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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第四話【呪毒】

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「羅刹、最悪の事態よ!」


「どうした!」


 魔徒の元へ駆けながら、羅刹は叫んでいた。


「刹那ちゃんが、魔徒と接触したわ。今は私の結界で護ってるけど、そう長くは保たない。其れと……刹那ちゃんは今、殺人鬼にさらわれてるわ!」


「何だって……?」


 謂っている意味が良く理解できなかったが、刹那が危険に晒されている事だけは理解わかった。


「急いだ方が良いわ。喚装して、一気に行くわよ。魔徒は在の廃ビルの屋上にいる!」


 タリムの意思に依って、戦騎を喚装させられていた。そして、戦騎に翼が生えた。


 タリムは鷹の戦騎の為、飛行が可能だった。尤も此の状態に成ると、喚装していられる時間が短く成る。急がなければ為らない。


 猛スピードで廃ビルに目掛けて、羅刹は飛び立った。数十秒で、到着した頃には鬼神化した魔徒が、刹那と殺人鬼を追い詰めていた。


「貴様、戦騎騎士かっ!」


「さぁ、ペルセウスよ。其処に居るメデューサの首を、跳ねるが良い!」


「お願い、羅刹。東山先生を助けてあげて!」


 口々に叫ぶ三名。


 刹那は此の期に及んで、殺人鬼を助けろとかかしている。


 戦騎を喚装していられる時間は後、数秒しかない。飛行中にタリムから、魔徒の能力を聞いていた。見た者を石化する力。大した問題ではなかった。


「貴様も、石に成るが良い!」


 鋭い眼光を此方へ放つ。


 だが、遅い。


 魔徒が捉えたのは陽炎かぎろいだった。


 既に羅刹は、魔徒の背後を取っていた。【糸游いとゆう】からの一閃で、魔徒の首を跳ねた。


 魔徒が灰になるのと同時に、喚装は解けていた。


 ——だが。生身の人間が相手なら、戦騎が無くとも充分に制する事が可能だった。間髪入れずに、殺人鬼のナイフを弾き飛ばしていた。刹那を抱き寄せて、殺人鬼の喉元に刀のきっさきを向ける。


「どうした。小僧。やれよ!」


 いつの間にか、刹那は気を失っていた。


 タリムから、刹那が禍人の力を行使つかった事を聞かされている。恐らく、其の影響だろう。


 今なら、刹那が哀しむ事もない。


「さっき、こいつがお前を助けてくれって言ったのが、聞こえなかったのか?」


 殺人鬼を睨み付ける。


 吐き気がする程、どす黒くて醜悪な眼をしている。


「あぁ、聞こえたさ。生っちょろい綺麗事がなぁッ!!」


「こいつは俺と違って、穢れを知らずに生きて来たんだろう。だから、平気で綺麗事を吐けるんだ。だが……こいつは、其の綺麗事に命を懸けやがる。だから、お前みたいな糞野郎でも、助けてやる。二度とこいつの前には、現れるな。良いな!」


 本来ならば、此の場で殺すべきなのだろう。


 でなければ、此の男は誰かを傷付け奪う。だが——男は人間で、自分は戦騎騎士だ。


 殺す訳には、いかない。


 其れに、刹那に嫌われたくなかった。


「小僧よ、今は退いてやる。だが、此の東山昭久を殺さなかった事を、いずれ後悔させてやる!」


 高笑いと共に、殺人鬼は去って行った。



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