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しかも、なぜか、ボクサー



「はぁ……」


 黒縁ぐらす先生の面談を終えた翌日。

 俺は、新たな勤務先である高山たかやま愛里朱ありすのスタジオに向かいながら、ソワソワしていた。


 なぜかって?

 そりゃそうだろう?

 自分の新しい雇用主が、自分が青春を捧げた超人気声優だと判明したのだ。


 ──アイリス・アイリッシュ。


 若干12歳で声優兼歌手としてデビューし、人気アニメの主題歌を担当したことから瞬く間に有名になった一等星。

 その後、5年の活動を経て突如引退した、謎多き天才。


 そんな憧れの人と、これから二人きりで顔を合わせるのだ。

 いや、別に昨日だって丸一日、一緒に仕事をしていたわけだが……一夜明けて冷静になると、もうどんな顔で話していいか分からない……。


「はああああぁぁぁぁ……どうしよう……! いきなり敬語になったり、キョドったりしたらキモいかなぁ……っ!?」

 事務所のビルのトイレで『正装』に着替えながら、俺は恋する乙女のように身をくねらせる。

「かといって昨日みたいにくだけて接するのもなぁ……? そうできたら良いんだけど、正直、推しにそこまで馴れ馴れしくできる気がしねぇよぉ……。ああああマジでどうしよおおおお!」


 煩悶しながらも着替え終え、キャリーケースを引っ張りながら俺は事務所のチャイムを押した。

 ぴんぽーん、と音が鳴る。

 どたどた、と足音が迫ってくる──


「はーいっ! 佐々木さん、待ってたよぉっ!」


 高山愛里朱が、とびきりの笑顔で飛び出してきた。

 はう、と俺は頭に手をあてて思い切り仰け反る。


 ──ダメだ! まばゆすぎる!!

 ──え!? こいつ、昨日からこんなに可愛かったか!?


 まともに会話できる気がしない。

 っていうか、近づくだけでも到底無理だ。

 すっかり意識してしまったせいか、声も外見も最高にしか感じられない……。


 さらさらと肩に流れる金の髪。かすかに紅潮した鮮やかな頬。

 子犬のように人懐こい表情。邪気の一切ない天使のような笑顔。

 無防備でラフなTシャツ。そこに垣間見える、控えめだが確かな「ふくらみ」。

 すらりと伸びる肌色の下半身。そこに密着したパ──


 ……んん?


 俺は両目を絞って二度見した。

 肌色の下半身?

 いや、そんなはずはない。

 そんなはずはないのに、あれ? 間違いない──?



 高山愛里朱の下半身は、下着パンツ一丁だった。



 しかも、なぜか、()()()()()()()()だ。


「わーっ! 佐々木さん、今日もコスして来てくれたんだーっ!」

 高山愛里朱の跳ねるような声が俺の視界外から聞こえてくる。

 頭部をわしゃわしゃと触られているのが分かった。

「え! すごーいっ、このケモミミどうなってるのーっ!? ねーねー、佐々木さん! そのコスならアレやってよアレっ! 『みなさ~ん! たんたんたーぬき!! まんまるしっぽの六芒ろくぼう──」


「……なんか穿いて出てこいバカたれーーーーッッッ!!!!」


 電光石火で放たれた俺の怒りのチョップが、高山愛里朱の頭頂に降り注いだ。



 今回も読みいただきありがとうございます。


 VTuber業界はアニメやラノベのような出来事が日々起こります。

 刺激に困らなくていいですね(?)。

 そういえば、こんなニッチな小説を読んでくださっている読者の皆様には「推しのVTuberさん」なんていらっしゃるのでしょうか……?


 続きを書くモチベーションのために、

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