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#67 狐の亜人の救援要請

いつも『動物保護をしている少年は異世界で虐げられている亜人を救います』を読んで下さり、ありがとうございます。作者のとんしです。


明日から11月ということで今後の更新について、ご報告させて頂きます。


現在これとは別の作品を書いておりまして、まず先にもう一つのほうを終わらそうと思っております。よって、こちらの作品は11月から土日の朝7時に更新していくことを決めました。何卒宜しくお願い致します。

亜人の悲鳴で目が覚めた。最悪の目覚ましだ。


「ん? 起きたか?」


「うん。どれくらい寝てた?」


「八時間くらいだ。もう夜だが、飯でも食べに行くか?」


「そうだね。ってどこに?」


「もちろんあの店に決まっているだろう?」


ということでまたお店に行くとマロネにまた裏メニューを薦められる。怪しまれるからと思いたいけど、絶対に僕をおちょくっている。


「今はお腹が減っているから」


「俺が注文しよう」


賢吾が注文するの!?


「かしこまりましたにゃん。お客様はご注文は何かにゃん?」


「狐少女の尻尾なんてどうだ?」


「え? じゃあ、それで」


「かしこまりましたにゃん」


何やら二人の間でやり取りがあったみたいだ。この二人、相性がいいのかも知れない。ここで賢吾がいなくなり、マロネもいなくなったから代わりのウエイトレスとして狐の亜人の女の子がやって来た。


「ど、どうぞーー!」


完全に振りかぶって、熱々の料理を僕の顔面目掛けて飛ばしてきた。


「あっつーーーー!?」


よりにもよってふかひれ姿煮(すがたに)のような料理をぶつけれた。


「何をしている! この!」


「きゃあああああ!?」


僕のせいで彼女が罰を受けてしまった。急いでおしぼりで顔が拭いて、罰をやめされる。


「しかし、お客様」


「僕は大丈夫です。ドジっ子ウエイトレスは男の宝でしょ?」


苦し紛れとはいえ、僕は一体何を言っているんだろう?するとお店のお客が声を上げる。


「これがマロネちゃんを満足された男か!」


「大人しそうな顔しているのに男じゃねーか。おい! 店長! やめてくれよ!」


「お、お客様がそうおっしゃるなら……おい、ちゃんとご奉仕をしろよ」


結果的に僕はまた部屋送りとなった。


「す、すみませんでした! 熱かったですよね?」


「マロネに言われてしたんでしょ? 謝る必要はないよ。治療」


僕は火傷を治す。


「この通り治るしね。君も治して……はやめたほうがいいか」


「はい……そんなことよりあなたは魔毒を治せると言うのは本当なのでしょうか?」


「一応治せるよ」


治療スキルで治せるようになったみたいだし、現在ウルガ達の力を借りて、賢吾が買って来たお酒から消毒液を作っている最中だ。どうして治せるのにそんなことをするのかと言うと僕だけが治せるようになったとしてもあまり価値が無いからだ。


前回のような魔毒の雨でも僕一人で治せる数にはどうしても限界がある。それに前回の魔毒の雨はかなり弱体化させた魔毒の雨だった。これがいつ本気の魔毒の雨になるか分からない。少なくとも敵には僕達をいつでも全滅させる力がある。それから少しでも多くの命が助かる為に消毒液の生産は続けるべきだという決断をした。


「それでも構いません! 巫女様を助けてください!」


「っ!? どういうこと? ちゃんと最初から説明してくれる?」


「はい……」


詳しく話を聞くと狐の亜人のリーダーをしている巫女様が魔毒の雨から仲間を守るために獣化を使って、仲間の傘になって魔毒の雨から仲間を守ったそうだ。


ただこれで魔毒に侵されてしまった巫女様をなんとか救おうと狐の亜人達は消毒液を奪う計画を立てたらしい。結果は失敗したそうだが、集団としてレベルの高さが分かるね。


作戦に失敗した狐の亜人達は全員奴隷にされて、この子に情報が伝わったという経緯らしい。


「亜人の樹海にいるならもう治っていると思うけど」


「あの雨なら大人の皆さんが感じ取りました。でも、雨じゃダメなんです」


「へ? どういうこと?」


「私達の住処は先祖の人間が作ってくれた社という建物なので、雨が中には入らないんです」


家があるのがあだになったのか。皮肉なものだな。しかも僕が覚えることが出来る守護結界に住処全体が覆われているそうだ。


『凄くない?』


『かなり凄いですね。恐らく独自の方法で守護結界を貼っているのだと思います。もし実力なら魔毒や悪魔に引けを取ることは無いでしょうから』


相当の技術力がありそうだな。ここで問題となる所がある。


「もう悪魔が言った期間は過ぎているけど、大丈夫なの?」


「私達、狐の亜人は魔素に耐える修行をしているので、ある程度は耐えられるんです。それに感覚的に巫女様がまだ生きていることが分かります。だからお願いです! どうか巫女様を助けて下さい!」


「そんなにお願いしなくても大丈夫だよ。助けられる命がまだあるなら助けて見せるよ」


「あ、ありがとうございました、で……では……」


狐の亜人は顔を真っ赤にして、服を脱ぎ出す。


「ちょっとまって! それはいいから」


「でも、店長にバレて」


「大丈夫だから。愛撫」


「ひゃうぅううううん!?」


僕は部屋から出る。


「大丈夫でしたか? お客様」


「うん。あの子は暫く立てそうにないからごめんね。あ、同じ料理を注文していいですか?」


「も、もちろんです」


店長が部屋を確認するとベッドで痙攣している狐の少女の姿があった。


『流石マロネと互角に渡り合った人間! 子供では相手にならなかったか』


涼し気な僕の様子に店長や周囲の客は戦慄するのだった。すると何故か上半身が裸状態の賢吾と服を裸せたマロネが降りて来る。


「やったの?」


「ふ……さぁな。あぁ、すまない。こいつと同じ物を頼む」


「かしこまりましたにゃん」


なんかこの二人が怖い。食事を終えた僕らは一度宿屋で話す。


「なるほどな。だが、出発するのは明日じゃないとまずい。夜は悪魔達が目を光らせているからな」


「それなら今のうちに買い物を済ませようか。どうせこれじゃあ、寝てそうにないからさ」


さっきから亜人の悲鳴ばかりが聞こえて来る。きっと夜になって、逃げ出そうとする亜人が多いせいだろう。


「確かにな。それじゃあ、行くか」


「何とか奴隷の首輪を入手出来ないかな?」


「やめておけ。GPSのような物がある可能性が高い。ここにいる間なら気付かれることはないだろうが亜人の樹海で反応があれば奴隷の解放を狙っていることがバレるぞ」


「そうだね。何とか出来ないかな?」


こういう時は黎明に聞いてみよう。


『遮断結界で覆うのが一番確実だと思います』


『遮断結界って何?』


『攻撃やスキルの効果は遮断する結界です。かなり高位の結界なので使える者は少ないと思いますが』


『覚えられるかな?』


『主にはかなり難しいかと……』


そんな事だろうと思ったよ。そこで僕は先程の巫女様という言葉を思い出す。巫女と言えば結界や式神を使うイメージがあるからだ。


『さっきの話に出ていた狐の亜人は使えないかな?』


『確かに狐の亜人は結界や魔術、妖術などに長けている種族ですが遮断結界を覚えているかは難しいところかと』


難しいってことは可能性がゼロじゃないってことだ。ここは希望を持つとしよう。その後、賢吾と町を散策する訳だけど、町中にあるいかがわしい商品を使って、賢吾にいじられる僕だった。


そして僕達が足を止めたのが、奴隷商人のお店だ。


「お前は不快に感じるだろうが探ってみる価値はあると思うがどうする?」


「そうだね。行ってみようか」


僕達が入ると高そうなアクセサリーを沢山付けた小太りのおっさんが現れた。


「いらっしゃいませ。何か奴隷をお探しですかな?」


「まぁな。少し商品を見せてくれるか?」


「……大変失礼ですが、お金はどれほどお持ちなんでしょうか?」


賢吾が袋に入った持ち金を見せると態度が変わる。


「沢山お持ちですね。それではこちらへどうぞ」


お店の中に入れられるとそこには動物園の檻のような所に放り込まれた亜人達がいた。中には子供いる。それぞれ目から怒りや怯えを感じられた。更にここで僕は蜘蛛や魚の亜人を見ることが出来た。ただここにいるのは全員男だった。


「女性はこの奧でございます」


薄汚い所から急に明るい部屋に通されるとそこには着飾った亜人の女性たちがいた。中には髪型を結んでいる子までいる。


「この服は何ですか?」


「当店のサービスでございます。どの女性が好みか一目でわかりますでしょう?」


奴隷を売るための工夫なわけだな。一通り見てから賢吾が聞く。


「ここには魚の亜人はいないんだな」


「あぁ……人魚族がお目当てでしたか? 人魚族は滅多に入荷しませんよ。捕まえるのも命懸けですからね」


人魚族は海にいて、仲間意識が強い種族らしい。しかも海では亜人最強とも呼ばれている種族らしい。何でも海を操る力を持っているのだとか。そりゃあ、船で捕まえに行って、海を操られでもしたら、転覆間違いなしだろう。


「いかがいたしましょうか?」


「そうだな。ん? どうかしたか?」


「いや、あれが気になって」


「お客さんは奴隷をお持ちのお方でしたか。あれも商品ですよ。いかがいたしますか?」


このお店で買いたくはなかったけど、僕のエル達のお土産は決まった。そうこうしているうちに朝を迎えた僕は薬で蛙にまた変身して町を出る。


『急いで帰らないと……ん?』


「チュウ」


『鼠!?』


馬車の中で魔素の雨に匹敵する人生の危機を味わった僕だった。

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