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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第六話【食堂】

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 華がカツ丼を半分程、たいらげた時でった。


 がらの悪そうな男達が、来店していた。


 の中には、田辺の姿がった。華の胸中を、くらい物が満たしてく。


「あれぇ〜……。ウチで金を借りて措きながら、カツ丼ですかぁ。良いご身分ですねぇ〜!」


「おい、田辺。次の返済期日は、まだ先だ。勝手な事をしたら又、社長に怒られるぞ?」


 男の一人が、見下した様に田辺を止める。


「解ってるよ、うるせぇなぁ〜!」


 男の手を払い、田辺は不機嫌そうに席に着いた。の時には既に、華の表情かおは、かげりを見せていた。


 ——愚かな奴等だ。人間は皆、愚かだ。


 又、頭の中で声がした。甲高い男の声だった。けれど、の姿は何処どこにも無い。


「どういう事だよ、華。まさか、お前……闇金に、手ぇ出したんじゃねぇだろうな!」


 とがめる様に問う健吾。健吾にだけは、知られたくは無かった。心配を掛けたく無かったからだ。掛け替えの無い友達だから、迷惑を掛けたく無い。


「そうだよ。悪いか……?」


 口から出た声には、けんが含まれていた。


「何で、俺に相談の一つもしないんだよ!」


「おい。こいつ等、内輪揉めし出したぞ!」


「放っとけ。そんな物、ウチの客じゃ珍しくもないだろ」


 口々にいやしく笑う男達。


 かげる健吾の表情。


の間、彼女が消えて……代わりに、こいつらが突然、やって来たんだ!」


「……んで、お前が女の借金、肩代わりしたんだよなぁ〜……華ぁ?」


 田辺が楽しそうに、高笑いを上げる。


「何だよ、れ……」


「お前を、巻き込みたくなかったんだよ。健吾、俺達……親友だろ?」


「水臭い事、言うなよ。金なんか、俺が払ってやるよ!」


 健吾が財布から、五万円を取り出そうとした。


「足りないんだよ!」


 健吾の手を、慌てて止める。金を出させれば、健吾からも取り立てねない。そうれば、本当に友情に亀裂が入る気がした。れだけは、絶対に嫌だった。


「そうそう。れっぽっちじゃ……全然、足りないの。こいつ、ウチから五百万も借りてるから。けど、社長は優しいんだぜ。女の借金、肩代わりする代わりに、利息をトイチに負けてるんだからな!」


 嘲笑ちょうしょうが、店内を木霊する。


 ——薄汚く、醜い奴等だ。お前の女も、こいつ等と出来てるぞ。


 内なる声が、悪魔の様に華の心を撫でる。どす黒い感情が、心を掻き立てる。


れは、本当か?」


 ——本当だ。こいつ等が、憎いか?


「あぁ、憎い……」


「おい、華。どうしたんだよ……。一体、誰と話してんだよぉ……?」


 狼狽うろたえた様な表情の健吾。健吾を見ていると、胸が締め付けられる様に痛かった。けれど、心の奥底から沸き起こる感情を、どうにも抑えれ無かった。憎しみの念が、田辺達に向けられる。


「ごめんな、健吾。お前の大切な店で、こんな事になっちまって……」


 ——我を受け入れろ。そうすれば、此処ここに居る奴等を殺してやろう。


 内なる声の誘いに、抗えない。


「あぁ……受け入れる!」


 染まる憎悪が、心地良く華の心を変貌かえさせた。



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