二度寝
ある日の夕方、中華料理店の前を通ったら美味しそうな匂いがして、今度この店で絶対に麻婆豆腐を食べようと思い、スケジュールと勘案した結果、来店実行をすると決めていたその朝のこと。
向こうからやってきた自転車に乗っているおじいさんがヨロヨロと運転していて、倒れたら危ないよな、なんて思いながら目を覚ました。
眠気眼の俺の頬を遊んでくれと言わんばかりにペロペロと舐めて、まだ寝たい俺を無理やり起こしてくる、ブチというダルメシアンの見たまんまの名前の可愛いペットを飼いたい。
日曜日なのでお出かけをしたいけれど、どこも混んでいるだろうからと、お出かけ諦め、家でゴロゴロと過ごしたのは一昨日のだった。
今日は火曜日だから朝から晩まで働かなくちゃいけないという社会の歯車にすらなれていない俺は無職である。
やることもないし、テキトーにチャンネルを変えて気になる番組でもあったらいいけれど、なかなかこれといって気を引かなくなってしまった昨今のテレビ業界を憂いつつも、結局いつの間にか見てしまう、奮発して買った液晶テレビは修理に出している。
日課として朝にベランダに並べたプランターに水をあげながら「今日も元気だね」なんてにっこりとお花とおしゃべりができるくらいの品格を持ち合わせたい。
そんな無い物ねだりばかりではなく、しっかりと自分を持って、やりたいことを見つけて、それに向かって努力して突き進むくらいの気概を身につけたいと思うことなく、再び目を閉じた。