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白梅と月光  作者: 高崎 龍介
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起「極刀流」

なんだかんだとまた書いてしまいました。

気になって読んでいただければ幸いです。

 日ノ本。極東に位置する島国。その島国では天下分け目の戦いが長きにわたって行われていた。

 東の大乱。関ヶ原の戦いから広がった大乱。その戦火は止まる所を知らなく東の平野で広がり様々な大名、平民を巻き込み際限なく広がり続けた。

 関ヶ原の戦いの首謀者である毛利輝元と一度は徳川家についておきながら総大将を後ろから討った裏切り者、石田三成の両名。誰もが終わることのないと思った戦いは一人の男が二人の武将の首を晒したことで終結を迎えた。

 男は極刀流の六代目を名乗り、誰もが彼への感謝と後継者となるべく名乗りを上げた。しかしある日男は忽然と姿を消した。

 そして男が消えて数年が経ち、波乱の中にあった日本を納めるべく徳川家の分家に当たる徳川頼房が常陸幕府を立ち上げた。本家である徳川家康が築き上げようとした天下泰平の世を築くために彼のもとには多くの人が尽力した。城を築き、数年をかけて国全体へと藩制度を敷いていく。やがて少しずつ国が回り始めた時に国を揺るがすある事件が水面下で徐々に、しかし確実に唸り始めていた。


 夜闇というものはいつの世も人の心に影を落とし込む。

「はぁ、何だっておいらがこんなことしなきゃいけねえんだよ」

 田舎道を提灯一つで歩く若者が一人。歳の頃も二十歳前後。家のためとはいえ見回りは面倒だと思うのは致し方ないことだろう。

「そろそろ帰るかぁ」

 適当なところで自宅に帰ろうとしたところで、若者は自分の背後に誰かが立っていることに初めて気づいた。

「な・・・・」

「夜分遅くに失礼。そしてさようなら」

 若者は一瞬にして首をはねられ血の噴水を上げながら田んぼへと沈んでいった。

 若者の首をはねた男は村の方を見やると外道な笑みを浮かべ静かに歩み出した。その夜、村では老若男女問わずに住まう者すべてが殺された。

 翌朝。商人の男が村を訪れ惨状を目にするまで誰にも気づかれることなく起きた惨劇であった。幕府はこれを重く受け止め調査のため兵士数十名を向かわせたがこれが後にさらなる被害を生むことになるなど知る由もなかった。


 常陸國の中央部よりやや南に入り江を切り開いた貿易港があった。府中の入口であるその場所から西に数分歩いたところ、小高い丘が見えてくる。入り江を一望できる丘の上には申し訳程度の墓が設けられていた。その墓の前では齢二十を過ぎたころの男が墓の手入れを行っていた。丁寧に行うその姿はその端正な顔立ちも相まって一つの絵画のように見えていた。やがて墓前に線香を供え、合掌した。男は去り際に「また来ます。師匠」と残して帰路に着いた。

 丘を下ること数分。一軒の古びた家が姿を現す。その軒先には黒ずくめの人物が待ち構えていた。佇まいから初老程度の男性ということは分かる。

「お待ちしておりました。深作弥兵衛殿」

「何用でここまで参られた。今日と明日は暇を戴くと伝えてあるはずだ」

「殿下より火急の用件故、と言伝を賜っております」

「何?」

 男、深作弥兵衛は遣いの者が差し出してきた文を広げ内容を急いで確認した。然程の時を置かずに文を読み終えた弥兵衛は遣いの者へと視線を戻す。

「急ぎ城下へ戻る。殿には明後日の夕刻、申の刻までには城へ上ると伝えてくれ」

「承りました」

 城へ向けて駆け出した男の後ろ姿を見送った弥兵衛は墓参りの道具を納屋へと仕舞う。

 足を洗い本宅へと上がった弥兵衛は中を見回し、

「総子様、何処でございますか?」

「む? どうかしたか、弥兵衛よ」

 割烹着に身を包み奥から姿を現したのは齢十四を迎えたばかりと思われる少女だった。

 傍から見れば家族間のやり取りのように聞こえることだろう。だが実際は少々複雑な関係を有している。

 少女は弥兵衛が仕える主、徳川頼房の子女であり名を安心院総子と申される。年端もいかない少女だがその立場は本来であれば弥兵衛でもおいそれと気軽に話すことができない地位にいる。現在はその少女の身柄を守るため弥兵衛は傍に置いていることからこうして日常会話を繰り広げている。

「総子様。先程、将軍様の遣いの者から文をお預かりいたしまして」

「御父上からか!」

 弥兵衛が広げるより早く文を手にした総子はその内容に素早く目を通していく。最初のうちは僅かばかりではあるがほころんだ笑みで文を読んでいたが、ややもすると不貞腐れた表情へと変わっていき、

「弥兵衛よ、もしやと思うがお主・・・・今晩にはここを立とうなどと愚かな考えを持っておらぬだろうな?」

 総子の問いかけに対して弥兵衛が返したのは沈黙だけだった。


 さて日は暮れて夜。日中に立つことができた二人は道中にある旅籠屋で一泊することとなった。

 いざ立つとなればすぐに支度はできるのだが機嫌を損ねた総子をなだめるのに半刻程かかってしまい現在に至る。

「ふむ、小さな宿ながらに満足の場所だ。食事は一つ一つの味付けが丁寧であった。湯船もヒノキの香りで心安らぐような一時じゃった。思わず居眠りしてしまいそうだったしな。部屋もまた手入れが行き届いている。埃ひとつ無くすなど私では出来ぬ。というか、どう足掻いても楽をしようとして手抜きになってしまう。それなのにここの亭主は素晴らしいとしか言えん。是非ともまた近くに来た折には利用したい」

 総子の絶賛の言葉を聞いた女将は涙を浮かべながら礼をして部屋を後にした。

「・・・弥兵衛よ。私は何か気に障ることでも言ってしまったか?」

「いえ、あれだけ絶賛の言葉を戴けば誰でもあのようになります」

 目の前に座る少女の恐ろしい所は素直な感想を誰彼かまわず述べることだ。それは一種の才能であり、危うい才でもある。扱いを教えるのはいつの時代も大人の役割であり、適任と思われたからこそ弥兵衛が彼女を預かっている。

 床に就く準備を済ませた二人は屏風を間に挟みながら語らっていた。

「なぁ、弥兵衛よ。其方は父上の良き忠臣として今日もまた務めてくれた。だが此度のような件があるたびに辟易としたりせぬのか?」

 隣からの問いかけに弥兵衛は僅かばかりの間をおいてから答えた。

「確かに突然の呼び出しで今回も予定を早める必要がありました。ですが頼房様の多忙な日々と比べれば此度の件は然程の苦にもなりませぬ」

 弥兵衛のこの言葉を受けた総子は何か言いたげに何度か口を開きかけたがやがて諦め、というより呆れたような溜息を洩らし、

「私はもう寝る」

 そう言って数分と経たぬうちに眠りについた。総子が眠りについたのを確認した弥兵衛は枕元の行灯の火を消して自身も眠りにつくのであった。


 翌朝。朝食を取り終えた弥兵衛と総子の二人は予定通り幕府のある城下に入るため再び歩みを始めていた。

「本来であればこの辺りの様子も見ておきたかったが、今回は見送りか」

「申し訳ございませぬ。また近いうちに寄りましょう」

 諸国漫遊、とまでは行かずとも国の内情の一つ程度は把握したいと総子は常日頃から弥兵衛に話していた。家臣として主の願いを叶えてやりたいと決めていた弥兵衛にとっては心苦しく感じてしまう。

 だが弥兵衛が罪悪感で胸を痛めているのに対して総子は呆気からんとしていた。

(屋敷に居ては弥兵衛と近づく機会などそう多くない。おまけにあのば・・・じゃなくて霧江の目もある)

 総子の言う”霧江”というのは弥兵衛の屋敷で働いている女中だ。出身地不明、年齢不詳(見た目だけなら概ね三十代)、弥兵衛の屋敷に来るまでに一体どのような経歴を辿ってきたのか不明とその一切が謎に包まれた女中である。総子に勉学だけでなく護身術の手解きもできることから一部ではいい所のご息女だったのではないかという声も上がっているが誰一人として彼女のことを知っている者はいない。

 余談ではあるが弥兵衛と霧江の二人で体術(剣術は除く)の試合となれば十回中八回は霧江の勝ちとなるほどに霧江は強い。

(いつか必ず一泡吹かせてやる)

 総子が毎度胸に誓っても破られるのがオチなのは語るに及ばずではあろう。

 そして総子が物思いに耽っていると、目の前を歩く弥兵衛がおもむろに立ち止まる。

「総子様、着きましたよ」

「え、おぉ! 久しき我が故郷!!」

「おおげさな・・・」

 弥兵衛の言葉を聞き終えるよりも早く城下町の南門まで走って行ってしまう。

 常陸幕府初代将軍、徳川頼房のお膝元である常陸國。その入り口は東西南北にそれぞれ設けられた門を潜る必要がある。各門には東町、西町、南町、北町の奉行所から交代で役人が門番兼検問の為配属されている。

 将軍の任を受けている者であっても必ずここでは改められる。弥兵衛と総子も街を出る際に発行された許可状を見せることで検問を抜けることができた。

「まったく。出入りのたびに確認されていては腹の虫が暴れるというものだ。父上に進言してやりたいくらいだ」

「私の首が危ういのでお止めください」

 他愛のない会話をしながら数分程歩くと一軒の屋敷が見えてくる。”深作”と書かれた札が下げられているその屋敷の前では女中が掃き掃除に勤しんでいた。

「あら当主。お帰りなさい。小娘もよく帰ってきたわね。今夜はお隣さんから茄子をたくさん頂いたから楽しみにしてなさい」

「帰ってきて早々に人を震え上がらせるのはいかがなものかと私は思うのだが」

 総子は目の前に立つ女中、霧江から助けてほしいという視線を弥兵衛へと向ける。

 だがこの女中を手玉にとれる相手などこの近隣に住んでいない。


 屋敷へ上がった弥兵衛と総子は装いを新たにして、居間で霧江と向き合っていた。

「さて、御二人が留守の間に幾つか言伝と文をお預かりしております。特に弥兵衛さまには御上から明日の夕刻ではなく昼に登城せよ、とのお達しがございました」

「左様か。その件については承知した」

 登城となれば準備が必要になる。夕刻であれば多少は旅の疲れもとれるかと算段を組んでいた弥兵衛であったが、相手は多忙な身。面会の時刻の指定があればそれに合わせるのが筋というものだ。

 深作家の当主として弥兵衛にもやるべきことは多い。一言断り書斎に弥兵衛が引き込んだ後、居間に残された総子は背筋を冷たい汗が伝わっていく。

「それでは総子様にはまた修練を行っていただきましょう」

「・・・ふぁい」

 その後、総子が地獄を見ることになったのは言うまでもない。


 翌日。常陸城へと登城した弥兵衛は主君である徳川頼房が控える広間へと通された。

「お久しぶりでございます。頼房殿」

「久しいな、弥兵衛。総子は息災か?」

「ええ、昨日まで府中の物見へと同行いたしておりましたが、中々の健脚。拙者も精進せねばと思わされました」

 弥兵衛の言葉を聞いた頼房は高笑いをすると同じことを痛感していると述べた。

「大乱の時や幕府の立ち上げなどをやっているときは西へ東へ、と大忙しだったんだがな。今では部屋にこもっていることの方が多くなってしまった」

 国をまとめあげる責務を負っているのだ。彼のもとに上がってくる報告だけでも膨大な量なのだから外出など早々できるはずもない。ましてや将軍という地位を考えれば本人ではなく周りの人間が気を揉むに決まっていた。

「このような生活になることは考えていなかったな。少しばかり自分の浅慮を恥じたものだ」

「初めてのことであれば誰であろうと思慮が足りなくなるものでしょう」

「御主もそう考えるか?」

 頼房の声色には多少の賛同を求めているように弥兵衛は感じ取れてしまっていた。上に立つ者が周囲にもたらす影響は絶大だ。保身や出世のため本心では思っていないことをつらつらと述べてくる者。将軍という地位に怯え発言することを躊躇う者。そう言った者たちに対して今のような発言はまかり間違っても漏らすことなどできない。

 いつの世であれ変わらないものはある。上に立つ人間の悩みも変わることはない。ここで返事をすることは簡単だが聞き耳を立てている輩がいては困ると考え、話題を逸らすことにした。正確には本来の要件に入ったというべきだろう。

「・・・して、今度は一体どのようなご用件でしょうか? 火急の要件と聞いておりましたが・・・」

「左様だ。御主には依然話したかもしれぬが地方の役人から奇怪な現象が起きているという報告が上がってきているのは覚えているか?」

「はい、何度か視察がてら見に行ってまいりましたが信憑性に欠けるものばかりか、嘘八百の者ばかりでした」

「左様。お前に頼んで調査してもらっていたもの以外でも役人どもに調査させていたのだが・・・」

 そこで頼房の歯切れが途端に悪くなる。次の言葉が出てこなくなるのは悪い知らせと相場は決まっている。そうでなくても今回は弥兵衛を呼び戻しているのだから深刻さの度合いが並みの状況とは一線を画している。弥兵衛もそれを覚悟してこの場に参上している。そして頼房の口から出た言葉は、

「半月ほど前に旧江戸跡地近郊に向かわせた兵士五十名が一人を除いて殺されたそうだ。それも全員木に磔にされた状態で見つかったとのことだ」

 弥兵衛が呼び戻されるにふさわしい最悪の状況を知らせるものだった。


 頼房の部屋を後にした弥兵衛は先ほどの話に上がった生き残りの男、久保栄次郎のもとを訪ねていた。派遣された兵士の一人にして現場を目撃した唯一の生き残り。”あの男は見つかった時、酷い錯乱状態に陥っていた。話し方は支離滅裂であり、こちらの質問に対してまともな回答ができていなかった。今は自宅にて療養している”

 頼房から渡された文と地図を手に弥兵衛は門戸を叩く。しばらくすると中から現れたのは初老の女性だった。

(年齢からして母君か。この様子だと母君の負担はかなり大きいようだな)

 錯乱状態の人間の世話など正気の人間ではとてもではないが精神をすり減らすばかりだ。ましてや実の息子となれば世間体もある。自分自身で世話をと最初は意気込むがやがて心身ともに疲れ果ててしまう。

「あの・・・どなた様でしょうか?」

「これは失礼いたしました。拙者は深作弥兵衛と申すもの。殿より火急の命を受けて参上仕った次第です」

 弥兵衛の言葉に女性は大きく目を開いたとと思うと「どうぞ、こちらへ」とだけ声をかけ屋敷の中に案内していった。その際に弥兵衛は頼房から預かっていた文をそっと女性に手渡した。

 廊下を進みながら今回の用件が息子へ合わせてほしいということを伝える。しばらく進むと弥兵衛は庭先にある離れの近くまで通された。

「息子は離れの中に居ます。お話はお聞きしていると思いますが錯乱状態がずっと続いておりまして私ではどうすることもできず。先日も夫が対処に当たりましたがその際に傷を負わされております」

「左様ですか」

 戦国の世が空けてまだ日は浅い。その中で武士として生き残っていた男にて傷を負わせるのだからよほどの暴れっぷりなのだろうと予想した弥兵衛は息を整えて離れへと向かう。

 離れの部屋の前に立った弥兵衛はわずかに思案した後、中の気配を探り始めた。

(こちらを窺っているのか?)

 親と言えども手疵を負わせている。それはつまり視界に映るもの全てを敵とみなしているということとともいえる。

(ならば、先手必勝!!)

 勢いよく戸を開けた弥兵衛は部屋の真ん中まで勢いよく駆け込む。

 部屋の真ん中で唸り声をあげていた男は突然のことに目を開くがすぐさま弥兵衛と掴みかかる。

 だが相手が悪かった。弥兵衛は掴みかかってきた相手の腕を取るとそのまま勢いを活かして鳩尾へと肘鉄を減り込ませ壁に体を押さえ付けると、両手と首を極める。

 そしてしばらく男は凄まじい力で抜け出そうと足掻くが弥兵衛の膂力の方が勝りそのまま呼吸がままならず気を失うのであった。

「このような状態になるなど一体何があったというのだ・・・」

 ひとまず男を抑え込むため部屋へと勢い込んで駆け込んだこともあった弥兵衛は部屋の惨状に目を見開いた。

「酷いな・・・」

 障子や壁には無数の穴や疵が窺える。家具もほとんどが壊されておりいたるところに血の跡が見て取れる。よく見れば男の体中はあちこちが傷だらけだった。特に指先は爪は割れて肉すら割けていた。

「ひとまず応急処置が必要だな」

 弥兵衛は男を担ぐと、母屋にいる母君の手助けを借りて男の処置と部屋の片づけに勤しむのであった。


 久保栄次郎が目を覚ましたのは弥兵衛が部屋に強襲をかけてから二日後の朝だった。

(なんだ、今日は嫌に体が重いな)

 無理もない話である。仲間が殺されて錯乱状態に陥ってから半月近く浅い睡眠しかとれておらず食事もほとんど真面にとれていなかったのだ。むしろ二日で目を覚ましたことの方が奇跡的ともいえる。

「栄次郎さん。起きましたか?」

「母上。ここは・・・そうか。私はずっと・・・」

 栄次郎は目の前で涙をこらえる母親に対して罪悪感で胸が押しつぶされそうだった。

 半月近くも両親に迷惑をかけ続けたのだ。ましてや献身的に毎日世話をしてくれようとした相手に対してあれだけの暴力を振るい続け、父親に対しては下手をすれば殺していたかもしれなかったのだ。

「栄次郎さん。お客様よ」

「客?」

 そう言って母親が目線を向けた先には自分よりも幾ばくか若い男が正座していた。

「この御方がお前さんを助けて下さったのよ。お礼をして」

「・・・誠に忝い。ご武人殿。えっと・・・・」

「弥兵衛だ。深作弥兵衛」

「深作・・・弥兵衛?」

 その名前は聞き覚えがある。大乱の英雄の唯一の弟子にして将軍、徳川頼房の懐刀。時折城に出入りしている際に何度かすれ違ったことがあることを栄次郎は覚えていた。

「かの深作殿に助けていただけるとは光栄の極み。して、今回は何故私を助けたのですか?」

「久保殿には少々酷な話と存じまするが、半月前旧江戸跡地近郊に向かわれた際の唯一の生き残りとしてその際の事情を聴きたいのと、殿から文を預かっております」

「・・・」

 半月前の惨状。幾ら自分が錯乱状態だったとはいえもう一度話さなければいけないなど栄次郎からすれば胃の中の物を吐瀉したくてなる気分だった。

 だが武士としての矜持がそれを許さない。この二つのせめぎあいで半月前は錯乱状態に陥ったのだ。軽い過呼吸を起こしかけたところで、

「別に無理にとは言わぬ。場所だけ教えていただければ後は拙者一人で向かう所存ゆえ」

「え・・」

 思わぬ一言に栄次郎は間の抜けた声を出していた。洗いざらい話さなければいけないのかと自己防衛に走ろうとしていた矢先の思わぬ一言。それは栄次郎からすれば救いの言葉にとれた。

「今の久保殿に必要なのは休養だ。身体は薬を使えば治るが心はそうもいかぬ。時間を掛けるしか治す方法はない」

 その言葉で栄次郎の心は多少なりとも救われた。だが同時にささくれ立っていた心が落ち着くにつれて目の前の男が放った言葉の冷たさにも気付き始めた。

(そうか・・・私が錯乱することも視野に入れてこの方は話を進めているのか。見た目通り策士だな)

 突き放すことで自分を守っている。確かに二度ほど助けはしたがそのどちらも弥兵衛は自分自身を守るための延長でしか手を差し伸べていない。一度は自分が傷つけられる前に意識を落とすことで自分自身を守っている。そして今回は今また錯乱するくらいならばそうならない一歩手前の情報だけを獲得してすぐにでもこの屋敷から去ろうと考えたゆえの結果だ。分かってしまえばなんてことない。だが同時に武士として育った自分自身を否定されたことに僅かばかりであっても腹が立ち始めていた。

「場所は私が案内いたしましょう」

「良いのか? しばらくまともな飯も食べられていなかったと聞いているが?」

 弥兵衛の言うことは尤もだった。半月近く真面に飯を食べていなかったのだ。常陸國と江戸ある程度近場とはいっても道中は馬を使ったとしても野山を駆けるのだ。病み上がりには堪える道中なのは間違いなかった。ましてや目的地はあの旧江戸跡地である。そうなれば弥兵衛と言えどもこの男にかまってやれるだけの余裕はないだろう。総子が付いてくるのが目に見えている故に。

 栄次郎の覚悟は堅く弥兵衛はこれ以上何を言っても無駄と判断すると、

「相分かった。ならば二日後にこちらまで迎えに参上する。長旅だ。しっかりと準備をして待つことだ」

「え、ええ。承知した」

 弥兵衛の言葉に気圧されながらも承諾の言葉を返す栄次郎。母親の方に頭を下げると弥兵衛は部屋を後にした。母親は見送りの為一度部屋を辞する。

 残された栄次郎は自分自身の中に残っていた武士としての矜持が僅かでも残っていたことに涙を流すのであった。

 一方、屋敷の前まで来た弥兵衛は見送りに来た母親に一礼して後にするところだった。

「本当に何とお礼を申せばよいか・・・・」

「構いませぬ。こちらこそご子息に少々手厳しく当たり過ぎていた故、母君としては辛かったでしょう」

 実は栄次郎が目覚める前に母君には一度耳打ちしていた。下手をすれば栄次郎の武士としての矜持を大きく傷つけ二度と再起できない可能性があるかもしれない、と母君はそう聞かされていた。

 しかし我が子を想う母は強かった。傷ついたときは傷ついたときだ。まだ分からないうちからどうするかなどと考えているくらいならば僅かでも可能性がある方に賭けたいと彼女は覚悟をみせた。その覚悟に免じて弥兵衛は自分が嫌われ役になることを買って出たのだった。

「結局あの子のことを心のどこかで弱い子だと思っていた私自身の甘さが招いたことです。貴方がああして厳しくしてくれたからこそあの子はまた立ち上がることができたのです。本当に、ありがとうございました」

 深々とお辞儀をされ虫の居所がどうにも悪く感じた弥兵衛は「また明後日。昼頃迎えに上がります」とだけ告げて帰路に着いた。角を曲がるまで栄次郎の母君は弥兵衛へお辞儀をし続けていた。


 夜。深作家の屋敷へと戻ってきた弥兵衛は夕餉時に昼間の話を総子と霧果に話していた。

「・・・難儀なものだな。仲間を殺されて本来であれば心を完全に閉ざしてしまってもおかしくなかっただろうに・・・」

弥兵衛からの話を聞いた総子はそう切り出した。

「確かにその可能性はございました。最悪私の言葉で止めを刺してしまう可能性も十二分にありました。それでもあの男にはここで無くすには少々惜しい人材です」

 弥兵衛の言葉に霧果は思わずため息を漏らしてしまいそうになるのを寸での所で止める。戦場育ちゆえに効率主義なのは彼の美徳であり同時に欠点でもあった。使える使えないが先行してしまう考え方は時として敵を作ることがある。それでも彼は自身が嫌われることも分かったうえで発言していた。

「二日後に出発と言っておったな? 私も行くぞ」

「総子様。また抜け出すのですか?」

 霧果の言葉に思わず総子は怯むが表情を真剣な面持ちに変えると霧果に啖呵を切る。

「私は一国を預かる主の娘だ。そしてこの男は私の家臣である。その家臣が危険な任務に赴こうとしているのだ。主としてここは共に行ってやりたいと思うのは当然のことだろう」

「そう言って本当は教養の方をおさぼりになりたいだけでしょうに」

「・・・」

 霧果の言葉に何も言えなくなる総子。元々総子は然程教養が好きではない。

 だがそこは総子の重臣である弥兵衛は彼女がどのような理由で発言したとしても咎めることはせず、

「霧果殿。申し訳ないが総子様の旅支度を頼みたい」

「お連れになるおつもりですか?」

「左様だ。教養に専念できぬのであればいっそ旅に連れて行った方が良いでしょう」

「殿には一体どのようにお伝えになるおつもりですか? 答え如何によっては弥兵衛さまでもただでは済まされませんよ」

「総子様の件については拙者に一任されている。報告についても当てはある」

 その言葉を聞いた霧果は暫し感が込んだ後、呆れのこもった溜息と共に「お好きになさってください」とだけ答えた。霧果の許可を得たことで総子は先ほどまでの落ち込んだ顔もどこへやら花開くような笑顔で弥兵衛の方へと顔を向ける。

 だが霧果も何もしないわけではなく二、三冊ほど書物を持たせるのであった。しかもそれが総子の苦手とする計算の書物ともなればその後の顛末は語るに及ばずであろう。


 食事を終わらせた弥兵衛は自室にこもり自身の刀の手入れを行っていた。

 剥き出しの抜身は部屋を照らす蝋燭の光に灯されて美しく輝いていた。波紋は一切なく鎺がつけられていると思われる部分には梅を模した花弁の彫り物が施されている。柄の部分には「白梅正嗣」という銘が彫られていた。綿玉を用いて刀身の表面のごみや疵を取り除いていく。が、その刀身はいくら見ようとも傷一つ見受けられない。それもそのはず。弥兵衛の持つこの「白梅正嗣」という刀は信濃に住む刀匠が拵えた至高の一本。本来は戦国の世を静めるため弥兵衛の師匠がその刀匠から与えらえれた刀であったが師匠が死んだあと、弥兵衛が所有するに至ったのである。

 手入れを終えた弥兵衛は旅支度を始めた。元々師匠の下で修業をしていた時には数年間旅をしていたこともあり弥兵衛自身も長旅になれていた。今回は自分以外にも二人ほどついていくため気遣う部分が多くなっている。そこに加えて今回は総子だけではなくもう一名、恐らく長旅をしたことがない者を連れて行くのだ。霧果にあのような啖呵を切った弥兵衛ではあったが不安要素を完全に払拭できずにいた。

(少なくとも江戸までの道のりであれば二、三日程度でつくとは思うが、半月近く引きこもっていたのだ。五日程度は見ていた方が良かろう。馬は・・・借りれぬだろうな。ましてや十日ともなれば高くつく)

 幾ら弥兵衛が将軍徳川頼房の懐刀と言えども自由にできる資金にも限りはある。進言すれば頼房からいくらか出てくるだろうが、弥兵衛は無心すること自体に気が引けていた。現状の幕府の財政状態を間近で見てきたこともありとても自分のわがままで資金の提供をお願いできないのを理解していた。

(拙者は徒歩として総子様と栄次郎殿には馬を頼むとするか)

 自身が飼っている馬には長旅を強いることになるがそれでもこの状況下では贅沢を言っている場合ではなかった。

 旅支度を終えた弥兵衛は床に就く前に江戸までの道のりを確認していた。

(府中を経由して小金まで出るか。江戸に一番近い宿場町となればあそこしかない)

 旧江戸跡地の近隣にはもはや宿場町と呼べる場所は数えるほどしかなくなっていた。小金もいつ廃村と化すか分からないが今もまだ機能していたことを思い出した弥兵衛は行く先を定めると長旅に備えて眠りにつくのであった。


 二日後。総子を引きつれた弥兵衛は栄次郎を引き連れて常陸國を出立していた。馬には栄次郎と総子を乗せ、自身は徒歩で先を進む。

「申し訳ございませぬ。私めに馬をあてがっていただくなんて・・・・」

「気にするな。総子様にはまだ馬を操る術がない故な。それに御主、かなり馬の扱いが上手いようにも思えるぞ? 拙者の愛馬が嫌がっておらぬ」

 この言葉は嘘偽りない。実際に引き合わせて栄次郎が毛並みを撫でただけで主人より懐いている節がある。弥兵衛が馬術が得意でないこともあったが、それを差し引いてもやはり栄次郎の馬の扱いは巧みなものだった。

「ええ、本来であれば武術や学問の方を期待されていたでしょうが馬の方が得意だったみたいで・・・」

「御父上はあまり喜ばしく思わなかったのか?」

 総子の問いに栄次郎は苦い笑みを浮かべながら「そうですね」と答えた。あの家の惨状を見てきた弥兵衛はその言葉で合点がいった。

 職務があるとはいえあの状態の息子をただ離れに閉じ込めておくなど親の所業ではない。頑固にも程がある。ある意味で自身が正しいと疑っていない人物なのだろう。

「それでも私にとっては尊敬できる人ですよ。努力している姿を誰にも見せようとしませんでしたから。夜中に厠に起きた時に庭で剣を振るう父に憧れを抱いたのも事実です」

 男というのはいつの世も父親の背中を追いかけるものだ。人間性で優れていなくともそれ以外で優れている者もいる。逆もまた然り。人間は大なり小なり欠陥を抱えている。否定する考えを持ってしまうのも致し方ないが少しばかり父上への評価を変える必要があるようだ。

「弥兵衛殿の御父上はどのような方だったのでしょうか?」

「・・・拙者は物心ついたころには両親と死別していてな。昔の記憶もあいまいでよくわからぬ」

「あ、申し訳ございませぬ。配慮がいかず」

「構わぬ。だが、そうだな。親代わりの方ならいたな」

「どのような方だったのですか? やはり弥兵衛殿を育てたとなれば相当なご武人でございましょう?」

「ああ、今でも敵うかどうかわからないな・・・」

 弥兵衛の言葉にはどこか重みが感じられていた。先日の記憶は幾分か朧気ではあるものの弥兵衛をもってしてもそう言わしめる相手に栄次郎はやや恐怖を覚えた。

 身のこなしと纏っている気配といい山賊やごろつきでは相手にならないようなそんな空気を感じていた。

「厳しくあり、寡黙であったが、何よりも自由なお人であった」

「自由なお人。それは一体どういうことでしょうか?」

「幕府や様々な武人から逃げ回っておった故にな」

 弟子にしてくれと志願してくる者たちが非常に多く、あちこちの村に滞在して結局府中へと戻り弥兵衛に修行をつけた。

「日本全国とはいかないがそれなりに歩いたからな。様々な景色や人を見てきた」

「羨ましいと思ってしまいますね。拙者は生まれてから常陸國を出たことがございませぬ故」

「拙者とて他国を回ったとはいえ幼き頃の時分だ。記憶も朧気だ」

 その後も様々な話に花を咲かせながら一行は旧江戸を目指すのであった。


 弥兵衛の予想とは裏腹に栄次郎の頑張りによって一行はおよそ二日ほどかけて現在の松戸、小金にある宿場街にやってきていた。

「思ったよりも早く着きましたな」

「其方が頑張ってくれたからな」

「妾も頑張ったぞ」

「そうですな。総子様もよくぞ長時間移動に根を上げずにいてくださいました」

 子供をあやしているようだが実際かなりの時間を移動に費やしていた。弥兵衛もほぼ歩き通しの為明らかに二人よりも疲労の色が見えているだろうに決して弱音を吐くことはなかった。栄次郎と総子もそんな弥兵衛の手前、弱音を吐くのは申し訳ないと感じたのか終始音を上げることなくこの小金までやってきたのだった。

「明日は江戸に向かうのでしょうか?」

「いや、流石に歩き通しの上に何の情報もないまま江戸に入ってはこちらの方が危うい。聞き込みと周辺の探索を行うだけにしよう」

 旧江戸の情報は数年前に幕府によって危険指定区域として認定される以前のものしかない。弥兵衛も総子を預けられるまでは何度か江戸近くを通ってはいたがそれでも中に入ったことはないため状況が分からず仕舞いであった。

「旧江戸に、件の事件を起こそうとしている者がいるのか? あそこは人が住める環境ではないぞ?」

 総子の言葉は尤もなものだった。旧江戸は人が住めなくなっており、特に最悪なのが地面から有毒性のガスが漏れ出していることだった。このことが人々から呪われた土地として恐れられている理由でもある。

「確かに人が住める環境ではありません。まして今回も探索が主な目的ですが、何の対策もないまま行くのは命を捨てに行くのと同じです。ですが、ちゃんと当てはございます」

「当てとは一体?」

「明日になればわかる」

 栄次郎の問いに対して弥兵衛はそうはぐらかすと酒を一口煽る。総子は長年の付き合いからこのようにはぐらかす時は弥兵衛が周囲を警戒しているか、単に遊んでいるかということを知っていたため余計な詮索はしないで自身の料理に箸をつけるのであった。

 その後しばらくしてからまた談笑は進み夜は明けていくのだった。


 弥兵衛たちが旧江戸信仰を目前にして小金にて休息をとっているとき常陸幕府にて頼房は報告書を広げ、難しい顔をしていた。

(旧江戸。話には聞いていたが復興の目処は立てられそうにないな)

 激化した先の戦の際に若輩者たちが功績を上げるためと称して大規模な爆破を行ったことが原因で地下に溜まっていた瘴気が溢れだしたことで人が住める環境ではなくなってしまったのだ。現在でも一刻以上滞在すれば体に何らかの障害と後遺症が出ることから災害指定地域として認定されている。

 そして問題はその災害指定地域に今回、役人たちを殺した人間が潜んでいる可能性があるというものだった。家臣たちからはそのようなことはあり得ないという声が大多数であったが、僅かでも人が住まうに適する空間があれば可能だというのが頼房の考えだった。

(私の懸念であれば話は済むが、この胸騒ぎは当たってほしくないときのそれだ)

 人間、当たりたくないときほど予感というものは当たってしまう。今回は弥兵衛を向かわせているが可能であれば彼を向かわせたいとは思っていなかった。

「弥兵衛よ、気をつけろ」

 頼房はただ彼らの無事を祈ることしかできなかった。


 翌日、朝食を取り終えた弥兵衛たちは”旧江戸”に足を踏み込んでいた。

「これはひどい」

「・・・ふたりとも口元は絶対に緩めるなよ」

 弥兵衛の言葉に総子と栄次郎はことさら外套を握る力を強めた。

 昨晩女将に頼み麻の外套にある植物の煮汁を染み込ませてもらっていた。過去にも足を踏み入れたことのある弥兵衛はその時にたまたま旅商人が言っていた言葉を思い出しそれに倣ったという形だ。

「商人の方もここを通るのでしょうか?」

「いや、毎回ではないと言っていたな。荷物の関係で急ぎの場合だけ通るそうだが、幾分このような土地だ。そう毎度使える道でもないだろう」

 先頭を歩く弥兵衛は歩きづらさに顔をしかめていた。二人は一応同じような処理をした馬にまたがり歩いているが、操っている栄次郎は普段よりもさらに神経を使っていた。周囲に気を配りながら歩く弥兵衛はおもむろにその場に立ち止まる。

「どうされました?」

「静かにしろ」

 そっと刀を引き抜いた弥兵衛は遠くに立っている男に殺気を放つ。すると男は複数の小刀を栄次郎目掛けて飛ばしてきた。

「!!」

「安心せい」

 思わず目をつぶる栄次郎であったが総子の言葉に目を開けると小刀は地面に落とされていた。

「一体何が・・・」

「弥兵衛が全て叩き落とした」

「弥兵衛殿・・・」

 今の速度はとてもではないが叩き落とせるものではない。そう続けようとしたが、栄次郎は目の前に立つ弥兵衛の姿を見て言葉が出なくなっていた。

「弥兵衛、あのものを殺せるか?」

「ええ。息の根を止めてみせましょう」

 先程まで僅かに焼けていた褐色の肌は死体のように白く、また髪の毛も銀糸のような白さを放っていた。

「一体何が・・・」

「弥兵衛の刀は普通の刀ではない。妖刀と呼ばれる類のものだ。あの刀を抜いている間は弥兵衛は人ではない」

「妖魔だ」と答えた総子に栄次郎の頭は理解できずにいた。突然、人間離れした技を出したかと思えば今度は妖魔と言われてしまえばそうなるのもうなずける話だ。

 だが戦場において判断の遅さは命を落とすことに直結する。弥兵衛は思考を完全に戦闘のそれに切り替えると遠くに立つ男へと一瞥をくれる。

 遠くにいる男は袖から何やら札のようなものを取り出すと、

「外法”悪鬼召喚”」

 その言葉と共に成人男性の二倍の背丈を持つような巨大な鬼が出現する。見ただけでもその肉体は頑強であることが窺えた。

「来い、外道法師」

 その言葉と共に法師は更に札をいくつもとりだすと、召喚した鬼と共に弥兵衛へと突っ込んでくるのであった。



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