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#20 罠作りとレベル上げ

僕はアンドレイさんから罠の素材であるマジックアイテムの縄を届けて貰って、罠を作る作業する。するとこれを見ていたエルが衝撃的な言葉を言う。


「私もお手伝いします!」


「え……」


僕は思わず作業していた縄を落としてしまう。僕のリアクションにエルが噛みついて来る。


「なんですか! その反応は! 私だってお手伝いぐらいしたことあったじゃないですか!」


言われてみると薪を一緒に集めたりしたことがあった。


「ごめんごめん。エルから言ってきたことが無かったからさ」


「そんなことは」


そこでエルはフリーズした。もしかしたら、人生で初めて言った言葉だったんじゃないかと思ってしまった。そうでないことを祈る。


「とにかく手伝ってくれるならありがたいよ。やり方を教えるね」


「はい!」


そしてエルは罠を完成させる。すると頭を僕に向けて来た。


「どうしたの?」


「お手伝い頑張ったので、頭を撫でてください」


エルがお手伝いを言い出した理由がこれだった。


『分かるぞ。竜人族の少女よ。主に撫でられる為ならなんでもするその気持ち』


『そこまでのものなの?』


『これが証拠です』


証拠と言われると僕が詰んでしまうな。しかし愛撫スキルを取る気にはなれない。そこで僕はアンドレイさんから言われた識別スキルを取ることにした。カードを取り出して操作する。


名前 カナタ 無職Lv1

属性 無


生命力   50

魔力    0

筋力    50

防御力   25

魔法攻撃力 0

魔法防御力 25

走力    50

知力    30


スキル


治癒 鑑定 識別 検索 動物念話 

電耐性 守護獣の加護


称号


《獣医学を学びし者》、《動物の守護者》、《本を愛する者》


ステータスポイント0pt、スキルポイント10pt


完璧だね。


「これで良しっと」


「ぐえ」


女の子が発していい声じゃない声が聞こえてエルを見ると縄がエルの首を絞めつけていた。


「何やってるの!?」


縄をハサミで切ってエルを救出する。どうやら輪っかを首に掛けて遊ぼうとしたら、縄の効果が発動して、首を絞めつけることになったらしい。


「人間怖い……人間怖い……」


「罠で遊ぼうとするからでしょ……えーっと……何をしようとしていたんだっけ?」


『識別スキルです』


「そうだった! エル、識別させて貰っていい?」


「なんだかわかりませんが痛くないならいいですよ」


それなら大丈夫のはず。許可が出たので、エルの能力を調べてみる。


「識別!」


エルにステータスが表示される。


名前 エル 竜人族Lv10

属性 雷


生命力   120

魔力    125

筋力    154

防御力   30

魔法攻撃力 130

魔法防御力 100

走力    122

知力    10


スキル


飛行 放電 雷撃 充電 落雷 雷龍の加護


称号


《竜人族の王女》


黎明によると識別にはステータスポイントとスキルポイントは表示されないらしい。しかも亜人にはそれらがなく、レベルアップと同時にステータスが上がり、スキルは成長や進化で覚えたりするそうだ。


騎士の剣を軽々持っていたから僕よりは遥かに強いとは思っていたけど、かなりのステータスの差があるな。どうしてレベルが上がっているのか気になったけど、恐らく川での魚退治が影響しているんだと思う。


そしてエルの戦闘スタイルも大体判明した。防御力が少なく走力が高いからスピードタイプなのは間違いない。


接近戦タイプなのか遠距離タイプなのかは現状分からない。スキルから判断すると空中から雷で攻撃するタイプだとは思うんだけど、筋力があるから接近戦が苦手とも言えないね。


スキル一覧が乗っている図鑑を読んだからエルのスキルは検索スキルで調べることが出来るはずだ。結果がこちら。


飛行:翼で空を飛ぶ際に自動で使用されるスキルで常時発動している。

放電:体から電気を発生させて、敵にダメージを与えるスキル。

雷撃:手から雷を出して攻撃するスキル。

充電:電気や雷を貯めることが出来るスキル。貯めた分だけ雷系のスキルの威力が上昇する。

落雷:空から雷を落とすスキル。

雷龍の加護:魔法耐性の他に雷系のスキル全てを無効化してしまう常時発動している。


僕が最初に向けたのは放電スキルだね。これらを使えれば強いと思うんだけど、どうすればエルはスキルが使えるようになるんだろう?黎明なら何か分かるかも知れない。


『エルがスキルを使えるようになるためにはどうすればいいと思う?』


『スキルが全く使えないというわけではありませんからね。スキルを使う感覚か何かを掴めば使えるようになるでしょう』


『なるほど……つまりエルの尻尾を毎日触れば使えるようになるかもしれないってこと?』


思い返してもエルが放電スキルを使ったのはどれも尻尾に刺激を受けた時だ。


『そうかも知れませんが主には感電する覚悟と嫌われる覚悟をして頂かないとダメかと』


確かにこの方法は色々問題がある気がする。称号でどエムとか変態とかもらわない為にこの方法は避けよう。ここでもう一つの可能性について聞いてみる。


『エルが成長や進化をしたら、使えるようになったりしないかな?』


『その可能性はありますね。しかし』


『分かってるよ。エルが戦闘する気になる必要があるわけだね』


『そういう事です。因みに愛撫スキルでの頭なでなではご褒美には十分だと思います』


黎明の愛撫押しが凄い。


『分かった。考えておくよ』


僕が前向きに検討するようになったことで黎明は尻尾を振って、嬉しそうだ。一応エルにステータスの事を伝えるが興味がない。すっかりここでの生活が気に入ってしまったらしい。まぁ、今は罠製作に集中するとしよう。


僕は罠を数日掛けて完成させる。その後、アンドレイさんに罠を設置するやり方を教わり、設置してから一日後、アンドレイさんと夜に罠の確認に向かうとボアラが三匹引っかかっていた。そしてアンドレイさんが仕留めるとここで初めて僕に経験値が入った。


狩りが終わってからカードでレベルアップを確認する。


名前 カナタ 無職Lv5

属性 無


生命力   50

魔力    0

筋力    50

防御力   25

魔法攻撃力 0

魔法防御力 25

走力    50

知力    30


スキル


治癒 鑑定 識別 検索 動物念話 

電耐性 守護獣の加護


称号


《獣医学を学びし者》、《動物の守護者》、《本を愛する者》、

《罠の狩人》


ステータスポイント4pt、スキルポイント14pt


結構なレベルアップになった。そして新しい称号が増えている。この結果、新しいスキルに解体、遠当て、罠設置が追加された。アンドレイさんが説明してくれる。


「解体スキルはモンスターを解体してくれるスキルだ。これがないと手作業で解体することになるから時間も労力もかかる。ギルドでお金を支払えば解体して貰えるが基本的には自分達でしているな」


お金を支払うならそれはそうだろう。しかも僕は当然モンスターの解体法は知らない。それでも解体スキルを使えば解体出来るんだから便利なスキルだ。消費スキルポイントは1ptだし、とっても良いんだけど、アンドレイさんが持っているらしいので、保留する。


「罠設置は罠を登録することで一瞬で指定した場所に罠を設置してくれる便利なスキルだ。手作業と違って人間の臭いが付くことがないからモンスターが罠に引っかかる可能性が高まることになる。罠の中には高度な物もあるから知識がない者にとっては必須のスキルだな」


僕は攻撃手段とか無いから罠を極めて見るのも手だと思った。消費スキルポイントは5ptだった。


「遠当てスキルは物を遠くに飛ばせるようになるスキルだな。成長していくと投擲や射撃、狙撃といった弓矢や銃の攻撃範囲に関わって来るスキルに成長していく。お前が狩人として将来弓矢とかを使いたいと言うなら取っておいて損はないスキルだ」


弓矢はかっこいいと思うけど、僕には向いていないと思う。スキルがあれば多少下手糞でもある程度はなんとかなるらしいけど、これは保留かな。消費スキルポイントは3ptだった。


こうして僕の初めてのレベルアップした一日が終わった。

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