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第3話

━━━ピーンポーン!

 僕は玄関から鳴らされたチャイムによって目を覚まし、視界がボヤける中で壁をつたって玄関の扉を開けた。

「おはよー!」

「朝から何ですか···?」

「休みだし出掛けない?」

「いや、僕はもう少し寝たいんで遠慮しときます」

━━━ガチャ!

「ドンドンドンッ!!休日だし、外出した方が良いですよー!!」

「来週から定期テストですよ!」

「それはそうだけど······。あっ、そうだ!じゃあ、私の部屋で勉強会しよ!そうしよう!!」

 結局、三崎は加藤さんに流されるままに部屋へ連れていかれた。

 女の子の部屋···。緊張するな〜、初めての女子部屋···、普通でいられるか心配だ。

 三崎は加藤さんに招かれ、加藤さんの部屋の扉を開けた。

 いや、分かってはいた···。あんなにブラ困愛を主張されれば、さすがに予想は出来ていた。いたが······、初めての女子部屋はもっと女子っぽいところが良かった······。これが高校まで友達を作らなかった弊害か~······。

「三崎くん、ちょっと甘いもの持ってくるから待ってて!」

「うん······」

 僕はこの女子高生の部屋の空間に堪えかねて、バックに入れておいた参考書をテーブルに広げ、勉強をし始める。

「雫〜!どこにいるの〜?横浜のおみあげ買ってきたわよ~」

 扉の先から加藤さんを呼ぶ声が聞こえてくる。その声は徐々に扉の下へ近づいて来た。

━━━ガチャリ!

「茅鶴くんじゃない!どうしてここに······?」

「加藤さんと勉強会をすることになって、お邪魔してまして···」

「あら、そうなんだ〜!私で良ければ勉強教えようか~?」

「い···良いんですか!そんな贅た······!!な···何でもないです、、、」

 待って待て待て···!桜さんと2人きりの勉強会···。

 頬を赤らめ、鼓動の動悸が止まらない三崎は桜さんと2人だけの勉強会が出来ることに恥ずかしさが顔に出てしまうほどに動揺してしまう。

「どうせだし、私の部屋で教えようか!」

 え·········!桜さんの部屋で···勉強会······。

 三崎は考えただけで鼻血が出そうになる。

 三崎は桜さんに連れられるままに桜さんの部屋へと入室した。中はTHE・女子のようなピンクに囲まれた部屋で仕事関係の資料やカメラが棚に仕舞われていた。

 凄〜い!ここが本当の女性の部屋······。

「そこに座っててね···」

 周囲を見渡すと有名な俳優のポスターやぬいぐるみが飾られていた。

 あっ···。桜さんってこういう系の人がタイプなんだ······。

 三崎は少し落ち込んだ。

「じゃあ、早速勉強しようか~」

━━━ガチャ!

「やっぱりいた〜!!三崎くん行くよ~!」

 加藤さんに引っ張られるまま僕は桜さんの部屋から出た。


「三崎くん!私と勉強をするって約束したのに何でお姉ちゃんといたの!!」

「桜さんが勉強教えてくれるって言ってくれたから······」

「はぁ〜、まぁ良いわ!勉強しましょう」



「三崎~!!」

 朝学校へ来ると蓮が泣きながら抱きついてきた。

「三崎~!!」

「どうしたんだよ蓮?」

「今日学校に来たら桃瀬に怖い顔でメンチ切られたんだが~」

「蓮!私はそんなことしてないわよ!!」

 教室後方の扉には猛追走してきた桃瀬さんが立っていた。

「ただ蓮に聞きたいことが······!?」

 一歩一歩近づく桃瀬さんは三崎に気付くと立ち止まった。

「三···崎くん…」

「三崎〜!助けてくれよ〜!俺、このままだと桃瀬たちに何されるか······。想像したくもない……」

 蓮の言動は桃瀬の表情を変貌させた。

「蓮、ドンマイ·········」

「三崎〜!俺を見捨てないでくれ~!!」

 桃瀬は蓮の着ているシャツを強く握り締め、廊下へと引きずり込んだ。


「蓮!人の話を最後まで聞いて!!」

 桃瀬は蓮を教室に最も近い階段まで連れ、壁に押し付けた。

「怒られる~······って、エッ?」

「私は!わた···し···は·········」

「何だよ桃瀬?」

「いや、·········」

 モジモジとして、なかなか話そうとしない桃瀬に女子生徒が話し掛けた。

「何してるの汐音?」

「あっ、凛りん······」

「そこにいるのは蓮くんじゃん!汐音って···そういう系が好みだったの?案外、面食い?」

 桃瀬は赤らめる顔を無表情にすぐに戻し、呟いた。

「え、別に蓮くんはどうとも思わないけど······?」

「まぁ、そりゃそうよね!汐音が蓮くんを好きになることなんて何度生まれ変わっても無さそう!!」

「······本人のいる前で容赦なく、言わないでくれないか」

「···蓮くんは汐音のこと好きなの?」

「·········全然、全くだな···」

 真顔で呟く蓮に桃瀬はやるせない気持ちでいっぱいになった。

「そうだ!?桃瀬、さっき先生が凄い形相で桃瀬のこと捜してたよ!早く行ったほうが良いんじゃない?」

「···あっ!!今日の朝、職員室に来いって先生に言われてたんだった!!」

 桃瀬は慌てふためいた様子で職員室へ向かって走って行くのだった。残った女子生徒は食堂の方へ向かい、蓮だけが階段下のスペースにただ1人、取り残されたのであった。

「······おい、俺を置いてどっか行くなよ~·········」

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