首都水没
20XX年春・・
従来にない規模の「爆弾低気圧」が太平洋南西部で発生。
日本列島へ進んでいた。
その数日後。
「爆弾・・」が首都圏を直撃する可能性がきわめて高くなり、首相官邸に関係者が緊急に召集された。
そこで明らかになったのは、24時間から48時間以内に、1500mm を超える猛烈・激烈な降雨により、
都内の23区すべてとその周辺地域が水没すること。
水の高さは、低くみても2m 超で、最悪の場合は3m 超も。
この水位では、いくら長身の人でも水没する危険は避けられない。
すべての河川が氾濫して、道路や建物、クルマは冠水。
首都が持つ機能が、すべて失われる。
それに追い撃ちをかける問題は、浸水する地域の住民を避難させる場所がないこと。
つまり、日本の人口の1割が住む地域が、事実上壊滅することが確実に。
官邸では、ごく一部の人たちをひそかに避難させる予定を立てたが、マスコミにもれて報道され、
政府はこれまでにない批判を受ける事態になった。
豪雨の影響が比較的少ない地方へ向かう高速道路は、すぐに渋滞が発生。
首都圏から地方に向かう鉄道、航空機等は瞬く間に満席になり、乗れない人たちが駅や空港にあふれて、傷害事件も発生。
人ごみにおされて死亡した人も相当数にのぼった。
豪雨の影響が首都圏よりは少ない、ある地域には「汚染水」を収めたタンクが林立していたが、
爆弾低気圧が近づいて、太平洋沿岸の波が高くなってきたとき、タンク群に旅客機が墜落。
多数のタンクが破損して、大量の汚染水が海に流出。
世界で多数の国々が、日本産の農水産物の輸入を無期限に停止した。
高潮の際は、放射性物質を含んだ大量の海水により、沿岸の広い地域に被害が及ぶことも確実になった。
(続く)




