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Vendetta  作者: tama
レン
6/19

レン 2011 秋

忘れ物をして、放課後の教室に行くと、メグとアキとヒナが居た。

珍しい組み合わせだなと思ったが、

まぁたまにはヒナも女子と話するんだな、と思い。


「お~ぅ…」


美女三人が、何のお話ですか?と話し掛けるつもりだったが、

三人の会話を聞いて、思わず隠れた。


「ヒナってさ、モテるよね。」


「そ、そんな…事、」


「いやいや、モテるでしょう。謙遜とか止めてよ、気持ち悪い。」


机に肘をつき、手の平に顎を乗せたメグが、ニコニコ笑いながら、話していた。

ヒナは、そのニコニコが怖いらしく、俯いて黙ってしまっていた。


「ほら、春だったっけ…レンから告られたんでしょ?」


ヤベェ、フラれたショックで、メグに話しちゃったんだ。

フザケンナよ、メグ!!人がフラれた話を、ネタにするんじゃない!恥ずかしぃ~

顔を真っ赤にしながら、くそ~文句言ってやる!!と息巻き、

乱入しようとしたら、


「あ、あれは…違います…」


「え~何が?何が違うの?フッたんでしょ?」


「レン泣きながら、フラれた~って言ってたよ。」


な、泣いてねーよ!


「ほら、レンってちょっとナルシストだけど、顔は良いじゃない?」


ナルシストなのか、僕は…


「なんで、フッたの?」


うっ…聞きたくないような、聞きたいような。


「…」


「うわ、黙っちゃった。」


ヒナは、俯いて何も喋らなくなっていた。

なんでだ、僕をフッた理由は、そんなに言いにくい事なのか?

ちょっと気になってきた…


「なんで黙っちゃう訳?ただ理由聞いてるだけじゃない。ね、アキ?」


「うん…レン君落ち込んでたし、何でかなって…」


「…れ、レン君は、カッコいい、です。」


えっ!ヒナ僕の事、カッコいいって思ってくれてるのか…


「ね~、カッコいいよね?知らないだろうけど、」


「ヒナの事、羨ましいって子一杯いるよ?」


「うちのクラスにも、他のクラスにもね、レン好きな子一杯居るんだよ。」


「私にはマサが居るから、どうでもいいんだけどさ、」


「理由聞いてきてって、頼まれちゃった。」


「皆なんで理由知りたいのかなぁ~?春の話なのに、今更だよね~。」


とニコニコ笑いながら、話す。


「…レンの性格が嫌だった?分かるよ、チャラいしねヒナは苦手かも、」


「…そ、」


「生意気。」


「そんな理由だったら、生意気だって言われそう…性格なんてどうでもいいじゃん。みたいに。」


「まだ、学生だし恋愛は早い?」


「…」


「生意気。」


「流石、学年トップは、言うことが違うわ、ってね。」


メグは、クスクスと笑っていた。

こ、これは…メグは、何が言いたいんだ?


「ね?ヒナ…何でフッたの?」


「…」


ヒナは閉口し、俯いたままだった。

なんだこれは?

なんて答えても生意気って…

口実か?理由をつけているのか?

そうだ、これは大義名分、イジメの。

くっ…メグの野郎、僕をだしにして、イジメる気か、ヒナを…

くそっ、胸くそ悪い!


「おいっ、メグ!!」


僕はたまらず、飛び出した。


「げっ…レン、」


「汚ぇぞメグ!!僕をだしにヒナイジメる気か?」


メグは、狼狽していたようだったがすぐに、


「はぁ?何の事?」


「惚けんな!!」


「はぁ?だから何がよ?」


「てか、どっから聞いてた訳?」


「隠れて聞いていたの?」


「女子の話し隠れて聞くとか、マジキモいっつーの!」


「あ?逆ギレかよ!話しすり替えてんじゃねぇ!!」


「理由なんてどうでもいいっつの、僕は、フラれた。それだけだ!!」


「お前がどうでもよくても、他の女の子が納得いかないって話だよ!」


「ヒナ!どうなの?」


「答えなくていい!!」


メグと鼻先が触れ合うような間合いで、睨みあっていると、


「…に、新山さんをフッたのは、軽そうな人だったからです。」


まぁ、分かってたけどね。

そういう理由だよな、やっぱ…ヒナの性格だし…

でも、そんなのは関係ない。


「なんで…ヒナっコイツは、」


「き、嫌いなんです、女の子見下しているっていうか…」


「なんだ…よ、それ。」


なんなんだよ、ヒナ…僕は君を助けようと…

その言葉を聞くと、メグは、


「へぇ~、そうなんだ。」


と、僕の方を見て、ニヤリと笑った。

ヒナは立ち上がり、逃げるように帰った。


「ナイト様みたいでカッコよかったのに、」


「相当嫌われているのね…」


「あんな女、どうなったっていいじゃない。」


そう囁いて、メグとアキも帰って行った。




次の日から、ヒナへのイジメが始まった。

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