リトライユーレリア第12話『超越へと至る道』マスターシーン
『最悪の再会』
俺は人形で一人遊びをしているかつての仲間を、ぼんやりと見続けている。
『確かに俺は魔眼を使って強制的に蘇らせる事が出来る、だがよ、それは精神に多大なショックを与えるんだ。お仲間さんが壊れちまっても知らねえぜ?俺は心までは蘇らせる事は出来ねえんだからよ。それでも良いんだな?』憎らしい蛇の言葉が甦る
確かに俺はそれでも良いと答えたはずだ、決心は…出来ていたはずだ。アイツなら帰って来た後に俺に軽い悪態を付いて、一緒にこの状況に頭を抱えてくれる。そう、勝手に思い込んでいた。
「お父さん、頼まれていた薬の調合が終わったよ。」そう言ってエリアィンは雑草を水に入れただけの物を渡してくる。こいつは俺を自分の父親だと思っているらしい。父親はコイツをよく褒めて頭を撫でていたらしく、何かを期待するような眼差しで俺を見続けている。
やめろ、俺をそんな目で見ないでくれ。
「俺が…悪いんだ。俺は最後までお前の事を解ってやれなかった。」
「全く、情けない話だよな。ずっと前から俺が惚れ込んでいたのはカーラじゃなかったっていうのに。」
そして俺はもしもの時の為に持って来ていたエリアィンの両親の遺品を握りしめ、嗚咽を漏らすように詠唱した。
「操、第九階位の魂。召喚、霊魂、精神──降霊」
今の俺が償いとして彼女にしてやれる事と言ったら、これくらいしかないだろう。許してくれとは言わない、寧ろ叶うならば憎んでくれとも思う。
「俺は守れなかった、一番大切な──」
最後まで言い終える前に俺の意識は途絶えてしまった。