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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第二話【鬼子】

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「ようこそ、御法院刹那さん」


 山下に連れられた教室の中央に、史華が居た。


 教室の中には神峰史華親衛隊が佇んでいた。


 其の光景は異様で在った。史華はまるで、女王の様だった。


「貴女を呼び出した理由は、他でもないの」


「刹那ちゃん。どうやら、彼女が魔徒の様ね」


「嘘。神峰さんが、心に闇を抱えてるなんて……」


 刹那には意外だった。


 史華は全てに於いて、完璧で悩みとは無縁の存在だとばかり思っていた。常に自信に満ちて、皆の憧れの的で在る史華には、刹那も少なからず憧れの念を抱いていた。だからこそ意外だったし、ショックも受けていた。


 史華がゆっくりと、刹那の元へと歩んで来ていた。肌をいやな空気が撫で附けて往く。自然と身体が強張るのが理解わかった。


「ずっと前から、思っていたの」


 そっと、刹那の頬に手を当てる。悪寒が全身を衝き抜ける。


「貴女の其の、極め細やかな白い肌。透き通る様な、漆黒の髪。とても、美しいと思っていたのよ」


 刹那の髪を撫でる史華。


 周囲の者達が、刹那に羨望と嫉妬の目線を送る。


「本当に、美しいわ。本当に……」


 史華は衣服を脱ぎ捨てる。


「気に喰わないわ!」


 腹に埋め込まれた鏡に、刹那の姿が映り込む。


 どうやら史華は、刹那を喰らうつもりの様だ。


「あら、残念ね。刹那ちゃんは、食べれないわよ」


「貴様、戦騎の加護を受けているのか!」


 タリムの存在が、魔徒の食事を妨げていた。


「為らば、殺すまでよ!」


 史華の合図で、神峰史華親衛隊が動き出した。


「其処までだ!」


 羅刹が、何も無い空間から出現した。


「戦騎騎士か。お前に、罪の無い人間を斬れるのか?」


 神峰史華親衛隊は、操られこそしているが、只の人間だった。


 刹那は彼女達を護りたかった。


「斬れるさ。俺は、咎人だからな」


 無情な羅刹の声音。不安が心を過ぎった。


「駄目よ、羅刹。罪の無い人間を斬ったりしたら、地獄に落とされるわよ」


「解っている。今の俺は、騎士だからな。殺しはしない!」


 一気に、史華との間合いを詰める。


 速すぎて誰も、羅刹の動きに反応し切れなかった。既に羅刹は、戦騎を喚装していた。


 刀に依る一閃を、史華に浴びせる。


 だが、深手を負わせる迄には至らなかった。


「貴女達、私を護りなさい!」


 謂われる儘に、神峰史華親衛隊が羅刹を阻む。


「糞、こいつら邪魔だ!」


 羅刹は戦騎の喚装を解いて、刹那の元へ向かう。


 まるで刹那を護ろうとするかの様に、刹那の前を遮っていた。


「刹那。此処は一旦、退くぞ!」


 刹那を連れて、羅刹は教室を後にした。



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