第1章
「僕はダメ人間かもしれない」21年間生きてきて、今更ながら、そんな考えがふと胸をよぎった。ちなみに、”かもしれない“などとぬかしてはいるが、僕はれっきとしたダメ人間である。まだ少し現実を受け止め切れていないだけなので、そこは許していただきたい。
僕は中学高校では、それなりに無難に生きてこられた。出席日数がギリギリになるということもなかったし、赤点のために追試を受けるということもなかった(とはいえ、赤点すれすれになることはあった)。だがそれは、ひとえに教師の監視の目や塾の先生によるフォローといった、大人の助けによるものだったのだ。しかしいざ、世の中の流れに乗って大学なんぞに入ってみると、自分がとてつもない無能だということを思い知らされる。
大学という場所は、それまでの学園生活に比べると格段に自由度が跳ね上がる。授業は一部を除いて受講者数がとても多く、出席しなくても怒られることはない(その代わりしっかりと評価には反映される)。また、人によってカリキュラムが違うため、授業時間中に大学構内をぶらついていても当然注意などはされない。中高などで課題を出さぬものなら、顔を合わせるたびに教師が提出を求めてきたものだが(それでも提出しないことも多々あった)、大学では何も言われない。つまり大学とは、基本的に学生の自主性に任せるところなのだ。しかし僕は、自主性のかけらもない人間に育ってしまっていた。そんな僕に、大学という場所はあまりにも不向きだったのだ。当然のように朝は遅く起きるようになり、当然のように授業をさぼるようになった。学校に行ったと思えば、サークルの部室でだらだら過ごし、バイトの時間まで暇をつぶして帰る。そのような生産性のないクズ人間になり果てるのも時間の問題であったのだ。
そんな悲しい自己分析はここまでにして、ここからは自分が今後どのように生きていくべきかを模索していきたいと思う。と、前向きな考えを示したところではあるが、そろそろ夜も更けてきたので(読者からすれば知ったことではないだろうが)、ここらで筆をおきたいと思う(どちらかというとPCを閉じるといった方が正しいかもしれない)。それでは、またいつか。