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33。 永山功介

5月31日


−昼休み−


シイナ『まりあ、カエデ。実は紹介したいやつがいるんだよね』


まりあ『いやぁぁあああぁぁぁ!!!!』


カエデ『別に女の子じゃないと思うよ』


まりあ『なんだ』


シイナ『おーい』


 シイナが呼びかけるとコウスケが教室へと入ってくる。


コウスケ『…ははは(なんちゅー紹介の仕方すんだよ)』



 コウスケを目にした瞬間、まりあの眉がぴくりと反応する。


シイナ『オレもさっき仲良くなったばっかだけど。こいつD組のナガヤマコウスケ』


コウスケ『…えっ?いや、オレは…』


まりあ『おおまえかぁぁぁあああ!?!?!?』


コウスケ『!?!?!?』


 湯婆婆のような形相でコウスケに詰め寄るまりあ。唖然とするシイナとカエデ。あまりの恐ろしさに固まるコウスケ。


まりあ『私の事こそこそと嗅ぎ回ってたのは、、、おまえかぁぁあああ!?』


 我に返り慌ててコウスケを庇うシイナ。


シイナ『…ちょっ、落ち着けってまりあ!とりあえず中華包丁は閉まって』


コウスケ『…で、でも、なぜオレだと…?』


まりあ『直感よ!直感!ビビビって来たのよ!!運命感じたの!!!』


シイナ『う、運命は違うだろ。ってか本当にお前なの?』


コウスケ『…あ、ああ…つ、つい…好奇心で』


シイナ『…何やってんだよー、まったく』


カエデ『ちょっ!あんただったの!?あんたのせいで私が犯人扱いされたんだからね!』


シイナ(お前は言うなよ)


まりあ(お前は言うなよ)


シイナ『とっ、とにかくまりあ抑えて抑えて。コウスケだってもうしないから。なっ?』


 まりあは落ち着きを取り戻し一度ため息をつくとギロリとコウスケを睨みつける。


まりあ『…ほんとか?』


コウスケ『…分かんない』


 フランスパンでコウスケを躊躇いなく殴打するまりあ。


コウスケ『…だ、だってオレの好奇心と探求心が……』


 なぜかとっさにメガネをかけるコウスケ。


まりあ『……!!!』


 急にまりあがおとなしくなる。


コウスケ『???』


カエデ『???』


シイナ『…どうしたの?』


まりあ『…だってメガネかけられた…殴るとメガネ壊れる。メガネ壊れる良くない』


シイナ『何でカタコト…』


カエデ『なーにが『メガネ壊れる良くない』だ!!私のこと埋めようとしたくせに!!!』


コウスケ『…あれ?』


 まりあたちがコウスケに注目する。


コウスケ『まりあちゃんキレイ。戸田恵梨香みたい』


まりあ『何だ。いい奴じゃない』


カエデ(戸田恵梨香で喜ぶんだ)


 シイナが苦笑いを浮かべコウスケに話しかける。


シイナ『ま、2人とも悪いやつじゃないから』


コウスケ『…それは分かってる…』


−−

−−−


−授業中−


 ぼんやりと考え事をしているシイナ。


 まりあのことを調べていたのはコウスケだった。

もちろんオレだって、まりあの謎を探ろうとするのを諦めたわけじゃない。でも、まりあはそれを望んでいない。さっきの反応ではっきりと分かった。……別に無理して探る必要もないのか?…その時がきたら…オレたちにちゃんと話してくれるつもりでいるのか?…全身全霊で受け止めるから…力になりたい…信じてよ…まりあ………



「シイナ!」


シイナ『…えっ、はい』


「問題聞いてなかったとは言わせないぞ?答えてみろ」


 シイナが困った顔をしていると隣でカエデがぼそりと何かを呟いた。


ぼそり

シイナ『…え…?』


ぼそり

カエデ『…ヒルトン姉妹…』


シイナ『(なぜ…)……えっと…ヒル…トン姉妹…?』


「正解だ。あまりぼーっとするなよ」


シイナ(何で数学の授業中に答えがヒルトン姉妹なんて問題出してんだよ)


 シイナを心配そうに見ているカエデ。


カエデ『………』



ぼそぼそ

コウスケ『…明人どうしたのかな?』


ぼそぼそ

まりあ『…そうね…これは私の憶測だけど…きっと竹内結子の盲目の演技が下手すぎることについて悩んでたんじゃないかしら……でも実際は盲目のふりをしてるだけだから、そこらへんも考慮して演技してるのかも………って何であんたいんのよ!?!?!?』


 まりあの隣の席に座っているコウスケ。




−親切な座席表−


シ      カ

イ→○  ○←エ

ナ      デ


ま      コウ

り→○  ○←スケ



 振り返るシイナとカエデ。


シイナ(…げっ、コウスケ何で…まさか徹底的にまりあをマークしようとしてるんじゃ…怖いもの知らずだ…ミスター怖いもの知らずの称号はお前にくれてやるよ、うん)


カエデ(…何でいんの、こいつ…)


 コウスケはきょろきょろと周りを見回している。


まりあ『おめーだよ!!』


コウスケ『…え…いや…ここ空いてたから…』


まりあ『セーラームーンはどこいった!?』


シイナ『何言ってんだよ、まりあ、あいつなら父親の仕事の都合でイギリスに転校したろ』


カエデ『そうよ、それ以来あんたの隣は(面倒な事に巻き込まれるのがみんな嫌だから)空いてるじゃない』


まりあ『あいつセーラームーンオタクのくせにそんな洒落た事を…』


コウスケ『オタクってほんとにいるんだ…ねらーとか引くし…』


 カエデが無言でコウスケを殴る。なぜ殴られたのか理由が分からないコウスケはきょとんとしている。


まりあ『だからってあんたがここにいていい訳ないでしょー?自分の教室帰りなさいよ』



ぼそり

コウスケ『鬼』


 その時、授業終了のチャイムが鳴り、同時に教室からコウスケが飛び出してくる。般若のような顔をしたまりあがカマを振り回しながらコウスケを追いかけていく。


まりあ『ナガァヤマァァァァァアアア!!!!!』



 ちょうど廊下へと出てきたD組の生徒。クラスメート、コウスケが鬼と化したまりあに追いかけられているのを呆然として見ている。


「…何でナガヤマ」



−−−−−


シイナ『カエデってゲームとかする?』


カエデ『は?』


シイナ『アニメとか見る?』


カエデ『何の話よ?』


シイナ『……別に』

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