表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
武神〜The warrior red dragon〜  作者: 水前寺鯉太郎
熊本編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/12

第八話:マグマの洗礼、滾る大地の鼓動

第八話:マグマの洗礼、滾る大地の鼓動

阿蘇の裾野に広がる演習場。そこは、常に地熱が吹き出し、空気が陽炎で歪む過酷な環境でした。アルバートに連れられてやってきた龍雄の前に、腕組みをして待っていたのは、阿蘇松井家の現当主、そしてその背後に控える巨大な**「地熱蜂」**を従えた一族の戦士たちでした。

「お前が広島の『武神』か。……ほう、マブイが『1』とは聞いていたが、まるで深い穴のようだな。だが、うちの火力がその穴を焼き尽くさねばよいが!」

松井家の戦士が放つのは、火属性と土属性が融合した**「マグマ属性」**のマブイです。

彼らがからくり棍棒を地面に叩きつけると、板張りのコートではなく、本物の大地から灼熱の溶岩が噴き出しました。

「食らえ! 『阿蘇の噴煙』!」

飛来するのは、地熱蜂たちが羽ばたきで増幅させた、粘り気のある高熱の火炎弾。直撃すれば、からくり機体どころか、操縦者の肉体まで「蒸気肺」や火傷で無事では済みません。


龍雄は、アルバートによって改造されたばかりの緋色の盾を構えました。

これまでの龍雄なら、相手の熱量を全て逆流させようとして、盾の許容範囲キャパシティを超えてオーバーヒートしていたはずです。

しかし、今の盾には**「異世界の種子」**が息づいています。

「……吸え。この熱を、糧にしろ」

龍雄がマブイを込めると、盾の装飾から目に見えないマブイの「根」が地面へと伸び、阿蘇の熱源と直結しました。飛来するマグマの弾丸が盾に触れた瞬間、その熱量は破壊的な威力としてではなく、盾の中の植物を急成長させる**「養分」**へと変換されました。

3. 自然エネルギーの直接制御

「なっ……!? マグマを吸い取っているだと!?」

驚愕する松井家の戦士たち。

盾は赤く輝くだけでなく、その表面に生命力溢れる緑の紋様を浮かび上がらせました。龍雄は、大地から吸い上げた膨大なエネルギーを、一滴も無駄にすることなく槍の先端へ集中させます。

「……槍、しん

放たれた突きは、もはや直線ではありませんでした。植物の蔓のようにしなり、マグマの壁を回避しながら、まるで獲物を狙う蛇のように戦士のからくり機体の隙間に潜り込みます。

「そこまで!」

アルバートの声が響き、演習は終了しました。

龍雄の槍は、相手の喉元数センチのところでぴたりと止まっていました。

「……素晴らしいデス、タツオ! マブイの『無』を、自然の『有』で満たす。君は今、本当の意味で大地と繋がった『武神』になりつつありマス」

松井家の当主は、豪快に笑いながら龍雄の肩を叩きました。

「気に入ったぞ。その『根』の張り方、我ら松井の家系にも通じるものがある。……おい、アルバート。この男なら、あの『からくり野球チーム』の守護神が務まるかもしれんな」


阿蘇の厳しい洗礼を乗り越え、龍雄は自分の「弱さ」が「強み」に変わる瞬間を確かに感じていました。

しかし、そんな彼らの元に、急報が入ります。

「タツオ! 熊本市内の野球場で、ガイアス帝国の刺客たちが暴れているという情報が入りました。どうやら、ボクのチームメイトたちが狙われているようデス!」

龍雄は、緋色の盾を背負い、迷いなく走り出しました。

「……行こう。今度は、俺が守る番だ」

広島の赤龍が、ついに熊本の地で仲間たちと合流する時がやってきました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ