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小椋麻優子様
先日は心の籠もったお手紙をありがとうございました。麻優子の素直な言葉、胸に響きました。
私も麻優子のことが好きです。心の底から愛しています。麻優子が隣にいることが幸せで、心の中にはいつも麻優子の笑顔があります。
会うたびにいつも笑顔を見せてくれてありがとう。口の利けない私と、筆談や指文字でたくさん話してくれてありがとう。音楽の話でいつも私に付き合ってくれてありがとう。純人の私にも分け隔てなく付き合ってくれてありがとう。
私も優しいあなたに心惹かれています。会うたびに好きになっていくあなたに、同じ想いで返したいと思っています。
私も麻優子とずっと一緒に生きていきたい。二人一緒に手を繋いで、一生添い遂げていきたい。
私もあなたのように、勇気を出して一歩前に進んでみようと思います。そのために、これまでの関係を踏まえた上で、もう一歩を踏み出すためにこの言葉を使わせてください。
私はお姉ちゃんのことを愛しています。血を分けた双子の妹として、お姉ちゃんのことが大好きです。家族の絆を超えて、純人と赤毛人の軛も超えて、お姉ちゃんを心の底から愛しています。
こんな私で良ければ、お姉ちゃんは私と付き合ってくれますか。お姉ちゃん、愛してるよ、とその掌をなぞってもいいですか。あなたの指先で、お姉ちゃんも秀子を愛している、と伝えてくれますか。
私の口が利けたなら、あなたの耳が聞こえたなら、何度だってその耳元でお姉ちゃん、お姉ちゃん、と呼びかけたいのに。覚りであるあなたの目には、ちゃんと私の想いを見通せているのでしょうか。その倣いを以て、私の心の奥底まで詰まったお姉ちゃんへの愛を読み取ってくれるのでしょうか。
私は明日横浜に帰らなければなりません。お返事は直接伝えてください。待っています。
新座秀子