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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第十話【虚月】

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「《嘲りの鉈梛九》よ。貴方の目的は、在の蒼馬の霊獣ですね?」


 セレスの其の声は、邪気に包まれても尚、美しかった。


 争い事は、好ましくは無い。話し合いで解決する成らば、其れに越した事は無い。セレスには、闘う力が備わっている。相手が皇渦陸仙と謂えども、セレスを討つのは容易くは無かった。双方共に、争いは得策では無い筈で在った。


 けれど鉈梛九は兵を率いて攻め入って来た。争いを避ける心算は無さそうで在る。、


「解っておるならば、話は早い。さっさと、奴を引き渡して貰おう」


「間も無く此処に、騎士が顕れます。諦めて退散した方が、身の為ですよ?」


 セレスには、未来を予見する能力が在った。そして其の騎士が、鉈梛九の兵力を根刮ねこそぎ屠り去った事も気付いている。


「世迷言をほざくな。高々、一介の騎士に何が出来る?」


「お前が《皇渦陸仙》の一角か?」


 背後の気配に、鉈梛九は身構え様としていた。


 ——だが、其れよりも速く羅刹の大剣が、鉈梛九の肩を貫いていた。


「ほう……。霊石で出来た我が躯を貫くとは貴様、中々に侮れぬな」


 鉈梛九には、全く焦った様子は無かった。


 寧ろ余裕すら、窺えた。


「タリムを其れ程迄に使いこなすには、相当に骨が折れたで在ろう?」


「貴様、何を言っている?」


「気を付けて、羅刹。其の男は、戦騎を産み出した張本人よ。私の力も当然、熟知しているわ!」


「だから、どうした?」


 蒼馬の霊獣を駆りながら、炎の斬撃を放つ。


「タリムよ。喚装じゃ……」


 鉈梛九が、ぼそりと呟いた。


 其の瞬間。羅刹の戦騎が解けて、鉈梛九に喚装された。


 其の一連の流れを、セレスは予知していた。自分のすべき事も、理解している。争いは好ましくは無い。だが、回避不能で在る事も、解っている。だからこそ、羅刹に託す道を選んだのだ。



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