ほねですが、なにか?
ぼくほね。
名前はまだない。
洞窟で生まれた。
生まれたっていうより、死んだのかな?
でも、第二の誕生って事なら、僕は洞窟で生まれた。
この洞窟は、とても暗い所だ。
ぼくがいる洞窟が、だけど。
もちろん、他に洞窟があるかも分からないし、そもそも洞窟以外の所があるかも疑問だけど。
この洞窟は、いくら進んでも、同じような所が延々と続いているだけだ。
正直、とても退屈だ。
一生、もしかしたら永遠にこの光景が続くのかな。
だとしたら、ハハッ。
笑いたくなるほど、絶望的だね。
◇◇◇
どれ程経ったのかな。
歩き続けるのに疲れたぼくは、洞窟の壁に背を向け、座っていた。
最も、疲れてるのは心だけどね。
どうやらぼくは、絶対に疲れる事はないみたいだ。
体は、だけどね。
正直、疲れて野垂れ死にした方が、ずっといいけど。
ぼくは立ち上がり、また歩き出した。
◇◇◇
ぼくは気付いた。
どれ程歩いても、終わらない事をね。
心を無にして歩く。
ぼくにはそれしかやる事がないからだ。
むしろ、この環境において、歩く事はぼくの娯楽となっている。
◇◇◇
変な人にあった。
ぼく、ビックリした。
ぼくと同じ骨だったもの。
その人は、出会って直ぐに、お前は罪を償ったから、戻れ。
と、言った。
というか、ホニャララ何か口が動いてて、口の動きと全く違う言葉が聞こえていた。
ぼく、返事をしようとしたけど、そこでビックリした。
ぼく、喋れない。
んで、オドオドしてたら、骨の人がぼくに無視すんなとか言ってきて、焦った。
だってぼく、喋れないもん。
だから、体の動きで伝えようと思ったんだけど、馬鹿にしてると思われたみたいで、骨の人は怒って、ぼくに向かって、強制的に戻らせてやるとか言って、ぼくに向かって棒を振るってたけど、何も起こらなかった。骨の人は、あり得ないとか、バカげてるとか呟いてる。
その姿が、どこかおかしくて、フフッと笑ったら、その声が口からでた。
何で!?
ぼくは、焦って非礼を詫びようと思ったが、それは叶わなかった。
だってぼく、喋れないもん。
そしたら、骨の人が、こうなったらその姿のまま冥界行だ!
って、凄い大きい声で言った後、凄い光がでたんだ。
ぼくは、光を初めて見たから、凄く眩しく感じて、目が暫く見えなくなった。
そして、視界が開けたそこには。
おどろおどろしい―
冥界にいたんだ。




