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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第二話【鬼子】

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 教室の真ん中の席に、静かにたたず史華ふみか。只、れだけなのに、皆の視線を集めている。


 凛とした其の佇まいに、クラス中の人間が魅了されていた。皆が陶酔とうすいする中を、史華は悠然ゆうぜんとした姿勢で佇んでいる。教室内をたしかに、独特なドグマが内在していた。皆の寵愛ちょうあいを一身にあつめていた。


 生徒も教師も、史華に魅入られている。


 其れ程までに、史華は美しかった。


ひざまずきなさい!」


 の場に居る者が皆、史華に従った。


 史華の妖艶な美と魔性に、皆が操られている。の場に居る者は皆、史華の傀儡かいらいと化していた。


 ——戦騎騎士が、私達を狙っているわ。


 内なる声が、史華にささやき掛ける。


「解っているわ。私の美しさの前には、如何いかなる者も無力に等しい。此れから、其れを証明してみせる」


 妖しくわらう史華。何者もにも、屈服する心算つもりはない。『捕食』するのは、常に自分でなければらない。


其処そこの貴女。此方こっちへ来なさい」


 生徒の一人に、声を掛ける。史華の言葉に従う生徒。生徒の名前は、観月みつき。先日の体力測定で観月は、史華より良い結果を出していた。


 ほんの些細ささいな差ではったが、史華はゆるせなかった。自分より少しでも優れた存在を、史華にはゆるせなかった。どんな理由でろうとも、嚥下えんかする訳にはかない。


「貴女の全てを、私に捧げなさい」


かしこまりました。私の全ては、史華様の物で御座います」


 史華の腹に埋め込まれた鏡に、観月の顔が映り込む。あどけなさが残るが、可愛らしい顔をしていた。活発そうな娘だった。本当に、気に喰わない。


 観月の体が、ゆっくりと鏡に吸い込まれて消えた。


「此れで又、一つ。私は、完全な存在に近付いたわ!」


 心地良い甘美の渦が、史華の体を包み込んだ。


 己よりも優れた人間を喰らって、完全なる美を求めていた。


「貴女達、私に平伏しなさい。私をあがめなさい。貴方達の全ては、私の為に存在する」


 恍惚の表情を浮かべて、史華は両手を広げた。


「此の学園の中に、私を殺そうとする者がいる。其の者を見付けて、捕らえなさい!」


 授業終了のチャイムが鳴った。


 其の瞬間。何事もなかったかの様に皆、日常へと戻った。



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