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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第十四話【親子】

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 鼻腔を擽る異臭に刹那は、目覚めていた。鼻にこびり附く様な、厭な臭いに胃液が逆流しそうだった。何かが腐った様な、獣の様な匂いで在った。


 一般的な台所に横たわる様にして、倒れていた。確か自分は、病院に居た筈だ。


 次第に鮮明に成る意識と共に、刹那は状況を飲み込んだ。


 ——自分は、何者かに拐われたのだ。


 病院の廊下で会った在の男から、魔徒の気配を感じた。慌てて周囲を見廻すが、男の姿は見当たらなかった。


 鼻を附く異臭が、胃液を逆流させていた。異臭の元に目を遣ると、ガスコンロの上で鍋が煮え滾っていた。


 赤黒い塊が溶けている様が、厭な物を連想させて刹那は嘔吐した。一体、何の肉なのだろう。想像するだけで、悍ましい気分にさせられた。


「刹那ちゃん、逃げて!!」


 脳裏に響くタリムの声。


 邪悪な気配が、近付いて来るのが解った。直ぐ近くに居る。背中に厭な気配を感じて、刹那は振り向いていた。


「お目覚めですか、お嬢さん?」


 底無しに冥い瞳が、此方を覗き込んでいた。


「刹那ちゃん……彼は魔徒じゃないけど、気を付けて!!」


 男の手には、メスが握られていた。


 薄く張り付いた笑みが、薄気味悪い。突き抜ける悪寒。魔徒以上に、瘴気を漂わせている。人間の厭な部分が蝟集したかの様な、酷く醜い表情を張り付けている。男は明らかに気が触れている。足が竦んでいた。逃げなければ為らなかった。だけど、動けないでいる。


 気付いた時には、男は刹那に目掛けて凶刃を放っていた。



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