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艦魂短編集『彼女たちの物語』

輪廻の「大和」

作者: 高島智明


皆様方の艦魂小説を読んでいる間に、想ったままの事を書いてしまいました。

気軽に読み飛ばしていただければ、幸いです。

艦魂。それは「ふね」を愛するものたちの語り継ぐ伝説。

彼らは、彼らの愛する「ふね」に、命と心が宿ると信じた。

ゆえに、“それ”ではなく、“彼女”と呼んだ。

ゆえに、彼らは信じる。目に見えないだけ、耳に聞こえないだけ。

1パイの「ふね」には、必ず、1人の「彼女」が居る。

若く美しい乙女の姿をした、心優しき精霊。


依代となる「ふね」が水上に誕生するとともに宿り、

その依代が「ふね」としての生涯を終えるとその存在が消えるという、

その彼女たちを何が生み出してきたか。

もしも、それは「ふね」を愛するものたちの想いが生み出したのなら、

もしも「名」という「言霊ことだま」を受け継ぐときには、その命と心は受け継がれるのだろうか。


失われた「ふね」の「名」を、新たに建造される「ふね」に託す。

その行為には、当然のように託された想いがある。その想いの強さが、天に還った命と心に届くことはあるのだろうか。

だとしたら、あの「ふね」は……

――― ――― ――― 

広島県呉市。「海軍の町」それは、帝国海軍が海上自衛隊となっても抹殺できない。

かつての連合艦隊の「艦名」を受け継ぐ自衛艦が、そのデザインも変わらない旭日旗を掲げている。

彼女たちは、ただ「同名」なだけなのか。

それとも「言霊」に込めた「想い」が、天から呼び返した、命と心が宿っているのだろうか。

もしも、想いの強さが呼び返すものなら、

それではあの「ふね」は……

・  ・  ・  ・  ・

『大和ミュージアム』

「海軍の町」の歴史を展示する記念館。ここには「戦艦大和」が居る。

(1/10)の「大和」それは、ただの模型ではない。

実際、その艦体部分は、全長26メートル余りの、鋼鉄製の立派な“フネ”。

実際に、造船所に製作を依頼し、進水式まで行われた。

これより小さな、漁船やヨットですら「魂」が宿るのなら、“彼女”に宿らない筈がないだろう。

それでは、“彼女”は「あの」『大和』なのだろうか?

――― ――― ――― 

もしも“彼女”が「あの」『大和』なら、彼女は「ミュージアム」での日々を、どう過ごしているだろうか。


艦魂がどれだけ、その依代を離れられるか、

もしも、ある程度、例えば、水平線の範囲内程度は移動できるなら、

「ミュージアム」を訪れる「見学者」に混じって、館内をめぐっているだろう。

時には、自分の妹や、戦友の「形代」となる、展示模型に見入っているかも知れない。

時には、展示されている他の「ふね」、

潜水調査船「しんかい」や水中翼船「金星」あるいは隣の「てつのくじら館」の潜水艦「あきしお」などと、

語り合っているかも知れない。


時には、展望テラスから、故郷である呉の港を見守っているかも知れない。

その港内には、海上自衛隊の自衛艦が居る。

彼女の後輩であり、その中の何隻かは、“前世”において艦首を並べた戦友の「生まれ変わり」でもある。

時には、彼女たちを招待して、語り合っているかも知れない。

・  ・  ・  ・  ・

それは、単なる伝説に過ぎないのだろうか。

だが、“彼女たち”を愛するものたちは、その存在を信じる。

これは短編小ねたです。

これ以上続かないのは、ひたすら、自分の文章力の無さにのみ、原因があります。

もしも、もっとしっかりした小説らしい小説を執筆してくださる方がいれば、むしろ感謝いたします。

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