クローバー3枚目
道中襲ってきた白い求肥のような魔物を剣をまち針みたいな使いかたをして地面に突き刺したり斬ったりしてから討伐をした。雪の地面に抹茶のような色の体液が巻散らかって、雪原うさぎは一年中暑い国で見かけたかき氷を思いだす。
体を動かしたから暖まった気がしたものの、結局のところ外が寒いことに変わりはなく、風邪を引いても嫌なのでどこかの町の教会まではしって、そこにある暖炉の前で、仕事をさぼったシスターとともに体を温めて休憩する。
教会の中は天使だとか悪魔だとか神様だとかの絵や硝子があったが、特に関心はなかった。
「あなた、随分と幸運に恵まれているようですね」
「他のヤツと変なしがらみが生まれないとこと、甘酒がおいしいのがなによりの幸せさ」
巫女と似たような存在である碧眼のシスターに言葉を返しながら、雪原うさぎは耳をピクピクと動かして水筒に詰めた少しぬるい甘酒を飲み、ふーと息をついた。
「また旅に出るか」
「どこかへ行くのですか」
「うん」
それからシスターは少し目を輝かせて、雪原うさぎがこれまで行った場所についていろいろ聞いてきて、雪原うさぎは甘酒を飲みながらそれについて話した。