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咎人の詩  作者: 81MONSTER(日本を代表する怪物)ポンコツ犬のタナトス
第十一話【傀儡】(前編)

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「さて、刹那よ。此奴等こやつらを、浄化するとしようか?」


 神楽は切り出した。


「恐らく此奴等は、何者かに操られている。成らば、逆に利用してしまえば良い」


「そんな事、出来るの?」


「出来るさ。其れには《捧ぐ者》の力が、必要だ。刹那……お前の力が、必要だ」


 刹那には、どうすれば良いのか解らなかった。


 だが自分に出来る事は、祷る事と、うたう事だけだ。其れが、自分の持つ力なのだ。成らば、成すべき事は一つだけだ。


 祷りを籠めたうたを、うたうだけだ。


 ——皆を護りたい。


 其の想いが祷りと成り、うたと成った。


 うたは光と成り、力と成った。


 刹那の柔らかな声が、風に乗って舞った。鮮やかな光と成って、祷りのうたは魔徒を包み込んでいった。


 神楽が其の光に、手を触れていた。目を閉じて、光の中の魔徒に触れていた。次第に光が大きく成って、目映まばゆい煌めきと成った。


 尤も其れは、ほんの僅かな時間で在った。


「ふむ……即席にしては、上出来か」


 魔徒が消えて、代わりに二対の刀が残っていた。


「一体、何をしたの?」


「魔徒のからだを素材に、鎧通よろいどおしを作った。我々には、闘う力が無いからな。此れから合流する従者——菴の為に、武器を作らせて貰った」


 そう説明する神楽の瞳は、優しい光を含んでいる。


 菴は神楽に取って、只の従者では無いのだろう。刹那は直感的に、そう感じていた。


「貴方に取って、大切な人なんだね」


ああ。菴は私に取って、掛け替えの無い友だ」


 そう言って笑う神楽は、何処か嬉しそうで在った。其の辺の女子高生と何も変わらない。其れ程までに、神楽に取って菴は大切な存在なのだろう。


 ふと、刹那の脳裏を、萌の顔が過ぎった。もしも未だ校内に残っていたとしたら……と、思うだけで不安が加速して往った。自分に取って、萌は掛け替えの無い友達だった。


「神様も笑うんだね?」


「笑うさ。半分は人間だからな。そんな事よりも、此処を離れるとしよう」


 神楽の提案に、刹那は頷いた。萌の安否が気に成る。もしも何か在れば、命懸けで護る


 刹那の瞳に、覚悟の暉が宿っていた。



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