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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第一話【化物】

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 日が暮れる中を、刹那は家路についていた。


 今朝の少年の姿が、不意に頭をぎる。不思議な少年だった。


 彼は一体、何者なのだろうか。


 幼い頃、刹那は不思議な場所に迷い込んだ。の場所は、深い霧に包まれた森の中だ。幼いながらにも、危険な場所でる事を理解していた。


 刹那には、生まれつき危険を予期する能力が備わっている。大抵の場合は危機と遭遇する前に、無意識の内に回避していた。しかしの時はどういう訳か、最も危険な場所に迷い込んでしまっていた。


 気が付くと周りを、怪物達が取り囲んでいた。唸りを上げ、自分を見定める怪物達。彼等かれらが何者なのかは、刹那には解らない。只、死を覚悟する事しか出来ない。


 目を閉じて、死を迎え入れ様とした時でる。


 光の騎士が、自分を救ったのだ。


 少年の雰囲気が、何処どこか光の騎士と似ている。


 けれど、少年の目には深い闇が潜んでいる気がした。


 彼は何者なのだろう。


 刹那は心の中で、問い掛ける。


 日が暮れる中を、歩いた。そしてふと、歩みを止めた。何故だか解らないが、何か良くない物が迫って来ている様な気がした。


 危機が迫っている。瞬間的に、刹那は理解した。半年程前から、の町には殺人鬼が出没する様にった。一家惨殺事件を皮切りに、複数件の事件が起きている。被害者はいずれも刹那と似た年の少女ばかりだった。


 何かがぐ近くに居る。全身をほとばしる悪寒。突き抜ける恐怖が、冷やかに、刹那の脳裏に『死』を浮かび上がらせていた。


 不意に、刹那は振り返っていた。


「有紀ぃぃー!」


 奇形の顔の男が、彫刻刀を持って襲い掛かっていた。振りかざされた彫刻刀を、刹那に目掛けて振り下ろす男。逃げられない事を、刹那は悟っていた。無慈悲に肌を焼く緊張感が、身体を強張らせてく。


 次いで鳴り響く金属音。黒い影が、刹那の視界を遮った。


 今朝の少年が、二人の間を割って入っている。の瞬間、不思議な事に、刹那は安堵していた。


 少年が短剣で、男の彫刻刀を受ける。少年が男を蹴りけた。


 後方へと飛ぶ男。


 瞬く間の出来事だった為、何が起きたのかが理解できないでいた。けれど、少年が自分を護ってくれていると謂う事だけは、理解わかった。


「逃げろ!」


 謂い放つ少年。


 唖然とした様子の刹那。


 構わず少年は、男との距離を詰める。


 短剣を振り下ろし、男を斬った。


「小僧、矢張り戦騎騎士だったか!」


 男の声は、不気味なまでに低かった。全身の肌を逆撫でする様な不快感が、刹那の心に纏わり附いていた。


 肩を斬られたにも関わらず、男から血は流れなかった。


「為らば、殺してやる!」


 男の全身が、膨れ上がる。どす黒く染まった皮膚を、昆虫の様な甲殻が覆う。


 怪物の姿へと変貌する。其れは曾て見た化物と類似していた。


「タリム、喚装だ!」


 少年の叫びと共に、光に包まれた鎧が出現する。純白の鎧には、鷹のレリーフが刻まれていた。


 鎧を纏った少年の姿が、光の騎士と被り、刹那は驚愕する。


 とても美しい其の鎧に、目を奪われていた。


 刹那は一歩も、動けないでいた。


 只々、騎士の姿に心を奪われている。



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