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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第七話【魔窟】

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白鷹戦騎はくおうせんきタリムよ、良くぞ参られた」


 【裁きの門】の番人でる【なげきのエリザ】がおごそかに言った。エリザは天界の神々の眷属けんぞくるが、千年前の闘いで粗相そそうを起こして、極界ごくかいに追いやられた。以来、此処ここで番人としての役目を与えられている。


「羅刹は、ようやく騎士としての使命が芽生えた様ですね」


「はい。今はの子に取って、大切な時期。厳正げんせいなる御裁おさばきを願い申し上げます」


 羅刹の処遇しょぐうは、エリザの気分次第でいくらでも変える事が出来る。エリザの機嫌を損ねれば、即刻にでも地獄へ逆戻りとう事も起こり得る訳でる。


 零落おちぶれたとは言え、エリザは神々の眷属けんぞくる。れだけの権限が、彼女には与えられていた。


「今日は羅刹の事で、貴方を招いた訳では在りません」


れでは、どう言った御用向ごようむきで御座ございましょうか?」


 エリザの招集は、何時いつだって悪い予感しかしない。大抵はエリザの尻拭いが多い。そしての殆どが、ろくでも無い事ばかりだ。


 きっと今回も、面倒事をおおけられるに違いない。


 身構えるタリム。


「邪悪なる魔獣・タタラが、現世に蘇ってしまいました」


「タタラが……そんな、馬鹿な。奴の復活は、未だ千年以上も先の話では、在りませんか?」


 タタラとは、古の時代より多くの人々を苦しめ、数多あまたの戦騎騎士をほふって来た魔徒の名だ。


 強大な力を有した魔徒。四百年前に多くの騎士や戦騎の犠牲と引き換えに、ようやく封印したのだ。其の闘いにタリムも又、参加していた。そしての時に、多くの《禍人の血族》が犠牲に成った。


 タタラの強大で巨悪な力は、に嫌と言う程に染みている。


「万が一、タタラと相対したら……倒せとは、言いません。人々を安全な場所へと避難させなさい」


 本当にタタラと相対したのらば、逃げる事すら至極困難しごくこんなんな事で在った。


 其れに羅刹の性格を考えれば、逃げる事は絶対にしない。


 面倒事が又、一つ増えてしまった。


「我々は、貴方を失いたくは在りません。良いですね。呉々(くれぐれ)も慎重な行動を御願い致しますよ」


 要するにエリザは、自分の保身を考えているのだ。


 先の大戦で、多くの戦騎を失った。現存する戦騎の数は、千年前の十分の一しかない。魔徒達との闘いに勝ちこそはしたが、エリザの立案した作戦の所為せいで、多くの戦騎を失ったのも事実。エリザの立場からしたら、れ以上の失態をさらす訳にはかなかった。何せエリザには、後が無いのだ。


いずれ天界より、タタラ討伐隊が編成されるでしょう。貴方は其れまで、何としても生き延びなさい。話は以上です」


 エリザは直ぐにではなくて、何れと言った。詰まり未だタタラ復活の報告を、天界にしていないと言う事だ。


 そうでなければ、天界で非常事態が起きているかだ。どちらにしても、タリムにどうこう出来る話ではなかった。


「畏まりました……」


 タリムには、渋々ながらに受け入れる他なかった。



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