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やり直し予定。  作者: 葉木ハラ
15/21

ダクゼェアとの戦いの前日。

 

 ーある日の前日:1


 ヤナダは壁に寄りかかる顔見知りを見つけた。

 それは少しくらい顔するハルキだった。


「どうしたの、ハルキ?」


「少し気分が優れなくてね」

 顔色がかなり酷いとかでない。だが、彼らしくない言動だ。

 それがとても心配になった。


「え?大丈夫なの?」


「少し休ませてもらおうと考えているところだよ」


 ハルキは少し考える仕草をとってから、彼は言った。


「そっか…よく休んでね」


 手助けしたいがどう助ければいいか、わからない。

 そんな気持ちが声色に影響した。敏い彼だから、考えていたこともわかったんだろう。

 大丈夫だよ、ありがとう、と彼は笑って去っていた。



 この日以来、ヤナダとハルキが二人で話す機会は当分来なかった。






 ***************


 ーある日の前日:2



 声が聞こえた。少し揉めているようだ。


「午後から参加します。ですから、それまで、休ませて頂けませんか?」


「何を言っているんだ?お前は作戦の要だぞ?そんなの許可できるはずがないだろう!」


 両方とも見知った声だ。一人は最近、上部で評価が上がっている人間、もう一人もそうだ。

 だが、ヤキワスレの存在が認められる日なんてこない。

 どうせ、同じ結末を辿るのだろう。


「いいんじゃないですか?午後過ぎてもいいよ。しっかり休みな、ハルキ」


「な!?イセフさん!?彼は大事な役目を担っているんですよ?」

 突然、現れたイセフの存在に一人、驚いた。


「ハルキ、もういい。下がれ。私が許可する」

 驚きながらも発言する者の言葉を無視して、ハルキ指示を出す。


「…ありがとうございます。失礼します」


 ハルキは少し伺うように礼をした。

 ハルキの背中がみえなくなってから、イセフは困った顔を浮かべながらもにっこりと笑った。


「困りますよ。頼ってばかりでは…」


 少し間が空いてから、男が口を開いた。


「ハルキは確かにあそこの出身ですが…あの少女とは違いますよ?」


 少し皮肉が含まれたような言葉に淡々と諭してやる。


「だとしても一人に頼るのは良くない。これ以上言うなら、私も考えがあるが?」


「…いえ、失礼いたします」


 臆したのだろう。さっさと逃げていった。

 ハルキを使うことで彼の評判は上がっている。

 ハルキがいなければ成り立たない。

 そんな不安定なものにすがるのは、よくないだろう。





 ***************


 ーある日の前日:4


 ゼア、スズレ、コウキが廊下で会話していた。

 先ほどまで、ヤナダがいたのだが、もういない。


「あのバカ、体調崩してるらしいな。日頃からバカみたいに無茶するつけだな」


「素直に心配できないの?」


 スズレがゼアに呆れたかのように言いのける。


「はぁ??違う。体調管理ができてないって言ってるだけだ」


 ゼアはスズレの呆れた言い方に腹が立って即否定する。


「ハルキ君なしで、”氷結”の相手できるかな…」


 そんなことお構いなしにコウキがつぶやいた。


「……」


 スズレは難しい表情になりながら、黙ってしまった。


「するしかないだろう」


 ゼアは普段通り。どこか遠くを見ながら、堂々としていた。




 ***************


 ーある日の前日:5


 スズレが地図を広げていると扉が開いた。


「スズレ、回復担当のトウコだよ!」


 大きな声で自己紹介するトウコを見てから、黙って地図に視線を戻す。


「ハルキが午前参加しないって聞いて、辛い気持ちを誰かに聞いて欲しかったの。だから!聞いて!」


 無視したことを無視してトウコが話始めようとする。


「うん…いいけど、回復担当さんだからこそ、早く寝なよ…」


 冷静に正論を伝えるがトウコは屈するわけもなく、飄々としている。


「ダクゼェアも”まだ”動いてないらしいし、少しくらいいいのよ」


「わかったわ。少しだけね」


 話を聞くのと同時にスズレは書類に文字を書き留め始める。

 そんな話に興味がない言動にトウコは面白くない顔を浮かべた。


「スズレはハルキ好きなくせに、全然好意を訴えないわね」


 ニヤッと笑うトウコ。


「なっ何言ってるの…正直、尊敬している方が強いんだと思う。あんなにハルキは忙しいのに、爆弾、薬学の知識も勉強して、日々の鍛錬も怠らないし、竜を召喚できる才能とあの感知の才能に私は憧れてるのよ」


 スズレはすぐに切り替えて真面目な顔で言う。


「そう。まぁハルキの美人が好みだとか、顔が大事ってわけじゃないだろうから。お互いに頑張ろうと思ったんだけどね。そうゆうことなら、私一人で頑張りまーす」


「…カオリ先輩、本当に振られたの?」


 ”美人”って言葉につい反応してしまったスズレが不審そうに質問をする。


「ハルキは言いふらしたりしないからね。カオリ先輩が吹っ切れたからだろうね。振られ話がで回ったのよ。情報通じゃないと知らないけど」


「そうなんだ…それより今は明日の敵に集中してよ」


「もちろんよ!ハルキの分まで頑張らないとね」




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