#83 猫又の発情期
タイトルの通り、エロ回です。
かなり抑えて描きましたが苦手な人はご遠慮下さい。
森林火災が完全に落ち着いた僕達は持っていたのは、燃やされて縄張りを失ったモンスター達の保護とこれから冬を迎えるに辺り、問題となる食料不足だった。
「やられた……ここまで狙ってきていたなんて」
「でも、燃えたのは魔王方面の森ですよね? これに困るには魔王の方だと思うんですけど」
「普通ならそうだね。でも、相手は国なんだ。食料ぐらい他国から買えば済む話だよ。そして僕達にはこの手段は中々取れない」
賢吾とフーリエさんに食料の買い出しを頼む事は出来るけど、二人が運べる量には限度がある。
「しかもモンスター達は人間と違って良く食べるしな」
「そうなんですよね……ミイネ達にも料理を手伝って貰ってますけど、いつも大変で」
「……美味しいんだから仕方ない」
「だな」
そこは開き直らないで欲しい所だ。
「今回のモンスターはあの人たちに挙げて良かったんですか?」
「うん。ほとんど倒したのはオウバ達だからね。これが筋だよ。それに僕達よりも沢山のモンスター達を受けれてくれることになっている。食料が心配なのは何処も同じだよ。ビルド、野菜の方はどう?」
「草が生い茂って来てるだ」
「あたしが変化で守った成果っすよ」
冬野菜を育てていて良かった。そして畑の存在をバレないように変化スキルで緑が生い茂っている木に化けて敵から見つからないようにしてくれたのがポコリンだ。相手の狙いが冬場を迎えるにあたっての食糧不足でもあるなら畑の存在を悪魔が看過するはずはない。どんな結果になっていたかは分からないけど、念のためにポコリンに頼んでいた事は無駄ではないと思うことにした。
「これからどうするつもりなのかなー?」
「そろそろエルスの準備が整うから冬場になる前に一度潜入しようと思う」
「いよいよ初めての奴隷解放作戦だねー」
「うん。これが成功するかどうかで奴隷解放の動きが大きく変化する。もしバレでもしたら、僕達の作戦はバレて、奴隷解放の手段を持つ僕達を奴隷で生計を立てている魔王が放置出来るはずがない。きっと前線力で潰しに来るはずだ。そうなると僕達は救う亜人を選ばないと行けなくなる。それもごく少数の亜人しか助ける事は出来ないと思う」
悪魔の監視はより厳しくなるだろうし、奴隷解放に命の危険がかなり高まるだろう。そんなことにならないために大事な作戦となる。
「それでアニキは誰を入れて行く気なんだ?」
「ここにいるのだとポコリンと一緒に行こうと思う」
「何故あたし!?」
「ポコリンの変化スキルは潜入に向いているからだよ。今までポコリンの変化を色々教えて来たから行けると判断した」
「まさかの潜入の訓練だったんっすか!?」
勿論それだけじゃなく防衛の訓練でもあったんだけど、しっかり潜入の準備をしていたのは事実だ。子供だからどうかと思ったけど、適任者がいなかったんだよね。チョコネやミイネは人に化けるのは上手いけど、ポコリンみたいに色々な動物や物に変化することは出来なかったのだ。
そしてチョコネ達に僕が留守の間は僕に変化することをお願いする。それにみんなが反応した。
「それって、カナタにチョコネちゃん達と同じ耳と尻尾が生えるってことですか?」
「そんな失敗はしません」
「でも、ちょっと見てみたいかも」
「「「「……確かに」」」」
サクニャちゃんの呟きを聞いて、どんな想像をしたやらだ。そして色々な議論が発生する。これでは会議どころじゃない。それから変化の為に身体を見せて欲しいとか言われて、みんなから色々な評価を受ける恥辱を味わうことになった。
それから数日後の夜にある事件は起きた。
「今日も疲れた~」
その日もいつものように布団に倒れ込んだのだが、布団の誰かが潜り込んでいた。こんなことをするのはハクアしかいない。
「危ないでしょ。ハク……ア?」
布団を捲ると以前に賢吾が悪ふざけで買ったネグリジェを着たサクニャちゃんがいた。しかも荒い息をしていた。明らかに普通の状態では無かった。
「大丈夫!? サクニャちゃん!?」
「はぁ……はぁ……もうダメ……」
「ちょっと待って。今見るから……へ?」
僕がおでこで熱を測ろうとするとサクニャちゃんに手を引かれてバランスを崩すと僕はサクニャちゃんに倒れて込んでしまう。
「ご、ごめ!?」
慌てて起き上がろうするとサクニャちゃん達が首に手を回して来た。
「ふふ……逃げちゃダメですよ。さぁ、私の身体を無茶苦茶にしてください」
なんだ!?これは!?誓って言うが本来のサクニャちゃんはこんなことは絶対に言わない。寧ろそういう事は苦手のイメージだ。
「女の子がそんなことを言ったら、ダメ」
僕がそう言うと後ろから誰かが抱き着いて来た。
「お姉ちゃんばっかりズルい……私もカナタさんとの子供が欲しいです」
「チョコネちゃんも!?」
ヤバい。前と後ろを抑えられて逃げ場がない。
『どうなっているの!? 黎明』
『どうやら今夜は猫又の発情期のようですね』
『は、発情期?』
『はい。猫又には生存本能として発情期が存在しております。子作りが出来ない子供をその時期だけ成長させ、猫又の本能が寝覚めるらしいです。二人の状況から見ると先日主の身体を見てから発情期を迎えたことで主をオスとして狙っている状態だと思います』
凄く親切に説明してくれた。しかし肝心の対処法が無い。
『猫又の発情期は真っ赤な満月の日ですから、今夜を耐え抜けば元通りに戻ると思います』
『ありがとう』
こうなったらマロネちゃんの時の様に愛撫で耐えるしかない!
翌朝、二人が目を覚ます。
「「きゃあああああ!?」」
悲鳴と同時にひっかかれる。引っかかれた僕は言う。
「良かった……元に戻ったんだ」
「「へ? 何かありました?」」
どうやら昨夜の記憶はないらしい。
「ふ……何もなかったさ」
「え!? 何ですか!? その顔は!?」
「一体何が起きたんですか!? 話して下さいよ! カナタさん!」
話せるわけがない。超エロモードのサクニャちゃんと超甘えモードのチョコネの話をしたら、二人は死ぬかもしれない。まさか愛撫をどんどんお願いして来るとは予想外だった。その上、愛撫の仕返しまで喰らう羽目になった。すると窓からホゥが顔を出した。
「発情期の猫又二人の攻撃を耐えきるなんて……もしかしてカナタ君は男を辞めているんじゃないかなー?」
「酷い言われようだ……昨日は寝てないから寝させて」
僕も男だ。二人が魅力的なのは分かっている。それでも子作りがしたくなる時期だからするというのは同意できない。お互いにしっかり同意した上でそういう事はやるべきだと思う。頭が固いのかなと思いながら僕は寝落ちした。




