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第八章 第四話 美少女コンテスト

 〜エリザベート視点〜




 美少女コンテスト当日、私ことエリザベートは、出場者の控室にあるイスに座りながら、背筋を伸ばしておりました。


 ああ、とうとうこの日が来てしまいましたわ。とても緊張してしまいます。


 心臓の鼓動が高鳴っているのを感じます。ですが、なるべく緊張をしないようにしないと、まともに話すことも動くこともできません。


 落ち着きなさい、わたし。


 落ち着くように自身に言い聞かせていると、扉がノックされる音が聞こえてきました。


「エリ、ワタクシですわ。シロウさんたちもおります」


「はい、どうぞ」


 部屋の中に入るように促しますと、マリーお姉様やシロウさんたちが控室内に入ってきました。


「とうとうこの日が来ましたわね」


「頑張ってね! 私、応援しているから」


「シロウとの特訓で、ある程度は恥ずかしさを克服しているかと思うから、あとは自分を信じて行動するのみだ。頑張りたまえ」


 マリーお姉様、クロエさん、カーミラさんがわたしを激励してくれます。


「そのう、なんだ? 俺はエリザベートが優勝すると思っている。だから、リラックスして挑めば大丈夫だからな」


 最後にシロウさんがアドバイスをしてくれます。彼の言葉は、お姉様たちの言葉よりもわたしの心の中に刻まれ、勇気づけられました。


 シロウさんのためにも、頑張らなければなりませんわ。


「それじゃあ、俺たちは観客席のほうで見守っているから」


 シロウさんたちは部屋から出ていきます。ですが、なぜかカーミラさんだけは部屋に残りました。わたしに何か用でもあるのでしょうか?


「カーミラさん? わたしに何か用でもあるのですか?」


「ああ、もう一つアドバイスをすることがあったのを思い出してね」


 そう言うと、彼女はわたしの耳元に顔を近づけ、助言します。彼女の言葉を聞いた瞬間、わたしは顔に熱を感じました。おそらく赤くなっているでしょう。


「それじゃあ頑張ってね」


 わたしに手を振ると、カーミラさんは部屋から出て行きます。


 本当に彼女が言ったことをしなければならないのでしょうか? とにかくそろそろ時間です。わたしも会場のほうに移動をしないと。


 控室を出ると、わたしは会場に向かいました。


「それではこれより第四十五回、美少女コンテストを開催します」


「わー!」


 司会の人がコンテストを始めることを告げると、観客たちが一斉に湧きました。みなさん喜んでいるようです。


 多くの殿方の視線を感じますが、全然恥ずかしくはありません。これもシロウさんとの夜間練習のお陰ですわね。


 えーと、シロウさんたちはどこにいるのでしょうか?


 顔を左右に向け、皆さんを探します。すると、真ん中の一番奥に皆さんを見つけました。どうやら予定よりも到着が遅くなったお父様と合流していたようです。


 お父様がこちらに顔を向けると目が合いました。お父様は笑顔で手を振ります。


 正直恥ずかしいですわ。


「それでは、水着審査を行います。皆さん、事前に着てもらっているローブを脱いでください」


 司会の人がローブを脱ぐように言い、私は上に着ているものを脱ぐと、水着姿になりました。その途端、更に殿方は歓喜の声を上げます。


 今回の水着は際どいものではなく、普通のもの。なので練習のときみたいに恥ずかしいと思うことは全然ありませんでした。


 わたしは練習の成果を見せるべく、シロウさんから教わったポージングをします。


 シロウさんたちの方をみると、お父様は複雑な顔をしておりました。ですが、そんな些細なことは気にしません。


 一次予選である水着審査が終わると、二次審査に進んだ出場者の名が呼ばれました。当然わたしの名前が呼ばれ、二次審査に進みます。


「では、残ったメンバーで二次審査を始めます」


 司会が二次審査を始めることを告げると、わたしの前に肉棒が用意されました。これはウッシーナーと呼ばれる食べ物で、ウッシーの腸に加工された肉を詰め込んだものです。子どもから大人まで人気の食べ物ですが、今からこれでいったい何をするつもりなのでしょうか?


「それでは、今からこのウッシーナーを美味しそうに食べてください」


 急に食事が始まり、出場者は困惑しながらも、食べ始めました。


 とにかく食べないわけにはいきません。私はウッシーナーを口元に持っていこうとした瞬間、カーミラさんの言葉が脳裏を過ぎりました。わたしは彼女に視線を向けると、カーミラさんはウインクをします。


 彼女のアイコンタクトは、アドバイスを実行しろと物語っておりました。


 わかりました。優勝のためであれば、わたしは頑張ります。


「あーん」


 わたしはウッシーナを頬張りました。ですが、そのまま噛み砕くことなく出し入れを繰り返し、舌を使って舐めまわしました。そしてチュパチュパと音を立てます。


 その瞬間、なぜか観客席にいる殿方たちは頬を赤らめ、股間を押さえております。


 シロウさんも同じようなことをしているのでしょうか?


 そう思ったわたしは、彼の方に視線を向けます。すると、お父様が鬼の形相でシロウさんに詰め寄り、何かを言っております。


 いったい何を言っているのでしょうか? 観客たちの歓声で、どのような話をしているのか聞こえてきません。


 とても気になりますが、今はこちらに集中をしなければなりませんわ。


 わたしはひたすらウッシーナーを舐めることにしました。


「終了! これより決勝戦を行う二名が発表されます。まぁ、おそらく一目瞭然かと思いますが」


 二次審査が終わり、わたしは結果を見守ります。


 しばらくして結果が出ると、わたしの名前が呼ばれました。そしてもう一人は、あの子爵のバカ息子の婚約者である女性です。


 あの男が言うだけあって、やっぱり決勝戦に来ましたわね。次の戦いで決着をつけましょう。


「あなたは以前、あの人の屋敷の前にいた娘よね。私はエマ、お互いに全力を出し合いましょう」


 女性はわたしに手を差し伸ばし、握手を求めます。


 その手を握ると、彼女は笑顔を向けてくれました。


 ああ、なんていい人なのでしょう。あの男にはもったいないぐらいのお人です。


「それでは、これより決勝戦を始めます。決勝の内容は告白! 誰かに想いを伝えてください」


 司会の人が、決勝戦の内容を告げます。


 最初は、エマからでした。彼女はあの子爵のバカ息子に感謝の気持ちを伝えます。


 ですが、あまり感情がこもっておらず、淡々した口調で言葉を連ねました。


「ありがとうございました。では、続いてエリザベートさん、よろしくお願いします」


 遂にわたしの番になりました。もちろん、告白の相手はあの方です。


 最後まで読んでいただきありがとうございます。


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 あれ? 前の話しはどこまで読んだっけ?


 という経験がよくあると言う人は、押しておいて損はしないかと思います。


 何卒よろしくお願いします。


 物語の続きは明日投稿予定です。

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