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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第四話【呪毒】

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「タリム、奴は何者だ?」


 戦騎を纏っているのに、羅刹はされていた。


 太刀筋が速過ぎて、隙が無かった。加えて二刀流だ。間合いを取って、態勢を立て直さなければ不味い。純粋な剣術の打つかり合いで、遅れを取っている。其の事が心を苛立たせたが、羅刹は至って冷静で在った。潜って来た修羅場の数が、そうさせているのだろう。


 大小二刀を繰り出す身体からだは、思いの外に小さかった。華奢な身体に、そぐわぬ身体能力の高さ。体の造りから、相手が女で在る事を悟った。


 だからこそ、余計に戦い辛かった。刹那と出逢ってから、どうも調子が狂ってしまっている。以前の自分ならば、相手が女で在っても、決して躊躇しなかっただろう。羅刹は今、目の前の敵を斬る事に、僅かばかりの迷いを抱いている。


 だが、手加減をする余裕はなかった。覚悟を決めねば為らない。


 大きく息を吸い込み、丹田呼吸をする。意識を研ぎ澄まし、極界の炎を召喚した。全身に炎を纏いながら、歩を進める。


 女が繰り出す斬撃が、空を斬った。


 僅かに生じた隙を、逃さなかった。


 技の名は【糸游いとゆう】と言った。


 擦り足を用いた独特の歩法で、相手の間合いを狂わせる技で在った。加えて極界の炎の熱で、陽炎かぎろいが生じている。


 羅刹の斬撃で、相手の大刀は折れた。


「お前は何者だ?」


 刀のきっさきを突き附ける。


 女は面を取った。


 まだ幼い顔立ちをしていた。自分よりも年下だった。


「私の名はいおり。お前に用はない」


「ならば何故、襲った」


「只の勘違いだ……」


 其の刹那、女は去って行った。


 釈然としなかったが、羅刹は魔徒を目指して再び駆け出した。



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