題なく吸い込まれるように入ったのを確認して、ホッと一息。

そして煙を出している場所に水弾を撃ち込んで、完全に煙が消えたことを確認した。


「一体なんでこんなところに、火吹き蜥蜴が?」

まるで誰かに無理やり転移させられ、連れてこられたかのようだ。

何故ならこのもっと先は、辺りを見渡しても、どこも焼かれた場所がない。


あたしを島に戻さないように、転移扉を焼き壊したかったのかもしれない。

火吹き蜥蜴が火を噴いていたのは、間違いなく探知計が示している場所なのだから。


「急いだ方がいいかも」


「リデル、他の狼たちも急いでここに来させて」

ウオ—————――――ォン!


叫び声と共に、複数の足音が聞こえてきた。

うん、間違いなくこの足音は狼たちだ。


暫くすると子狼たちが真ん中で守られるように進んできた、狼たちの姿が目視できた。

その間にあたしは婆様を担ぎ直す。

ドアを開け、帰る準備が整えた。


「全員揃ったね。このドアを潜れば部屋の中に入るから、ゆっくり進むのよ」


皆が頷いたのを確認して、中に進ませた。

最後にリデルの乗ったあたしが中に入り、ドアを閉める。

閉めたと同時に、ドアにあった転移する場所からプラムが


—――消えた。


読んで頂き、ありがとうございました。

溜め込みが出来なかったので、暫く更新お休みです。


最後まで読みたいから頑張れ!という方は是非ポチッと。

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