表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/128

#17 最初の勇者の物語と新たな称号

そんな毎日が続き、ある休日に僕は息抜きをするためにこの世界の物語に興味を持ち、リースにオススメされた物語の中に気になるものを見つけた。


「【異世界勇者と邪悪な魔王】ね」


「それは一番有名な物語ですね。これは実話で最初に異世界召喚された勇者様達と邪悪な魔王との戦いの物語なんですよ。カナタ様にも関係がある話ですし、読んでみたらどうですか?」


ということでエルに聞かせながら読んでみる。あらすじとしては異世界から召喚された勇者が仲間と一緒にモンスターを倒してレベルを上げていき、仲間も増やし、最後には魔王を倒すというストーリーだ。


これを読んだ僕は色々な違和感を感じた。まずこれが実話なら勇者と魔王の戦いは勇者パーティーのみで挑んでいる。世界の命運を掛けた戦いに他の人は見ているだけとかあり得るのだろうか?普通なら総出で挑むと思うんだけどな。


まぁ、国とのやり取りが描かれていないだけで勇者の邪魔になるから国が戦いに参加することを禁止したのかも知れないか。様子を見に来たリースに感想を言う。


「この聖女様が魔王討伐の立役者だね。魔王の力を封じるなんて凄いな」


「そのお方は聖女ルナ様です。ソルティア教会において、最も有名な聖女様なんですよ」


「ソルティア教会ってもしかして僕らの職業を決めた時の大司教様が所属している教会の名前なのかな?」


「恐らくそうですね。私が知る限りですが教会はソルティア教会しか知りません。先程カナタ様が言ったように魔王討伐に関わった聖女様がいる教会ですからね」


人間の信仰がそこに集まるのは当たり前なわけか。


「因みにそのルナ様はどうなったの?」


「魔王の力を封じるのに力の全てを使い果たしてお亡くなりになったと言われています」


「え? でも、この物語だと一緒に魔王討伐を喜んでいるけど?」


「これは子供に聞かせる物語ですからね。事実は大人になってから聞かされるんですよ」


確かに聖女様が死んで終わるのは子供に聞かせる物語としてはダメな終わり方なのかもしれない。


「ところでなんでエルちゃんはさっきからカナタ様の布団を叩いているんですか?」


「勇者がドラゴンを討伐するところがあってね」


「あぁ~……ありましたね」


「ドラゴンが勇者に負けるなんてありえません!」


そう言いながらずっと僕の布団を叩いている。頼むから自分の布団を叩いて欲しい。その日は他の物語も読んでいると黎明が声を掛けて来た。


『どうやら称号を獲得したようです』


カードを確認すると確かに称号が増えていた。


称号《本を愛する者》


どうやら法律の本や物語などを読んだことで獲得した称号みたいだ。ついでにスキルを確認すると追加されていた。それがこちら。


「検索スキル? これってどういうスキルかわかる?」


『は! どうやら本で得た知識をいつでも表示することが出来る知識のようです』


それって便利じゃない?本を読む必要はあるけど、インターネットの検索見たいなことが出来るというなら獲得する価値がある。消費スキルポイント5pt。愛撫と同じというのは納得いかないが早速取ってみる。


名前 カナタ 無職Lv1

属性 無


生命力   50

魔力    0

筋力    50

防御力   25

魔法攻撃力 0

魔法防御力 25

走力    50

知力    30


スキル


手当て 鑑定 検索 動物念話 電耐性 

守護獣の加護


称号


《医者の卵》、《動物の守護者》、《本を愛する者》


ステータスポイント0pt、スキルポイント11pt


これで良し。早速黎明に使い方を教わり使ってみる。


「検索【亜人】」


僕がそう言うとゲームのステータス画面みたいなのが表示されて、そこに僕が得た亜人の知識が表示される。


「これって本の知識が間違っていたら、どうなるの?」


『間違った物が表示されるでしょうね』


読むべき本をしっかり選ばないとダメだな。個人的にはモンスター大全や植物図鑑などがあれば結構役立つと思うんだよね。


そして獣医学を学んだことで新たな称号を獲得した。それがこちら。


称号《獣医学を学びし者》


この称号の効果で手当てスキルが治癒(ちゆ)スキルに進化した。カードで確認するとこんな感じになった。


名前 カナタ 無職Lv1

属性 無


生命力   50

魔力    0

筋力    50

防御力   25

魔法攻撃力 0

魔法防御力 25

走力    50

知力    30


スキル


治癒 鑑定 検索 動物念話 電耐性 

守護獣の加護


称号


《獣医学を学びし者》、《動物の守護者》、《本を愛する者》


ステータスポイント0pt、スキルポイント11pt


この治療スキルは手当てスキルより生命力の回復量が上がり、毒と病気、混乱、麻痺、出血、火傷を手で触れるだけで治せるようになった。


毒と出血、火傷は時間経過で生命力を減らすゲームで言うところの状態異常。毒には強力な物もあり、それは今の僕では治療出来ない。


出血と火傷は基本的に毒より生命力を減らすのが大きい。ただ毒は時間経過でダメージの量が上がるらしい。僕としては生命力が少ないから最初からダメージが高い出血と火傷のほうが脅威となる。


最も黎明達のお陰で僕は状態異常にならないけどね。それでもエルがなるかも知れないからしっかり治療方法を習った。これの対応は完璧だ。


病気は全てのステータスが下がるゲームで言う所のデバフの状態異常みたいだ。因みに魔法の中には直接ステータスを下げて来る魔法が存在しているらしく、これは治療出来ない。


混乱は自分の意志とは関係なく体が動いてしまう状態異常。似たもので魅了や洗脳という状態異常があるらしいがこれもまた治癒では治せない。


最後に麻痺は一定時間動けなくなる状態異常。硬直という同じ効果の状態異常もあるらしいけど、こちらも今の僕では治せない。他にも獣医学を学んだだけでは治せない凍結や石化など沢山の状態異常があった。


この世界で暮らして行くための知識は十分得た。一つ強くなったことだし、そろそろレベル上げに向けて行動を開始するとしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲーム世界で冒険する小説『Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~』を
以下のリンク先で連載中です。


Elysion Online ~ドラゴニュートと召喚師~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ