序
人に二つある。尾のあるものとないものである。
尾のあるものに二つある。耳の大きなものと小さなものである。
曰く、尾のないものを純人と、尾のあり耳の大きなものを毛人と、尾のあり耳の小さなものを赤毛人と。
尾のあるものは幸いである。尾のないものにはない力を持つであろう。
尾のないものは幸いである。彼らは地に満ちるであろう。
私たちは交わらなければならない。
たとえその血を交えることはなくとも。
○
新座秀子様
突然このような手紙を差し上げて申し訳ありません。
改まった手紙でさぞ驚いたと思いますが、あなたにどうしても伝えたい気持ちがあり、素直な言葉を伝えようと思います。
ずっと前から秀子のことが好きです。一緒にいることが幸せで、心の中はずっと秀子のことでいっぱいです。
いつも笑顔で私のそばにいてくれてありがとう。耳が聞こえない私のために、筆談でたくさん話しかけてくれてありがとう。私の話にいつもいっぱい付き合ってくれてありがとう。
そんな優しいあなたに、いつしか心惹かれるようになりました。会うたびにあなたのことが好きになり、離れるたびに胸が苦しくなりました。
これまでの関係を壊したくなくて怖かったけれど、それでも一歩前に進みたいと思いました、好きだという気持ちを、私にできる言葉で伝えたいと思いました。
こんな私で良かったら、付き合ってください。
秀子とずっと一緒に生きていきたいです。二人一緒に、一生手を繋いで生きていきたいです。
秀子のことを心から愛しています。
小椋麻優子